事業コンセプト(考え)こそが企業の発展の要。【事業分析⑬】
よくPanasonicとソニーの比較分析している記事を見かけます。
定時株主総会招集通知が来ましたので、私なりに比べてみました。
まず両社の直近10年の売上高推移を見ますと、2014年を境にソニーがPanasonicを上回っています。しかも凸凹はあるものの上昇トレンドです。Panasonicは踊り場がありますが、下降トレンドです。
私は新製品の販売予測モデルを開発して、売上高と最も相関関係が強いのはコンセプト(考え)ということがわかりましたので、コンセプトこそが新製品や事業の成否を決める最大の要素だと考えております。
そこで、両社の事業をコンセプトの視点でみてみました。
ソニーは、
「クリエイティビティとテクノロジーで世界を感動で満たす」
です。
一方、Panasonicは、
「よりよい暮らしを創造し、世界中の人々のしあわせと社会の発展、そして地球の未来に貢献し続ける」「快適かつ便利な暮らしの実現」
とあります。
社会が進むにつれ、欲求レベルがあがっていきます。マズローの欲求5段階説を参考にすると、下の物質的欲求が満たされると上の精神的欲求が出てきます。
Panasonicは、物質的欲求を、ソニーは精神的欲求を満たそうというものです。
「感動」と「快適かつ便利な暮らし」のどちらのコンセプトに人々は共感するのかといいますと、今は、「感動」のほうだと思います。物があふれ、もうあまり不快で不便という実感がありませんので、Panasonicのコンセプトでは、あまりワクワクを感じないのです。
さらにソニーは、「人」を軸とした事業ポートフォリオということで、「感動」を次の3つに細分化しています。
➀人の心を動かす事業
➁人と人をつなぐ事業
➂人を支える事業(安全・健康・安心)←ここは物質的欲求です。
こう表現されると、マズローの欲求5段階説に当てはまっているのがわかりますよね。
今の人々の欲求に応えているソニーのほうが事業が発展していっているのだと思います。
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