アトラスゲーを遊んだことがない人間がP3Rをクリアした感想を書いていく【ネタバレ注意】
勧められたペルソナ3リロードをクリアしたので、各所の感想とか雑感とかをプレイ当時の所感を思い出しながら書きなぐっていく。筆者はペルソナシリーズどころかアトラスゲーを一つも遊んだことがなく、更にレベル上げ作業が大の嫌いでRPGもほとんどやらない。そんな偏った人間によるゲーム感想まとめという名の駄文ではあるが、よければお付き合いいただきたい。一応ネタバレ注意で。
あ、難易度はルナティック固定です(迫真)
ゲーム開始~4月末まで
まずOPを見て、さあゲーム本編だと思ったら既にとんでもないことに。周囲は薄暗く血まみれで、治安が悪いとかそんなレベルの話じゃない。0年代ってこんなだっけ?
そんなこんなで意外と何も起こらず入寮。いろいろあってペルソナ使いになり、影時間を消すためにタルタロスを攻略することになった。どうでもいいけど絶対理事長は黒幕だろ、この外見で黒幕じゃなかったら逆に変(?)
その後はレアアイテムだろうがガンガン使い捨てることでレベリングを省きつつ、タルタロスを爆速で駆け上がる。22階到達時点で雑魚戦でのゲームオーバー2回(クリティカル死と弱点属性2連発)、階層ボス戦でのゲームオーバー4回(偵察のために挑んで敗北→パターン読んで次で倒す)。普通だな!
ジャックフロストが可愛いし氷無効で明らかに優遇されている。強キャラに乗り換えることに何らためらわない筆者の主力キャラになった。オルフェウス?秒で合成したよ。
5月開始~7月終了まで
そんなわけで人間力磨き開始。全然上がらんのでコミュを無視して全振りしていく(これは失敗だった。コミュのほうが重要度が高い)
合間にタルタロスを攻略したり舞子ちゃんにタコ焼きをカツアゲされたりしていると初のストーリーボス、プリーステス戦。これがめちゃくちゃ強い、弱点がつけず火力がまるで足りない。レベリングしないので平均レベルがネット平均よりかなり低いのだ。主人公こそジャックフロスト装備でダメージを受けることもないが、ゆかりと順平はボコボコにされてダウン。主人公ひとりでは火力が足りず時間切れという……試行錯誤の末、3回目にしてようやく突破。防御すると弱点属性でも1MOREを取られないことを学んだ(しかし今後活かされることはない)
6月、エンペラー&エンプレス戦。風花を使えという実質チュートリアル戦のため、特に手こずることもなく終了。思ったよりこのゲーム簡単だな…え、ネットの平均レベル24もあんの!?いま主人公がやっと18レベになったところ…
それとここから「テウルギア」と呼ばれる必殺技が解禁された。各キャラごとに個別の必殺技ゲージを持ち、これが溜まったときに専用の強力な技を繰り出せるのだ。これがマジで強く、火力が高い上に敵の属性相性を無視することができる。風属性無効の敵相手だとゆかりはしょぼい通常攻撃か回復、スクンダしかできることがなかったが、テウルギアなら優秀なダメージソースとして使える。戦略の幅がますます広がった。
あと人相の悪いコート男が出てきた。なんか真田先輩の知り合いらしいけど、こいつ絶対子供をかばって死ぬよ。そんな見た目している(?)
7月はホテル探索と水着イベントというジュブナイルにピッタリのイベントが目白押し。なんだよラブホがダンジョンって…しかしここのボスには苦しめられた。探索も金稼ぎもしていない以上、状態異常耐性なんてものはなくボスの状態異常ハメがすべて通る。そして当然のように弱点もつけないためとにかく火力が足りず、あとちょっとまで削ったあたりで壊滅してやり直しなんてことも。なんて酷い泥仕合歯応えのある戦闘なのだろう。
何度目かのリトライでようやく突破。二度とやるかこのクソボスが
水着イベ。気合の入ったアニメ付きでさぞかし大規模なイベントなのだろうと思ったら戦闘もなく終わってびっくり。え、新規マップの出番これだけ?どうでもいいけど女子からひとり選ぶなら誰派ですか?私はゆかり派です。
その後は父が影時間を作った犯人だと名指しされて傷心のゆかりを慰めたりナンパバトルで惨敗したりするストーリーを楽しみながら、アイギスが加入したことで一気にチームの安定感が出た。タルンダラクンダからクリティカル狙いの素殴り連打ゲー脱却も近い。ところで天田くんの声なんかで聴いたことがある気がするんだけど誰だっけ。
8月~10月、荒垣退場まで
8月は陸上大会で早瀬と知り合う。しかし水曜は陸部女子マネ、日曜はインターネットと余命いくばくもない青年で埋まっていたためにコミュを忘れ去られ、星コミュが始まるのは11月終わりごろです(?)
