ホールオブフェーム (Family#1-t)

血統

1991 Hall of Fame


父 1983 Allez Milord ⁃ USA 
 父父 1962 Tom Rolfe ⁃ USA 
 父母 1974 Why Me Lord ⁃ USA 
母 1986 Velvet Sash 
 母父 1967 Dictus ⁃ FR 
 母母 1979 Dyna Sash


五代クロスなし

父系

イギリスの重賞戦線で活躍しドイツとアメリカのG1を2勝した Allez Milord[アレミロード]は、名馬 Ribot から父 Tom Rolfe そして彼へと受け継がれたサイアーラインを表現したタフな中長距離馬。引退後種牡馬として迎え入れたのは、1986年のジャパンカップで並み居る強豪馬を尻目に先行し直線では激闘を演じて2着となった彼を目撃した日本の競馬界でした。

Flaring Top

三代母 Gleam の半妹は カナダの殿堂馬 Flaming Page。彼女の息子 Nijinsky と孫の The Minstrel が種牡馬として成功を収めている中の来日であったことも後押しとなったのかもしれません。母 Why Me Lord のいとこには Royal Ski[ロイヤルスキー]がおり、種牡馬として輸入されて既に重賞馬を出していた時期でもありました。

Flaring Top
Gleam
|Coz o'Nijinsky
||1974 * Royal Ski ⁃ USA
|Tomorrowland
| Why Me Lord
|  1983 * Allez Milord ⁃ USA
Flashing Top
|1964 * Arctic Flash ⁃ CAN
Flaming Page
|Fleur
||1973 * Far North ⁃ CAN
||1974 * The Minstrel ⁃ CAN
||1979 * Pilgrim ⁃ USA
|1967 * Nijinsky ⁃ CAN
|1968 * Minsky ⁃ CAN
Flaming Victress
|1972 * Flaring Dancer ⁃ CAN
Friendly Relations
 Timely Affair
  1975 * Morning Frolic ⁃ USA

Pocahontas

Allez Milord は五代クロスが薄いアウトブリードタイプ。米血脈と非主流の種牡馬が目立つ血統表です。

少し俯瞰して父母 Pocahontas を中心に眺めると、父 Tom Rolfe が Buchan 5×4*6、彼は Prince Rose と Sir Gallahad と Sickle (= Pharamond) で彼女の血脈を補強しているイメージです。

父と母の年齢が12歳も違うために血統の世代ずれが大きくなっているのですが、母方では唯一古参の Pappageno が Prince Rose を合わせ、Ribot に対しても〈Sardanapale + Gylgad〉を効かせていて、父方との架け橋を担っていたのかな感があります。

Allez Milord × Velvet Sash

アウトサイダーな父が二代続いた Hall of Fame は見事に五代アウト。一番近いクロスで Nasrullah の 6×5。Northern Taste が抱える Lady Angelaと同じ血量分しかありません。そんな中で特徴的なのは Prince Rose 6*6×6 が3/4同血の《Pappageno Prince Chevalier》になっているところ。主張が激しい母母でいつも静かにしているおじいちゃんを突っついてくるとは。

また Allez Milord が持つ米特有の血統については、北米出身 Northern Taste がささやかに孤軍奮闘していますが、やはり Man o' War や Blue Larkspur などを全く持たないノーガード状態。これはステイゴールドを含めた Royal Sash 曾孫世代に共通するところでもあります。

* ステイゴールドとの比較で言うと先に Ribot と Princequillo を取り込んでいたという点では大きく異なっていて、この組み合わせに関してはダイナカプリ方面に近いものがあるかもしれません。

Hall of Fame (1991)

早来 社台フアーム
吉田和子
栗東 松田博資

血統の字面だけ見れば短距離に出なさそうなホールオブフェーム。ところが Allez Milord がわりと米っぽいスピード型を出すタイプだったこともあり、逃げられればなんとかなる系1200娘に育ちます。(牝系初仔の宿命)400kgにも満たない馬体でしたが2勝、出来る限りのポテンシャルは示したかと。

母となって一度はノーザンファームの所有から放出されたにもかかわらず二年後に買い戻され、再び手放される直前に産んだ仔がのちのフェイムゲームだったりと波乱万丈の道程を辿ります。複数の重賞馬と後継牝馬を遺し、バランスオブゲームは種牡馬に、孫からも重賞馬を出している経歴が素晴らしくゴールデンサッシュに並び劣らない名牝となりました。

Progeny

1996 浦河 セ 黒鹿 フジキガン
Fuji Kigan by Fuji Kiseki
JRA-4[0-2-0-2] NAR-3[2-1-0-0] 752.5

1997 浦河 牝 鹿毛 イサオビューティ
Isao Beauty by Dr Devious ⁃ IRE
セレクトセール 420.0
JRA-3[0-2-0-3] NAR-1[0-0-0-1] 0.0

1998 浦河 牡 芦毛 サイボーグガイ
Cyborg Guy by Mejiro McQueen
プレミア現役馬トレードセール 189.0
JRA-2[0-2-0-2] NAR-71[2-7-6-56] 504.4

1999 浦河 牡 鹿毛 バランスオブゲーム
Balance of Game by Fusaichi Concorde
セレクトセール当歳 913.5
JRA-29[8-3-2-16] 61769.5

2000 浦河 セ 黒鹿 スマートエッジ
Smart Edge by White Muzzle ⁃ GB
セレクトセール当歳 735.0
JRA-44[3-6-5-30] NAR-7[0-1-3-3] 6410.9

2001 門別 牡 鹿毛 アドマイヤキング
Admire King by Miracle Admire
JRA-7[1-0-0-6] NAR-55[2-3-3-47] 1021.6

2004 早来 牡 黒鹿 グラディウス
Gladius by Fusaichi Concorde
セレクトセール当歳 3360.0
JRA-7[0-1-1-5] NAR-5[1-0-0-4] 550.9

2005 早来 セ 黒鹿 マスターオブゲーム
Master of Game by Fusaichi Concorde
サンデーレーシング 3200
JRA-22[3-2-1-16] 3634.9

2006 安平 セ 鹿毛 トーセンオーパス
Tosen Opus by Fusaichi Concorde
セレクトセール 7455.0
JRA-35[5-3-1-26] 8371.6

2008 安平 牝 黒鹿 インダクティ
Inductee by Heart's Cry
サンデーレーシング 1400
JRA-29[2-4-4-19] 3738.9

2009 安平 牝 青鹿 デューイガール
Dewey Girl by Special Week
未出走

2010 安平 セ 青鹿 フェイムゲーム
Fame Game by Heart's Cry
サンデーレーシング 3600
JRA-27[7-3-1-16] AUS-2[0-0-0-2] 41114.8

2011 日高 牝 青鹿 アストレア
Astrea by Fusaichi Concorde
ターフ・スポート 800
JRA-4[0-0-0-4] 0.0

2012 日高 牡 青鹿 ドリームシューター
Dream Shooter by Fusaichi Concorde
セゾンレースホース 2800
JRA-6[0-0-0-6] NAR-31[2-1-2-26] 66.0


いちいち調べながら試行錯誤して書いていることが多いです。 新たに気が付くこともあるので加筆修正はわりとすると思います。 どこまで続けられるかは気力と体力と時間次第です。