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誰かが欠けても成り立つのが本当の組織

予想だにできなかった事態は、いつ・どこで・だれの身に起こってもおかしくない。“この人を頼りにしているけど、突然いなくなっても平気”といった組織が本物の組織だと私は考える。上司も部下も常に緊急の事態に備えておくと、軸となる人物が欠けたとしても周りの皮が厚いため、崩れない。

◆昨日のめざましテレビがすごかった

◇早朝でのできごと

なぜこのようなことを考えたのか。昨日(2022年1月21日金曜日)のめざましテレビを見て感じた。

朝5:20に起床し、いつも通り洗面所へ行って洗顔。

トイレへ行った後、テレビのスイッチをオン!

5時27分!5時27分!めざましテレビ、はじまるよ〜!」というめざましくんのオープニングを終えて、画面上に登場したキャスターがいつもと違った。

本来、平日金曜日のオープニングは、フジテレビの三宅アナ・井上アナ・生田アナ・藤本アナ・軽部アナの5名(今日に限り、井上アナが遅めの夏休みのため元々出演予定無し。)。

しかし、画面に写っていたのは“めざましどようび”のアナウンサーを務める佐野アナ・久慈アナ・高見アナと、普段は別の曜日を担当している鈴木アナ・酒主アナの5名だった。

一瞬、「今日は土曜日か?!」と焦ったほどだった。「いや、違う。今日はどう考えても金曜日だ」。

その後、佐野アナが「木曜レギュラーの伊野尾 慧 さんが、新型コロナウイルスに感染したため、昨日(2022/1/20)伊野尾さんと接触した出演者はお休みし、めざましどようびのメンバー中心でお送りします。」と伝えた。

◇キャスター7名出演見合わせによるカバーが凄い

いくら社員数が膨大なフジテレビとはいえ、キャスター7名もが出演を見合わせざるを得ない事態には、冷や汗をかいただろう。

伊野尾 慧さんの所属事務所が新型コロナの感染を発表したのは20日の午後。その時点でめざましテレビ放送開始まで残り12時間ほど。伊野尾さんと接触した人を調べると、キャスターは7名ということが判明し(カメラマンなどについては不明)、そこから急いで代打の出演者を集めたのだろう。

めざましどようびのキャスターがめざましテレビに出ていることには終始違和感を感じていたが、特に大きなトラブルなど無く放送は終了したようだ。

めざましテレビの放送が終わるのは8:00。放送が終わるとなぜか感動した。急な変更でいつもと違うメンバーなのにも関わらず、無事に放送し終える組織力に。

カメラが回っていない準備段階で何かトラブルはあったかもしれないが、全国放送されるテレビの前では何のトラブルも感じさせない、7名もの欠員をカバーする対応力が素晴らしいなと感じた。

◆軸が欠けても戦力の平均値は下げないように

社員数5名の企業があったとする。社員A〜Eまでの5人の仕事の能力や効率を数値化し、ここでは“戦力”と呼ぶ。
Aの戦力:30
Βの戦力:50
Cの戦力:60
Dの戦力:70
Eの戦力:90

Eが突然、「諸事情により本日をもって退職します」と告げてきたらこの会社はどうなるだろうか。経営が不安定になるか、最悪倒産するだろう。なぜなら戦力が90であり、全体の3割(90/300≒33%)も占める人物だからである。

Eの身に何か起こる前に、戦力の譲渡・もしくは複製(つまり他社員への教育)をしておけば、A〜Dの社員でカバーできるようになる。A〜Dの戦力が充実していたとしても組織全体の稼働率は少々低くなるが、落幅は少量で済む。

余裕があるうちに教育しておく必要性をこのコロナ禍になって痛感させられた組織も多いだろう。数年先まで見据えている場合は、主軸が抜けてもほぼ無傷なのではなかろうか。

◆後輩や部下への教育は、“行動で語る”べきか、“言葉で語る”べきか

大学生である筆者の中での、現段階での表題の答えは「両方」である。これがあっているかは分からないが、私が両方必要だと考える理由に加えて、“行動で語る”ことと、“言葉で語る”ことのメリットデメリットを整理したので、ご覧いただきたい。

◇行動で語ることのメリット・デメリット

[メリット]
・部下が上司の背中を見て育つことにより、部下に自主性が身につく。
・上司の普段の行動がお手本になっていると、いざ言葉で語るときに説得力が増す。
・〇〇さんのようなできる上司になりたいと思ってもらえやすい。

[デメリット]
・自主的に動かない・学ばない部下には全く効果が無い手法。
・上司は行動で語っているつもりでも、部下に伝わらない場合がある。
・技術やスキル・仕事の伝承スピードが言葉で語るよりも遅くなる。

◇言葉で語ることのメリット・デメリット

[メリット]
・伝えるべきことを短時間でコンパクトに伝えることができる。
・伝えたいことを本質から言語化できていれば、効果は抜群である。

「デメリット」
・言葉で語ったとしても、語る側の行動が伴っていなければ伝わらない。
・部下が素直でない場合は伝わらない。
・言葉で語りすぎるとお節介になる。

オミクロン株の影響で日本中でも新型コロナウイルス第6波が到来し、組織の主格となる人物が突然欠けるといった事態に陥っている企業や組織が多いのではなかろうか。そうしたときに生き延びられる組織は、日頃からの戦力向上や教育に膨大な時間をかけているのだろう。


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