そして月ボス、ジャスティス&チャリオッツ。硬いがそれだけ。ラヴァーズでは苦しめられた状態異常ハメもメパトラ一発で解決できたため、テウルギアでゴリ押して粉砕。映画祭や夏祭りなど、いかにも夏というイベントを楽しむ。コロマルと天田くんが加入したが、正直あんまり強くないと思って放置していた。その後の主力になるとは全く思っていなかった頃である。あと半裸の変な男と出会った。敵らしいよ。
9月はコート男こと荒垣が加入、いやこいつ強すぎるだろ。チャージ→テウルギアで初の4桁ダメを出したときはビビった。月ボスのハーミット戦に連れてったら瞬殺しちゃったよ。
そして順平がケンカ対立からの和解要素から敵の女性幹部と接触、そのまま青春ボーイミーツガール要素まで担当し始めた。お前がこのゲームのジュブナイル成分の半分を担っていると言っても過言ではない。どうでもいいけど幾月さん(理事長)なんでチドリの侵入にも順平の拉致にも気づかんの?絶対あのふたり作戦室の前通ってたやろ?お前これ黒幕でストレガと組んでたとかでもない限り許されない無能っぷりだからな。
10月。月ボスがダルかった(ゆかりのHPが380しかないため、固定300ダメージのタイミング次第では即死)が初見で突破…そしてこのシーンよ。
仲間の死。どこか楽しい部活気分でもあったメンバーの空気感は一気に冷え込み、これが世界をかけた戦いだという事実に否応なく引き込まれる。親友を失った真田や美鶴の落ち込みようは半端じゃなく、プレイ中に思わず「おぉ…」と声が出た。
最悪なのがこういう時に限ってメインキャラ中唯一の大人である幾月が出てこねえところ。お前が顧問だろ、ガキの心折れかけてるときに支えないで何してんだ。あまりの無能っぷりに流石に黒幕であってくれと願うとは思わなかった。
ここまでのストーリー感想
非常にストレスのない作りをしているという感想。ストーリーは長いが細かく解説が入り、シーンごとに全キャラが一言喋るノルマなどもないためメンバー増加により会話が長すぎてダレるソシャゲシナリオでよくあるダメ要素もない(会話に参加しにくいアイギスとコロマルが割を食っているが)。また展開も悪く言えば予想の範疇を出ないが、よく言えば一貫性があり筋の通った話が続く王道のストーリー。荒垣が加入から死ぬのが速すぎること、あの前振りから真田が他キャラと同じタイミングで到着するのはおかしいやろせめて3発目の発射を止めるとかで見せ場を作ってやれやなど気になる点はあったが、おおむね満足できる展開だった。
10月後半~12月31日まで
話は進んで荒垣の葬式と各キャラの心の成長。ペルソナは心を映し出すものなので、本人の心が成長したら覚醒するのはわかりやすくて良い。ところで真田の覚醒テウルギアが強すぎる、条件緩くて蓄積も早いしカジャブースタと相まってこいつ一人で大体の敵を殴り切れるぞ。反面でまさかの魔力ブーストを持たされたゆかりはキツイな…。回復キャラなんだから火力支援より蘇生とかテトラマカラとかくれよ。なんで天田くんにそれ持たせたのよ、おかげで回復役交代したわ。普通のプレイスタイルなら火力ブーストのが強いんだろうけど、難易度ルナティック+レベル上げサボリだと雑魚のクリティカル一発ですらしょっちゅう半壊して立て直しが必要になるんだよね。
11月は最後の月ボス、ハングドマン戦。まずは前哨戦としてストレガの二人と戦ったが、向こうも1MOREとかシフトチェンジとかしてきていいね。主人公側のゲームシステムを利用してくるタイプの敵が好き好き大好き(好きな敵キャラ発表ドラゴン)。
そしてハングドマンを倒し、12のアルカナが主人公の手元に。これで影時間は終わり世界は救われるらしいよ、いやあ一安心。
