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Memories

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人はなぜ追憶を語るのだろうか。 ー北杜夫『幽霊』 私の過去の思い出をつづっています。
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#歌舞伎

片岡秀太郎さんを偲ぶ

歌舞伎俳優の片岡秀太郎さんがお亡くなりになられました。 秀太郎さんは、いつでもどの演目でもお芝居を実に楽しそうにやっておられました。その楽しさが見ているこちらにも伝わってきて、気分を明るくしてくださる。そのような訳で大好きな役者さんでした。 昨年の2月に、歌舞伎座でお父上の二十七回忌追善興行を兄の我當さん、弟の仁左衛門さんはじめ松嶋屋さんの皆さんで行うことができたのは良かったと思います。そして、私にとってその興行が秀太郎さんの舞台を拝見した最後となってしまいました。 秀太

新橋にあった甘味処「華家」

昔々やっていたブログでもこのお店のことを書いたことがあるのですが、再びこのお店のことを書いてみようと思います。 華家さんは、新橋に会った甘味処です。場所はSLの裏、ヤマダ電機の横にある道あたりで、平成の始めぐらいまでお店はあったと思います。 あの頃の新橋駅前は華家の近くに銭湯があったりして、今みたいに飲み屋ばかりの街ではありませんでした。 このお店の大きな特徴は、「商品提供の時に、店員さんが商品にちなんだ歌舞伎や新派などのセリフを言う」というところでした。 例えば、席に着