ネットカフェで「まおゆう」を読む

今日は休みで、漫画喫茶に漫画を読みにでかけた。休みらしい1日だった。

先週に続いて2回目。以前は休みの日は朝刊配達の時間帯にナイトパックで快活クラブに行き、漫画を6時間ぐらい読み続けて、クラクラになるまでやって、家に帰るみたいなことも繰り返していたが、ここ数年はずいぶん遠のいていた。

漫画はそれこそ、数限りなくあるので、読むものに尽きることはない。

快活クラブだと3時間パックでオープンブースなら650円、6時間パックでも1050円なので、漫画好きなら、まさに天国とも言える環境だ。

今のこの冬の寒い時期だからこそ、バイクに乗って上着を着こんで、カフェにたどり着くまでは億劫だが、いざ、席について読み始めれば時間の進み方は恐ろしく早い。勉強もこれぐらいの集中力を発揮できたらいいなと、いつも思う。

今日は3時間かけて、「まおゆう」を3巻まで読んだ。

この作品は元々は原作が小説で、2ちゃんねるの掲示板で書き込まれていたものが、ライトノベル化したもので、作者は橙乃ままれ。

「まおゆう」とは魔王、勇者の略で、魔王と勇者が存在し、魔法や剣技、魔物、妖精など中世世界をベースにしたファンタジーの世界で、

武力で魔族と人間の決着をつけて勝敗で、支配するものされるもの、勝者、敗者を決めるのではなくて、戦争のその先の世界秩序を、魔王と人間の勇者という、対立する二つの勢力が、同じ一つの世界でどのように共存し、繁栄していくかというテーマで、

魔王の知恵、知識と勇者の圧倒的、戦力と機動性を、2人がタッグを組むことで、支配するもの、支配されるものの2極対立を越えて、まだ見ぬ「丘の向こう」を目指していくというストーリーだ。

魔王は経済学者でもあり、中世ヨーロッパで生まれた、四圃式農業、馬鈴薯、トウモロコシ、活版印刷、羅針盤などなど、まおゆうの世界にそれまでなかった作物や発明品、概念などを魔王が持ち込み、教会や商人の同盟の仕組みなどを利用して普及していきながら、世界の秩序を勇者とその仲間と協力しながら、書き換えていくというストーリーになっている。

テレビアニメの同作品があって、それは全部見たのだが、小説や漫画にはその先があり、その内容がずっと気になりながら、今までずっと放置していたものが、今回、機会を経て、再びこの作品を読める機会を得た。

今回は漫画喫茶の本棚で出会ったというか、見つけることになった。
この作品はなかなかに勉強になる。

経済や教育、戦争、社会秩序、階級社会など、あらゆるテーマが盛り込まれていて、現実の世界史の中で、人類が踏んできたプロセスの再現を行っている部分があり、いろいろと考えさせられる。

特に自給自足や、自分たちの領域を作り、維持し、守るという意味で、現代のこの、政治も経済も腐りはてた世の中で、新しい社会、新しい環境を作っていくうえで、考えるいい材料になると以前から思っていたし、今も思っている。

漫画には人生において多くのことを学ばせてもらい、また、救ってもらったという思いがある。ある作品があり、出会いがあったから、人生諦めずにやってこれたという部分が、大げさなことでなくある。

そういう意味で、漫画喫茶は自分にとっては最高の場所で、そこに行くことを、あえて封じていた禁欲的な自分の無意味さを、41歳にもなって、その禁欲の意味のなさを思い返し、また、積極的に新しい発想や世界、アイディア、心情、物語に出会いにいくことで、自分のリアルの人生を積極的に豊かにしていこうと思えるようになった。

休みとしては上々な過ごし方だと今は思えている。

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