と思いきや翌日も影時間は続き、しかもアイギスがいない。どうやら幾月と一緒にタルタロス前にいるらしい。駆けつけてみると幾月がついに黒幕だと判明、どうやら12の月ボスを倒したのは闇の皇子になる(初耳?)ための儀式であり影時間を消すこととは何の関係もなかったらしい。切れて幾月をとっちめようとするも、アイギスに制圧されて返り討ちに合う。どうやらアイギスは強制的に動かされてるぽいっすね。
そのまま生贄にされそうになったが、アイギスが自我を取り戻して主人公たちを救出。そして幾月は美鶴パパと相討ちに…重要な人物が次々と退場する一方で、影時間を消すことは叶わず滅びの運命からも逃れられない。話が重くなってきましたね。
そして綾時くんが転校してきました。このタイミングで出てくる新キャラ、ラスボス以外にないやろ。さてはお前が闇の皇子だな。てか名前もオールバック要素も幾月にちょっと似てるけど関係者?
そんで修学旅行その他を経てゆかりと美鶴先輩の和解を見届けたと思ったらまさかの生きていたストレガが参戦。順平と打ち解けて和解しつつあったチドリに召喚器を与えて戦線復帰させ、主人公たちとバトらせる悪どい作戦だ。イベント戦だろうと舐めてかかったら主人公以外開幕の一撃で即死してビビった。
そして順平の覚醒イベント。ペルソナが融合?そんなんできんの?何はともあれ覚醒テウルギアの演出がカッコよく、燃える剣でぶった切って大ダメージを与え、チドリの後ろ姿が一瞬見えたのちに全回復とストーリーと性能面を両立していて素晴らしい。物理技を連打する順平は体力の消耗が激しく、そこに全回復はシンプルに優秀なデザインだ。
問題はまさかの魔法属性技であるため、力特化型の順平では火力が伸び悩むこと。魔力も高い真田の強さを思い知らされる。
何はともあれ12月。ここでアイギスが綾時と対峙、その正体が13番目のアルカナ「死神」であることを見抜いて攻撃する。どうやらふたりは10年前にも同じように戦ってたけど、その時はデスを倒せなかったアイギスが力尽きる前にデスを封印することを選び、居合わせた主人公がたまたま封印の器となったことでペルソナを複数従えられる特殊な存在となったのだとか。10年越しにリベンジを狙ったアイギスだが、力及ばず倒れてしまう。しかしデスは世界を滅ぼす気がないらしく、それどころか主人公たちに語り掛けてくるのだった。
綾時が急に現れたのは12のアルカナが倒されて一つとなり、死神の出現条件を満たしたから主人公から解放されたらしい。しかし世界を滅ぼすのは死神ではなく、死神が現れたことを合図にまもなく訪れる「ニュクス」によってもたらされるのだそうだ。
自身が人間ではなかったことを思い出した綾時本人から伝えられたこの事実は、世界に死が訪れると確定したことを意味する。混乱する仲間たち。いいね、盛り上がってまいりました。ニュクスって古代ギリシャ語で夜の女神のことだよね。今回ギリシャ神話関連のペルソナが多かったのそういうことか。
ニュクスが訪れて世界は滅びる運命は変えられないんだけど、ここで綾時はひとつの提案をしてくる。「自分を殺せばみんなから影時間とペルソナの記憶は消え、滅びが来ることを知らずに死ねる」と。知らなければ怖くない、これで皆も苦しまないで済む。うーん、どういう仕組みなんだろう。
もちろんみんなはそれを拒否し、打倒ニュクスで燃えている。王道展開だからこそこういうのが熱いんだよね。でも綾時曰く、ニュクスは倒せない、それを前にすれば抗うこともできないと。死の象徴だから見ただけで死ぬとか?流石にないか。ところで倒せないんだったらデスの時みたいに主人公の中に詰め込んで主人公ごと死なせるとかできませんか、と内なるボンドルド卿が囁きかけてくる。そんな展開来たら子供泣いちゃうよ。
そんなこんなで12月31日、主人公の出した結論は「ニュクスに立ち向かう」こと。さあ、大詰めだぞ。
