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ウナギーヌとザシキーヌ【日本語】胴長犬(柳美里『JR上野駅公園口』)

飼い主とお揃いの赤いレイン帽子とレインコートを着せられて、ちょこちょこと水溜まりを避けて歩いているのは、孫娘の麻里が飼っていたコタロウと同 じ種類の胴長犬だった。(p.146)

柳美里『JR上野駅公園口』

久しぶりに見た。昔、そんな言葉があった。

この小説の中でも、「そうだ、コタはダックスフントという種類だった」という一説がある。2つの呼び方が混在していた時代があったと思う。

いまはもう、まず聞かない。

こういう見たまんま、という和語のネーミングは、ちゃんと継承されてほしい。

そういえば、今はもう「座敷犬」も言わないようで、「室内犬」でないと通じないと聞く。家に座敷がないからか。

「ウナギイヌ」もそうだが、「ウナギーヌ」とか「ザシキーヌ」とかいう響きは、そこはかとなく優雅で好きなんだけどな。

ふとバカリズムのフリップ芸の名作「トツギーノ」を思い出したりもした。


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