映画を見てきました。

ということで観てきました。LDHプロデュースな映画、ということで去年観た『HIGH & LOW』シリーズがかなり気に入りだったので封切り日に行ってきたんですが、正直に言ってかなり人を選ぶ、というか有り体に言って映画に娯楽活劇性を求めてる人が行ったら相当キツい一本だったと思います。僕ももう少し頭を切り替えるのが遅ければ即死していたかもしれない。 これは活劇的な娯楽映画ではない。というか 口語化したカタルシスは皆無 です。その反面で 原義的な意味でのカタルシスは山盛り にある。むしろがっつり賞を獲りに行くような姿勢が見える文芸寄りの代物で、映画祭に持ち込んだって話から察するべきだったのかも。

『HIGH & LOW』シリーズですっげえなと思った、必要なセットに湯水のように金を使うって姿勢は健在で、たとえばおそらく相当にガチで再現されたたたら場は好きな人ならたぶん必見レベル。話の作り方としても、嫌なリアリティに満ち溢れた「小さなコミュニティ」の描写はなかなかのもの。実際に「かの歴史上の人物」がそれをやる必要はどこまであるんだ? みたいなところはありますが(このへん、話にある小説版だと補完されそうな気もする)、被害者側としては笑えない、あの流れになったら逃げる手が思いつかない、という設定をぶつけてくるあたり非常に邪悪。ヒロイズムの人がいないところにヒーローじゃないと打開できない状況設定が出てくる話で、ああ、これ救いがないやつだ、スカっとする展開なんて期待しちゃいけないやつだ、と前半観ているうちに割り切れるかが勝負だと思います。

ただ、ひとつだけ明瞭に物申したいのは、宣伝で使われてる "のちに人は、その若者を「たたら侍」と呼んだ。" という一節、これがほぼ内容に即していないのはなんとかならなかったんか。あの展開だとそもそも 誰も彼のことをそう呼ぶわけがない し、むしろ 存命中にそう呼んだら当人から一生恨まれそう なカンジがするんですが。

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