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私の出産レポート

正直、お産をナメていた。

このレポートは、"誰かのため"などではなく、「お産をナメていた」ただそれだけをここに記録しようと思う。

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出産当日
深夜4時頃、腰が痛くて目が覚めた。
「これが陣痛か..」とすぐに分かった。

と同時に、驚いていた。
最初の陣痛に気付いた時の、あまりの痛さにだ。目をつぶってクゥううう、、、となる程に痛かったのだ。

陣痛は一般的に、弱い痛みから始まり、段々とクライマックスに向けて強くなっていく。

正直、始まりの痛さを感じたとき、クライマックスくらいの痛さがこれくらいだと思っていたのだ。
え..始まりがこれ..?となった訳である。

ところで、一般的に痛いと言われているお産を
なぜ私がナメていたのか。
それは、私の母から「お産チクチクっとしたくらいで、全然痛くなかったよ〜」と聞かされていたからである。
小さい頃から、私の母は少し盛り癖があるのだ。
母は私を産んだ時、陣痛が来たとき既に子宮口10センチ(最終段階)だったよ〜などと言っていたが、母子手帳には「分娩時間12時間」としっかり記録されている。しっかり陣痛が来ている証拠だ。

しかし、それも今思えば母の優しさなのかと感じる。
お産は怖がるほど難産になると言われているのだ。

そのことを知っていた私は、「お産は楽勝」と思い込みたかったのかもしれない。

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午前7時
(陣痛開始から3時間が経過)

このとき既に陣痛は5分〜7分間隔になっていた。病院へ連絡し、診察を受けた。
子宮口が4センチほど開いており、その日中に生まれると判断された為、即入院が決定した。
この時の痛みは、痛みが来たときはうずくまる程に痛いが、陣痛の波が弱いときは普通にLINEを送れる程度だった。

ちなみにお産のクライマックスは、
子宮口10センチ、陣痛間隔1分〜2分である。

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午前10時半、子宮口6センチ。
(陣痛開始から5時間半が経過)

騒ぐのは恥ずかしいし、静かに耐えるお産しよう。なんて考えていたが、この時すでに叫ばずにはいられなかった。
「いやだぁああああああ!!!!!!!!」
「ああぁぁぁあああああああああ!!!!!!」

その声を聞き、ときどき様子を見に来てくれる助産師さん。叫び声など慣れているようで、
「神谷さんの分娩台、用意してくるね!」なんて言っている。
「行かないでえええええええ!!!!!」と腕に抱きつく。

助産師さん「大丈夫!乗り切ろう!ねッ!」
むりむりむりむりぃいいい!!!!ここにいてくれよぉおおおおお死んじゃうよぉおおおおお

(助産師さん部屋から退室しようとする..)
すぐさまナースコール!!!ポチポチポチポチ!!!助産師さんを連れ戻したりした。

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午後12時、子宮口8センチ。
(陣痛開始から8時間が経過)

この世の痛さとは思えぬ痛さだった。
負けじとこの世の者とは思えぬ声で叫び続けた。

痛さと怖さをイメージするならば、
とある時間ごとに指を一本一本ノコギリで切られていく。それも逃げることも死ぬこともできない、という感じだろうか。

次の陣痛が恐怖でしかないのだ。
来る、、!来る、、!うぁああああああ!!!!

助産師さん「ハーイ、痛いね。あと2時間くらいかな?頑張ろうね〜!」

あと、、2時間?ウソだろ。
3分に一回来るこの痛みを、あと2時間、、?


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午後1時半、子宮口9センチ。
(陣痛開始から9時間半が経過)

ここで破水。赤ちゃんを包む膜が破れた。
赤ちゃんが生まれるには、2つの要素が必要で、
ひとつ目が私が子宮口を開く。そして、もうひとつが赤ちゃんが下がってくることだ。

このとき、
私があと1センチ開かねばならない状況で、
赤ちゃんは既に頭が見えるほど準備万端に下がってきていた。

そうなると、ものすごくいきみたくなる。
まだ出れるだけの広さがないのに、出そうと力を入れてしまうのだ。
赤ちゃんからすると、出れない出口に押しつけられとっても苦しくなってしまう。

どうしようもなく踏ん張って力をいれてしまうのに、抜かなくてはならないなんて拷問すぎた。
痛さ抜きにして拷問さだけを例えるならば、下痢爆発寸前でトイレも目の前にあるのに、あと10分我慢して!!と言われるような感じだろうか。

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午後2時、ついに子宮口10センチ。
(陣痛開始から10時間が経過)

ようやく子宮口が全開になったので、分娩台に上がる。よく見る、足を広げて生むポーズになる場所だ。
分娩台に上がったら、会陰切開といって、赤ちゃんの出口を広げるためにお股をハサミでジョキジョキ切られる。これは陣痛の痛さに比べると大したことがなかった。皮膚をハサミで切られる。想像できる範囲の想像通りの痛みだ。(感覚が狂ってくる)

いきむのも陣痛ほど痛くはなかった。
めちゃ深い切れ痔があるけど、おっきい💩を震えるほど全力で踏ん張る、くらいの感じだ。(感覚が狂っている)

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午後2時11分、
そんなこんなで5回ほどいきむと、
3176gの女の子が生まれた。
(陣痛開始から10時間11分)

おめでと〜!という声が飛び交うが、やっと解放された、、と放心状態だったのを覚えている。


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少し雑ではあるが、記憶が新しい内にお産を記録しておこうと思った。
このお産で体験した約10時間は凄まじく、
本当にヤバいものだった。

それでも、すでに忘れてしまうのではないかと思うほど、愛おしい我が子との大事な時間を、これから楽しみに生きていこうと思う。

終わり。

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