そしてついにペルソナ「タナトス」が解禁。やっと出てきたよ、お前そういうポジションだったのか。相棒枠として最後まで連れてって大活躍させてやるから覚悟しとけよ。
1月~エンディングまで
初詣イベが終わって町に戻ると不穏な雰囲気。ニュクスの接近と共に増え続ける無気力症候群患者(シャドウの被害者)に、誰もが世界の終わりを感じ取っているらしい。そこに「ニュクスは救いだ」と嘯くカルト教団が現れ、若者を中心に急速に規模を広げつつあるとか。この辺の雰囲気、世紀末が何事もなく過ぎ去った後の平成を感じていいですね。
しかもこのカルト教団の教祖は荒垣を殺し順平を撃ったストレガのリーダー、タカヤ(キリストみてえな奴)らしい。変な半裸が「みんなで仲良く死にましょう」しか言ってないのにカリスマ扱いされて持ち上げられるとは、まさに世も末だね。
ニュクス戦に向けた作戦会議中、もしニュクスを倒したら今度こそ影時間が消えて、皆からペルソナに関わる記憶も失われることに気付く一行。そこで平和になった後でも再開できるようにゆかりの提案で「卒業式の日、みんなで街を一望できる学校の屋上に集まろう」と約束することになった。何としてでも勝って約束を守らないと。
コミュを進めながら最上位ペルソナ解放のために流石にレベリングを始める…も、やっぱりダルい。雑魚の経験値が1800前後(頭割りで一人500弱…)で、レベルアップごとに2万とか要求される。無理じゃね?1匹で3~4万くれるレア敵は出現率が低く、占いで出現率ブーストしても50階で3匹ほど。おまけに逃げ足が速く全属性反射持ちのため、消費の重いメギドラオンで一確しないと倒せない。心が折れる。
ここで嫁にシフトチェンジ(物理)し、レベリングを委託。3~4時間ほどのレベリングの末、主人公のレベルが78→99に。加減しろ莫迦。
ともあれ最上位ペルソナのルシファーを作成し、最強技「明けの明星」をゲット。メギドラオンの上位版で、600ぐらいダメージが入る凄い技だ。この時点でメギドラオン止まりのタナトスに暗雲が立ち込める。さらにメタトロンを作成しようとしたがミカエルを所持していなかったため、何を血迷ったかルシファーを素材にメタトロン完成。優秀な耐性値に明けの明星とメシアライザー(味方全回復+死亡以外の状態異常回復)を持ち、消費SP半減と火力ブーストまでついたので物理技以外はもうこいつ一体でなんでもできるように。さらばタナトス、お前のことは忘れないよ。一度も実戦投入しなかったけど。
そんなわけで最終日。タルタロスを駆け上がると、道中ではストレガの一人であるジンが待ち構えていた。ストレガのリーダーであるタカヤはニュクスの到来を望んでいるため、時間稼ぎとして一人で残ることにしたそうだ。
タカヤのために命を賭す覚悟を見せたジンはなかなかの粘りを見せるが、アイギスの攻撃がクリティカルヒットし遂に決着。動けなくなったジンを連れて進もうとするが、暴れすぎたせいか多数のシャドウが追いかけてきた。ジンは哀れみなど受けないと宣言し、シャドウを道連れに自爆。一行は後味の悪さを胸にしながら、最上階へと駆け上がった。
最上階一歩手前まで来たところで、タカヤが姿を現した。あくまでニュクス到来を阻止しようとする一行に対してタカヤは言う。ニュクスを望んでいるのは自分だけではない、世界の総意なのだと。
安全で安定した現代社会には劇的な生も、劇的な死もない。ただ平凡があるだけだ。人は平凡な生に満足できず、平凡な死を受け入れられない。ニュクスとは、そんな平凡な世界を壊すために人によって望まれた「終わり」なのだ。
えらいことになった。ニュクスの到来が避けられないのは、それが他ならぬ人間たちによって望まれていたからだと。そんなん倒したからってどうしようもないじゃん。ともあれタカヤ戦、こいつはムドや恐怖状態などを駆使してくるイヤな敵だ。さらに定期的に主人公のSPを0にしてくるため、強化しやすい主人公頼りの戦闘もやりにくい。仲間との「絆の力」で立ち向かえと言わんばかりの設定で嫌いではないが、硬いのも相まって回復アイテムをかなり削られた。
