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映画コーナー

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映画を観るのが好きです。観に行った作品の感想を書いています。
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大人になってから楽しむ「帝都物語」

「大人になってから楽しむ」シリーズ第二弾、今回は「帝都物語」(1988/エクゼ)です。この作品も国立映画アーカイブの「1980年代日本映画――試行と新生」で観ました。 「帝都物語」は映画の封切前に原作にめちゃめちゃはまって、友人とも回し読みをしていました。あと、この本をきっかけに東京という街の成り立ちに興味を持ち始めたと思います。 映画の公開日には、原作を回し読みした友人たちを日比谷のスカラ座に観に行き、来場されていた荒俣宏先生や実相寺昭雄監督にサインを頂いた思い出がありま

大人になってから楽しむ「マルサの女」

前回に引き続き、国立映画アーカイブの特集「1980年代日本映画――試行と新生」で観た作品のことを書きます。 今回は「マルサの女」(1987/伊丹プロ=ニュー・センチュリー・プロデューサーズ)。 この作品は、たぶん中学生の頃にテレビで観てから約30年ぶりの鑑賞だったと思います。当時は、マルサとか税金のことは全く分かっていなかったので、伊丹映画あるあるのオーバーな表現が面白かったという記憶しかない。あと、宮本信子扮するヒロインの亮子が寝癖のまま出勤するので、上司に「亮子ちゃん、

夏目雅子は鬼龍院花子ではなかったのだった!!

国立映画アーカイブで、現在「1980年代日本映画――試行と新生」という1980年代の日本映画を回顧する特集をやっています。 その中の一本、「鬼龍院花子の生涯」(1982/東映=俳優座映画放送)を見てきました。夏目雅子の「なめたらいかんぜよ」の台詞で有名なあの映画です。夏目雅子の作品を観たくてチョイスしました。 まず、多くの方もそうだったかもしれませんが、私は夏目雅子の役は鬼龍院花子だとずっと思っていました。しかし夏目さんの役は花子ではなく花子の義理の姉で物語の語り手である