ニトロ理論が配合限界を突破する(はずだった)
先日のダビマス生放送はアプデの情報満載で5周年への期待が高まってきました。まず目を引いたのが根性の仕様変更で新たな効果が追加されるとのこと。ただひたすらに根性の可能性を信じ、牡馬の権利向上を訴え続けてきた当牧場にとっては大変に嬉しい知らせでしたね。
さらに注目なのが新しい配合理論の追加で、その1つである因子の改修は説明を見ると歴代のニトロ理論そのものに見えてしまう。「競走馬の能力の上昇」が何を意味するかが肝ですが、もし跳ねる確率が上昇する効果であれば現状のインフレを加速させるだけであろうこと、またクロスの成立が困難な自家製種牡馬にも確率で因子が付与されることを考慮すると、過去作と同様に因子数に応じて能力の限界値が変化すると考えた方がしっくりくる気がします。
ここからが本題なんですが、ダビスタシリーズ経験者としてはダビマスにもニトロ理論あるんじゃねと開始当初から疑ってまして。いわゆる配合限界を突破するのは因子盛り盛りのアウトブリード配合やろというネタ99%本気1%の記事の構想を温めておりました。今回のアプデでニトロ理論が正式に実装される運びとなり、お蔵入りにしようとも思ったのですがせっかくなので投稿してみます。論の根拠自体は事実&史実に基づいているのでもしかすると新要素攻略のヒントが混じってたりして。
以下は(アプデ前のバージョンにおいて)ニトロ理論が限界を配合突破する(はずだった)という永遠に反証が不可能な無敵理論の詳細である。
序論:ニトロ理論とは
初出はプレステ版ダビスタ97で七光り理論とも呼称され、以降ほぼ全てのシリーズ(ダビスタ04は不明)に登場しダビスタを代表する配合理論とも言えるだろう。概要は以下の通りだ。
・産駒の父及び母の5代血統表中に存在する因子の合計数がスピード&スタミナの能力の限界値に影響する、というが基本的な考え方。
・計算方法はシリーズによって異なるが、スピード(速力)&短距離&スタミナ(長距離)&根性(底力)アップの因子からそれぞれスピードとスタミナの因子数(ここではニトロ本数とする)をカウントする。
・重複する同名の因子はカウントしない。例:ノーザンダンサーのクロスが発生している場合は底力因子1つ分のみがニトロ本数に加算される。
・産駒の能力限界値は基礎値+ニトロ本数で算出される。例:基礎値100でスピニトロ本数30の場合はスピードの限界値は130。またシリーズによっては見事配合(完璧でも可)の成立でニトロ本数とは別に限界値が上昇する仕様が存在し、ニトロと配合理論との両立が重要であった。
上記の通りニトロ本数を稼ぐためにはクロスを避ける必要があり、多くのシリーズにおいてはニトロ本数を最大化したアウトブリード配合が最強であった。いわゆる配合限界と呼ばれる数値が溢れ閉塞感が漂うダビマスにおいて、ニトロ理論+アウトブリードは私が抱き続けてきた一縷の希望である。
我々が定義する配合限界とは本当に限界なのだろうか?我々は限界まで可能性を突き詰めたといえるのだろうか?さあ、これからの「余白」の話をしよう。
根拠1:因子数順ソート機能の存在
リリース当初から存在する機能で、画像の通り種類別に所持因子数順で種牡馬を検索できる。多くの方は少し触って「ロードアルティマは速たくさんあるわね」程度の感想を持っただけで忘れ去っているだろうが、UIに関する書籍を出版するほど洗練されたダビマス運営が無駄な機能を実装するとは考えづらい。我々にとって大事なものは最初からすぐそばにあったのだ。
根拠2:相性値変更前の生産実績
下記ツイートは筆者が実践したニトロ意識のアウトブリード配合だ。当時は相性の仕様変更アプデが入る前で相性値の高い配合は基本的にNGとされており、相性値34の優れた配合ながらスピード十分を輩出した珍しいサンプルである。ニトロのフォースを感じずにはいられない。
根拠3:ニトロ理論はインフレを制御する
