#鬼滅の刃 を2週間でゲロハマりした45歳男子のお話

 アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が10月16日に全国公開されて、金土日の公開初日3日間で興行収入46億円という超大ロケットスタートになっていると話題になってます。

 ここ最近の情報番組、報道番組でも必ずと言ってもいいほど話題に取り上げられて、私が過去に観た新世紀エヴァンゲリオンの劇場版公開と同じくらいの社会的な現象となっています。

 とはいえ、今の社会状況は「新型コロナウィルス」の世界的蔓延のさなか。「感染防止」「三密回避」「ソーシャルディスタンス」と叫ばれている中で、過去の映画興行を上回るような大ヒットぶり。その事象はコロナ禍で映画産業・エンタメ産業が危機的状況になっているアメリカでも注目されています。

 ここまで注目されている話題ですが、私自身そんなにこの「鬼滅の刃」という作品の本筋は知りませんでした。正直。

 社会的に話題になっているのは存じてますし、コミックスが書店で品切れになるくらいになっていたり、LiSAさんのテーマ曲は知ってるし、企業コラボが多かったり、主人公キャラの竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と妹の禰󠄀豆子(ねずこ)くらいは知ってるぞ!という程度ですが、作品自体は全然触れてなくて。

 気合いあれば、入会している動画サイトを漁ってみることは出来ますが、そこまで興味がないというのが本音言えばそんな感じです。たぶん今回のヒットも「へえそうなのね」と軽く見ていたかもしれません。

 ただ、不肖45歳男子の私。2週間前にこの作品にどっぷりハマっちゃいました。きっかけはフジテレビで10月10日に放映された「土曜プレミアム」の特別編放送でした。

 話題になっているから、ちょっとだけ見ようかしら。2時間程度の番組で頭1時間だけ見て、その後は別の番組にチャンネルへ・・・という程度で視聴しました。

 が、その1時間で掴まれました。主人公の炭治郎の留守の間に家族が何者かに惨殺されて、妹の禰󠄀豆子がまだ生きていて、病院かどこかに連れ出そうとしている間に、鬼狩りの剣士に出会って・・・・。という場面。

 雪の中の描写が凄く美しくて。鬼狩りの剣士とのひと悶着もスピード感もあって更にググっと惹きつけるものがある。そして、鬼に噛まれて、鬼になったという禰󠄀豆子が兄をかばう姿など兄弟愛と家族愛にあふれている状況も引き込まれるし、鬼狩り剣士が察し、鬼の妹を見逃し、鬼殺隊になる導きをするところで、1時間が経ち。そこからの弟子入り訓練で更に世界に入っちゃい、気付けばフル尺全部視聴しちゃいました。

 このフジテレビの特別編放映で確実に作品の虜になったのは確かです。このベースのお話を元に、その次の週に放映された「那田蜘蛛山(なたぐもやま)編」でも更にハマったし。

 ただ、この特別編が、テレビアニメ全26話の1話~5話、15~21話という中抜き状態なので、その間とその続きを見るために干していた動画サイトを漁り始めるという行動にやっと打ち出せ、ついに昨日テレビドラマ全話を見ることが出来ました。(笑)

 今回劇場上映されている「無限列車」編がテレビアニメの続編ということですが、そこに繋がる描写も最終26話にて触れています。そこで映画に至る期待感も増してきたような気もします。あと中抜きのエピソードは非常に大事で、ラスボスの鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)の話や、無惨に従う十二鬼月の存在、無惨に抗うレジスタンス的な鬼の存在。鬼殺隊の当主や組織の内情、最強剣士である「柱」などを知ることが出来て有益な視聴になりましたね。

 というか、個人的に此処まで急速にハマっちゃったのは、この物語が見事過ぎるくらいの「成長物語」だったからかなと思ってます。

 私自身、成長物語と言うのが大好きで、その手のお話は高確率で引き込まれてしまうし、アイドルのSKE48とかもそういう目線で見てしまうことでハマっているところもあるんだろうなって。ボートレース(競艇)にハマっているのもその気だと思うし。「半沢直樹」の今年放映されたシリーズも半沢を慕う部下の成長物語的な部分で見ていたし。

 単純に主人公が鬼狩りになって、ドンパチちゃんばらするお話ではありません。主人公にはある程度の素質はあるものの剣士としては非力で、そこから修業、訓練、実戦で強くなっていく。その根源には「鬼になった妹を人間に戻したい」という信念があるからこそ。

 主人公が強くなるというのは過去のジャンプ系のマンガでも熱量があって展開されていたのは有りますが、主人公の燃ゆる根底があっての成長と言うのはめちゃくちゃ心に響く。スポーツのような成長物語が展開されているのも私がハマっている部分かなと。

 主人公以外のキャラクター、味方・敵の鬼も含めて「過去」や「内面」を描いているのは大きいと思います。特に鬼の過去。どういう経緯で闇に落ち、無惨に取り込まれ鬼となり、自分が正義と思うがまま残虐を繰り返し、粛清される時に悔いる。でも炭治郎が鬼滅する際には鬼に温かさを与えて、「生」に対して評価をして賞賛して果てるようになっている。敵味方関係なしのストーリー展開も私の中ではハマってます。そこも成長物語の一部かな。

 あと、シリアスな展開の反面のギャグセンスの高い描写などがめちゃくちゃ面白い。しっかりと緊張と緩和が出来ている。シリアスな場面は残忍な描写が多いので、ギャグ描写の緩和がめちゃくちゃ良きです。個人的には蝶屋敷のエピソード大好きです。三姉妹が可愛すぎる。あとデフォルメされたキャラがめっちゃ好き。禰󠄀豆子のデフォルメは鬼大好きです。

 ホント、この2週間で鬼のようにハマらせてくれたのは、作品を持っている力が凄いんだなと感じています。素晴らしい作品に出会えたことには感謝ですが、作品初出が2016年、テレビアニメが2019年と考えれば、もう少し早く出会えればよかったなと言う「悔い」も感じています。

 アニメ全話見たことで劇場版「無限列車」が観れます。時間を見つけていつか劇場で近いうちに観たいです。

 そして、無限列車以降もエピソードがあるみたいで、そこに触れるのは原作コミックスになるのか、アニメ上映を待つのか。ちなみに原作コミックスは一度も見ていません。(笑)

 ここまで社会現象化した作品になったので、これからのメディア展開は凄いモノになると思います。どういうスタイルで続編、続々編をエンディングまで見せてもらえるか非常に楽しみです。

 このあたりのメディア展開はエヴァンゲリオンでも拡がっていたのは私も知っているので、それ以上のモノになるか、同じようになるかは、生を受けている限りは見守れたらと思ってます。生きている間に完結していると良いな。エヴァはまだ25年経っても完結していませんし。(笑)