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SPY×FAMILY Mission99ネタバレあり感想/嘘と平和/

SPY×FAMILY Mission99が更新されました
約1ヶ月ぶりの本編更新です
辛いことが続くとわかってはいましたが、思っていた以上に辛いです…

前回までのあれこれ

教師としてイーデン校に戻って来たヘンリー。その頃マーサはインペリアルスカラーになっていた。
また2人でお茶会を通して交流するのも束の間、少しずつ戦争は激化していく。
マーサが憧れ、将来入団するはずだったバレエ団が慰問先公演で爆撃を受け、犠牲者が出てしまい、ついにはバレエ団も無くなってしまう。
いつまでも日常がそこにあるものだと思ってはいけなかったと痛感するマーサ。

大切なものを奪われないように、マーサは国防婦人軍に入隊することを決意。
ヘンリーは断固反対し、マーサとはケンカしてしまう。
職員室前でヘンリーのお見合い話を聞いたマーサは、このまま、ヘンリーへの思いを抱えたまま卒業するのは嫌だと、決心する。

卒業パーティーに、国防婦人軍の隊服で現れたマーサは、ヘンリーをダンスに誘う。
ダンスが終わるまでに告白する
そう決めていたマーサ。
意を決して「ねぇヘンリー、、私、あなたのことが−」そう言葉に出したと同時に鳴り響く空襲警報。
思い切って吐き出した思いの丈は、無常にもかき消されてしまった。

感想と見解

卒業パーティの途中で鳴り響いた空襲警報は誤報
パーティはお開きとなり、マーサはヘンリーに言いかけた言葉を引っ込めてしまい、想いを届けることが出来なかった。

「この時ほど引っ込めた勇気を恨んだことはなかった」ということは、これ以降、その思いを伝えることが出来なかったからか…実際ヘンリーはその後お見合いで他の女性と結婚してしまったもんね…この時に言っていたら、もしかしたら2人で幸せになれていたかもと思うと…

「親愛なる教え子」から「愛するマーサ」へ
 マーサと手紙でやり取りをするうちに、手紙を待ちごがれるようになったヘンリーは、お茶会を楽しみにしていたマーサと同じ。
お茶会も、文通も、同じように戦況の悪化によって、2人の大切な交流の時間が奪われていく。
いつも気丈なマーサが初めて見せた弱音。
自覚したマーサへの想いが溢れていく。

「君が帰ってきたら卒業パーティの続きを踊ろう」って、今この時(アーニャ達の試験後のダンスパーティ)だったりしない…?そしてお互いに伝えたいことを伝えて…泣

学生時代のドノバン・デズモンド
 まさかヘンリーの教え子だったとは…そういえば、インペリアルスカラー達の肖像画の中に、ドノバン・デズモンドいたっけな…
人間は嘘つきだから戦争はなくならない
学生の頃から、人間に対しての諦観を抱いている
現実を見て合理的に判断し、状況によって移ろいやすい感情とか、人間の理性的な部分などの無駄なものを全て省いた、ある意味、的を得た考えだとは思う。

ただ、ヘンリーの講義は面白いと感じられているし、平和を願うと言っているところ、まだ人の情のようなものが少しはあったのかな?と感じた。
血のつながった子供でさえ、人と人とは所詮他人同士、永遠にわかりあうことなんて出ない。
どうやったら、あんなにも人に歩み寄ろうともせず、人を理解しようとしなくなったのかが気になる。
それもやはり戦争という環境のせいなのだろうか…

SPY×FAMILYのメインであるフォージャー家は、「嘘の上で家族という平和が成り立っている」
 スパイと殺し屋とテレパスと未来予知犬が、互いに嘘で自分の正体を隠しながら、家族という共同体を通じてかけがえのない関係性を築いていく過程を描いている物語でもある。
嘘があるからこそ、形を保てている繋がりにも綻びはあって、少し間違えればすぐにでも崩壊してしまいそうな、危うい関係。だけどその中で、真実を知り、奮闘して関係を繋ぎ止めているアーニャの存在はとても大きいなと感じます。

ドノバンの言う、人は嘘をつくから争いは無くならないという考えは、この物語の芯にも触れそうな話ですね…

「帰ってこい」
 自分の気持ちに気づくのが遅すぎた
マーサに対する自分の気持ちに気づいたヘンリー
気づいた時にはもう遅く、その想いを伝えることも守ってやりたくてもすぐ側にいることすら叶わない。
「マーサに会いたい」
その想いを手紙に込めるヘンリーの悲痛な心の叫び
ラジオから聞こえた、残酷な知らせ。
国軍は、国防婦人軍達の死を讃え未来ある若者達を自ら戦争に向かわせようとする。
それを「くだらん争いの犠牲者」と抗議するも、非国民扱いされてしまう。

髪も整えず、髭も伸びた、エレガントからかけ離れた姿で抗議するヘンリー。
その姿から、マーサを失ってしまった悲しみが感じられて胸が締め付けられる
この時に殴られ負傷した左目にモノクル付けてるんですね…はんぶんめがねにもちゃんと意味はあったのか…

父親に心を入れ替えなければ教師に復職させないと迫られ、自分のプライドよりも、10年、100年先の未来に賭けて、教職として、再び過去の自分が掲げた戦争が起きない世界に向けて歩みを進めていく。
再び親が取り付けたお見合いで結婚、復員兵が街に溢れ返って来た頃になっても、マーサは帰ってこない

ここ、読者は現在(マーサもヘンリーも健在)を知ってるから、ある程度安心して見れているところはあるけれど、ヘンリーにとっては、マーサからの最後の手紙で自分の本当の思いを知って以降、次々と希望が打ち砕かれていっているのでとても辛い

西国辺境の某所
包帯を巻かれ、ボロボロになってベッドで眠っていたマーサが目を覚ました


ヘンリーとマーサに言いたい
あなた達は、再び生きて再開できた時、どのような声で、どのような表情で、どのような言葉をかわしたのですか… ?
もうすぐそこまで、自分の思いが出てきてるんだから、今までの想いは全部ぶつけ合ってね…と

自分の気持ちに「気づくのが遅かった」
というのが印象的で
ロヨには、このような後悔はして欲しくないなと、ふと思う。
なんとなく、2人とも自分の役割に対して真面目に向き合ってる分、自分の気持ちと、側にいる人たちの気持ち向き合ってーって思うことがよくあるので

こういう現代に生きる私たちに問題提起するような、シリアスで真面目な展開と、その間に挟まる、コメディ要素(ヤキモチ作戦など)で真面目すぎる雰囲気を緩和してバランスよく描くの、遠藤先生すごいなと思う
重いけど、まだ読みやすくなるから、色んな人に読んでほしいなぁ…🙏

また気になる展開で終わったので次回更新楽しみにしてます…!

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