能力インフレによるゲームバランスの崩壊はソシャゲの宿命的な課題である。ニトロ理論があれば徐々に因子持ち種牡馬を追加することにより、システムの調整なしで実質的な上限解放を緩やか且つごく自然に行える。ダビマスは長期運営を前提に全てを兼ね備えた「究極の1頭」が出ないように緻密に設計されており、距離適性、得意距離、調教才能、覚醒遺伝でのW非凡はその一環である。ニトロ理論は能力の天井を可変とし、常に「余白」を生み続ける重要な要素だ。
根拠4:ダビマスに通底するトレードオフの思想
種牡馬パラの気性をキープしながら安定を落とせないように、ユーザーの配合選択に幅を持たせるためには一挙両得を許してはならない。ニトロ理論が実装されていると仮定した場合、以下のようなトレードオフが存在すると考えられる。
・ニトロ本数を最大化するには直付けか多くても1回薄めが理想。ニトロ本数は配合コスト&配合理論の組みやすさ&肌馬の作りやすさとのトレードオフになる。
・ニトロ本数を最大化するにはアウトブリードが理想。配合構築の制約が大きくなるため、跳ねる確率&肌馬の作りやすさとのトレードオフになる。
現状のダビマスでは因子をふんだんに詰め込んだ多重クロスが全盛であり、気性も堅クロスでカバーできるためアウトブリードよりむしろ有利、デメリットらしいデメリットが存在しない。能力が跳ねやすく限界値も同じでサブパラも優秀。ゾンビが溢れる世界で何故か自分だけ襲われず、偶然助けた美少女が最初は嫌々だったものの次第に積極的になるくらい都合が良すぎではないだろうか?こんなことがあっていいのか?
根拠5:ゼル
ゼル(Zero Effect Limiter) はダビスタ64及びアドバンスに存在した配合理論で、スピスタそれぞれについて設定された能力の蓋を差す。ゼルを解除するためにはインブリードもしくはサイアーエフェクトにてスピスタアップの因子効果を発揮させる必要があり、それなしではいくらニトロ本数を盛っていても能力が一定のところで頭打ちになる仕様であった。
ダビマスにおいてもゼルは存在すると私は考えている。そしてゼルの解除条件は過去作と異なり、アウトブリードだと推測している。圧倒的な跳ねにくさと引き換えに高い限界値を得るのだ。
根拠6:ブレイクとバランサー
ブレイクについては馴染みのない方も多いであろう。セガの競馬ゲーム「ダビつく」シリーズに登場する概念であり、通常の分布では考えられないような爆発的な能力の伸びが超低確率で発生する現象を差す。ダビつくの開発元であるランド・ホーは後にダビスタ最新作であるダビスタSwitchにも携わっており、ブレイクの要素は本作にも継承されている。
ダビスタSwitchにおいてブレイクされるのバランサーだ。本作ではスピスタの合計値に明確な制限が存在しており、仮に合計値100をするとスピードが60に跳ねた場合スタミナ40、スピード80ならスタミナ20という風に一律な調整がなされてしまう。非常に低確率ながらこのバランサーを突破した馬が確認されており、いかに突破の確率を上げるか、突破する幅を大きくするかが攻略の焦点になっている模様だ。
結論
以上をまとめると、ダビマスにおける配合限界(合計値256)を突破するには
1.ニトロ本数を最大化し
2.ゼルを解除した上で
3.ブレイクを狙う
ことが必要だ。そのためにはニトロ本数を意識したアウトブリード配合で膨大な試行回数が必要であろう。ではブレイクの確率はいかほどか。私のコンピュータは0%と表示しているが、これは小数点以下を切り捨てているためであり、実際は小数点以下の確率でブレイクは発生する。気が遠くなるほど低い確率だがゼロではない。
しかし私一人では力不足なのだ。残念ながらもうここまでだ。ここから先、光が当たらない場所を歩き続ける気力はもう残っていない。私がこのような文章を残すのは誰かに託したかったからだ。もしあなたがこの暗闇からほんの僅かでも歩みを進め、今より少し遠い所に辿り着いたなら。どうかその場所で松明を掲げてほしい。その光を見て私はまた歩き出す熱を得るだろう。
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