そして体力の大半を削ったころ、タカヤが焦りを見せる。自分はニュクスに選ばれたはずなのに、なぜ負けそうなのか。追い詰められたタカヤはつまらない意地など捨てると宣言して召喚器を取り出し、真の力…テウルギアを解放してきた。恐らくだがタカヤは召喚器なしにペルソナを召喚できる作中唯一の事例であり、そんな自分にプライドを持っていたのだろう。しかしそれも投げ捨てた、主人公に勝ちたいという意志のもとに。
耐性無視の全体特大ダメージ+恐怖状態。これが非常に強く、状態異常無効アクセサリーすら貫通して恐怖状態にしてくるのだからたまらない。一気に形勢を逆転され、あっという間にピンチに。全員瀕死で恐怖状態となるも、メシアライザー持ちの主人公が恐怖状態になったことで治療もできず、あわやベルベットルーム送りか。しかしここで順平が漢を見せ、恐怖判定に打ち勝ってメシアライザーと同効果の「極上宝玉輪」使用に成功。なんとかピンチを脱した。さらに順平の必殺技ゲージが溜まり、テウルギアで見事タカヤにトドメを刺す劇的な展開に筆者のテンションも上がりまくった。
世界が終わるかどうかそこで見ていろ。そうタカヤに言い残し、最終決戦に向かう一行。そしてタルタロスの屋上に現れたのは、綾時に似た怪物だった。
綾時…デスはニュクスと一体化し、その依り代として顕現したそうだ。彼がラスボスということか。さあ、最終決戦だ。ここで出オチにしてやろうと思ってハルマゲドン(主人公のテウルギアのひとつ。HPとSPが1になるかわり、敵全体に耐性無視の固定9999ダメージ)を撃ったら普通に次形態に移行したので無駄にピンチになっただけでした。ソーマを使って立て直し。
ニュクス・アバターは体力を0にするたびにアルカナチェンジを行い、1~12の月ボスのアルカナへと変化してそいつらが使ってきた技と耐性値を持つ。アルカナチェンジ時の語りは主人公の旅路をタロット順になぞらえたものであり、その内からすべてを見届けた彼からの賞賛であったのかもしれない。次々変わる技と弱点に苦労しながらも12の形態すべてを倒すと、最後の形態であるの13番目のアルカナ「死神」へと変化した。攻撃パターンが激化し、弱点も耐性もない男らしい形態に。だが鍛え上げられた真田のテウルギアは1800ダメージを4~5ターンに一度繰り出せるため、主人公を回復に回して真田で殴る戦法でついに撃破した。レベル上げすぎとも言う。
ついにニュクス・アバターを倒した一行。しかし、そこにニュクスが真の姿を現した。
ニュクスの正体。それは空に浮かぶ月そのものであり、ニュクスがもたらす「終わり」とは地球への落下である。天変地異、異常現象そのものであるニュクスを倒すことなど誰にも出来はしない。それどころか異常な重圧で一行は身動きすらできず、地上では突如として現れたシャドウによって一般人が虐殺されていた。このまま何もできず世界は終わってしまうのか。そう思っていた中で、気がつけば主人公はベルベットルームにいた。
どうやら死んだわけではないようだが、部屋の主イゴールさんによると依然世界は危機的状況にあるそうだ。しかしそれを解決するための手段は、すでに手の中にあるという。
主人公がこの一年で関わり、いくつも結んできた絆。その力が今集結し、21番目のアルカナ「宇宙」として現れたのだ。世界じゃないんだ
「ユニバース」を宿し、ワイルドの力を持つものに不可能はない。誰もが立ち上がることすらできない中で主人公は何の影響も受けていないのかふらりと立ち上がり、それどころか月へ向かって吸い込まれるかのように飛び上がっていった。ひとりで行かないでよと主人公に絶叫するゆかりがあまりにもヒロインしている。
