推しエッセイ 踊りたくなる踊り方を推す

ここでは「推し」で統一するつもりだったけど、やっぱりジャニーズの自担は「自担」のほうが圧倒的にしっくりくるから、自担って呼ぼうかな。
自担の影響で2年前にダンスを再開した。影響とかいうレベルじゃない。自担に出会わなかったら、私はもう踊らないまま生きてたかもしれない。
2年前に出会った自担の踊り方が好きで、好きで好きであまりにも好きで宇宙で一番好きだと思った。当時まだ中学生だった自担を自担と呼ぶ決意があっさりできるくらいにはどっぷり好きだった。顔と名前しか知らない男の子に対して「踊り方が好き」というだけでのめり込んでいることに気づいたとき、そうだ、私は踊ることが大好きなんだった! とはっきり思い出させられてしまったのだ。
だから自担に出会って2ヶ月後にはもうダンススタジオに入会していたし、しかもそのときの私は「彼みたいに踊りたい」と思っていた。本気で。20代社会人が中学生男子にあこがれてダンススタジオに通いはじめるってもうだいぶやばいと思うんだけど、そのときの私はそういう「自担が好きすぎて頭がおかしくなったやばい自分」をちょっと楽しんでいたと思う。今も楽しい。何かや誰かが好きで好きで頭がおかしくなって衝動的に行動する機会なんて、大人になったらそうそうあるもんじゃない。でもオタクにはある。オタクって楽しい!
だから私はいつも、「自担だったらこの振りをどう表現するかな」と考えながら踊っている。自担だったらここで腕と一緒に頭も回すだろうな。自担だったらこのステップはおもいっきり大きく踏み出すだろうな。そうやってひとつひとつの振りの解釈を考えて、それに沿うように自分の体を動かすのが楽しくてしょうがない。もっともっと踊れるようになりたい。私はまだずっと頭がおかしいまま、「彼みたいに踊りたい」を追いかけている。

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