そして今度こそ真の最終決戦。めちゃくちゃカッコいいBGMを背景に、世界を滅ぼす力「ニュクス・コア」と対峙する。
仲間たちとの絆の力を胸に、主人公はユニバースを使ってニュクスをその身に封印した。「世界を終わらせる力」を倒すことはできなくても、新たな世界を生み出してそこに閉じ込めることはできる。ニュクスは再び永い眠りにつき、綾時の声でこの世界は救われたことを告げる。一向に戻ってこない主人公を心配する仲間たちに、綾時は「彼は一足先に命の答えにたどり着いた」と伝えた。命の答え、それは死であるはず。しかし主人公は再びみんなの前に姿を現し、感動の再会を果たしたのだった。
月日は流れて3月、卒業式の前日。ニュクスに挑む前に誓った、「影時間が消えてすべてを忘れても、卒業式の日にみんなで思い出して集まろう」という約束はまだ誰も思い出せていないのか、誰もが激動の日々を過ごしたことは忘れられている。ここでコミュを完遂した相手から後日談が聞けるのはいいね、恋人関係になった相手からは露骨に恋愛感情を向けられるので普通にオモロ。あヤッベ、そういえば5股してたわ。5等分の主人公にされる前に逃げないと。
しかし会う人全員から「顔色が悪い」「保健室に行け」「大丈夫?」などと言われまくる…あっ、ふーん。
どうやらアイギスだけは一足早く思い出したのか、明らかに不審な態度をしている。そして卒業式当日、体調不良で起きられなかった主人公をアイギスが迎えに来た。みんなもすぐ来るから、屋上で待とうと。
卒業式が始まり、美鶴が生徒会長として最後のスピーチをしている場面。しかし父の事故死の下りを読み上げた際、ついに記憶が蘇る。同様に記憶が戻った仲間たちが一斉に屋上めがけて駆け出し、その頃主人公は屋上でアイギスに看取られながら…
完走した感想
ペルソナシリーズは初めての体験だったが、非常に面白い作品だった。ジュブナイル物語でありながら「死」をメインテーマに据えて終始そこから逃げないシナリオは個人的にかなり評価が高い。またゲーム性も非常によく、とにかくプレイヤーにストレスをかけないような作りになっている(具体的には、一度弱点を見抜いた相手にはアシストボタンひとつで自動的に弱点属性の技を選択してくれるなど)。一部シナリオに引っかかりを覚える部分もあったが、総合的に見ても「とても面白いゲーム」だったと文句なく言える出来だった。このようなゲームを遊ぶ機会に恵まれ、とても幸運だ。
最後に、一番好きなキャラクターとコミュについて語って筆を置く。
一番好きなキャラクター:たなか社長
担当するアルカナが「悪魔」という出オチっぷり。喋り方まで元ネタに寄せるのは反則だろう。自分が悪党だと自覚しているがそれを改める気はない悪人が、おひとよしで騙されやすい善人に絆されて丸くなっちゃうの好き好き大好き(好きな悪人発表ドラゴン)。
一番好きなコミュ:刑死者
小学生女児に親権問題のスイッチを握らせるな。いやマジで、この流れなら離婚は取りやめるものだと思ってたよ。「一緒にいても辛いだけ」かもしれないけどさ、子供の想いはどうなんだよ。それも舞子ちゃんにどっちと暮らすかを選ばせるのがシンプルに最悪で、子供からすればどっちを選んでも後悔し、自身の選択であるがゆえにそれを親のせいにもできなくなる。あまりにも舞子ちゃんが可哀想だった。ペルソナ3のコミュのテーマとして、「自分で道を選べ。たとえそれがどんなに酷い道だとしても」というものがあると感じているが、舞子ちゃんはそれが顕著だ。コミュを進めることで不幸になる人間、他におらん。流石は行き詰まりと破滅を意味する刑死者のアルカナ…
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