フィンランド・ミラクルに鈴木恋奈と立川談志

 SKE48の9期研究生、鈴木恋奈(すずき・ここな)さんのSHOWROOM動画配信が最近面白いです。

 9期生でデビューして1年。当初も「何を考えているのかわからない」と「やべぇヤツ」と同期、先輩メンバー間で評判があって、「岐阜からイノシシに乗って劇場に通う」とか言ったり、「ちくわが好き」と言って、ちくわを作る工程をモノマネしたり、変なタイミングでキャッキャ笑ったりとか、個性を放ってましたが。

 ここ最近は女子力が増していって可愛い方向性で落ち着いたと思いきや、動画配信でやべぇヤツぶりを発揮しているようで。

 メインは夜20時あたりからの配信で2時間から1時間半やってますが、たまに朝5時から配信やっている時もある。主に部屋着を着てのまったり配信みたいな感じで、視聴しているユーザーと交流して、SHOWROOMで可能なカラオケ配信を駆使して歌を歌ったりとか。

 ここまでなら普通のアイドルさんでもよくやっている手段ですが、その内容がぶっ飛んでる。「ユーザーと交流する」部分は、ビンゴで順位を抽選をして、指名されたユーザーに無茶振りをやらせる。そのユーザーを打首にしたり、ここなさんが書いたお札を使って除霊をしたり、ユーザーの名前を勝手に改名させたり。特に「除霊のコーナー!」とか尺取ってやってない。完全思い付き。思うがまま。いつ飛び出すか判らない。

 そして、「カラオケ配信」の部分も、ほぼ思い付きの行き当たりばったりで、その場の雰囲気や自分の気分でカラオケをする感じ。で、だいたいのセットリストは決まってて、「引越ししました」や「トントンの歌(彼女になりますか)」や「筋肉の歌(わるきー)」、そして「フィンランド・ミラクル」。

 中でも、ここなさんは「フィンランド・ミラクル」を何故かかなり気に入ってて、1回の配信で4~5回も歌うくらいになってます。で、ユーザーさんがフィンランド・ミラクルのオリジナルでセンター担当してた向田茉夏さんへの掛け声と言うか合い言葉の「んんんんんんまなつぅ」の「んんんんんん」をコメントで連発して、そのコメントがここなさんかなり気に入って。最近の配信でも「んんんんんん待機お願いします」とか言っちゃってるし。あとは歌詞の中の「切れ間」コールや、竹内ななみさんを指してると思われる「たけな」コールもコメントであったり。そのコメントがあると、ここなさんがキャッキャキャッキャ楽しんでます。

 今の配信では「フィンランド・ミラクル」待ちになっている状況ですね。で、ここなさんもかなり気分が変わるんで飽きが来て何度も「フィンランド封印します」というものの、禁断症状が出て「ああああ、フィンランド歌いたくなった!」と言ってついつい2曲連続で歌っちゃうの繰返し(笑)。

 そんな待ち要素もあり、何が飛び出すか判んない要素もあり、面白さがどんどん伝播されつつあって、最近は5000人~8000人視聴はザラで、10000人視聴になった時も。しかも、朝5時の配信でも5000人くらいは当たり前で、なんか「ここなさんを視ないと1日が始まらない、1日が終わらない」状態になってそうで、結構盛り上がっているように思えます。

 ついには最近インスタ経由でファンの人が教えたせいか、一般人の向田茉夏さんにも知れ渡ったようで。まあ個人的には茉夏には偶然知って欲しかったのですが。ちなみに彼女は最近は古川愛李さんに連れられてSKE劇場に来て公演を何度も観るくらいになってます。好きの視点で公演を観て貰えてるのが嬉しい。

 この「何が飛び出すかわかんない」と言う部分は噺家さんに似ているような気がして。

 講釈師の神田伯山さんが個人的にお気に入りで最近動画を漁っていますが、普通に講釈をしてても何を言うのかわからないリアルがあって。ネタの前の「まくら」というお話の部分や、ネタの終盤に「さあ、ここで話は面白くなるんですが、、、お時間が来て。。。」と言うところとかはエンタメ性があって面白くて。

 そのついでで、伯山さんが演じた講釈を見て、他の噺家さんの動画も良く見ています。最近は鮫講釈や、源平盛衰記とか見てますが、中でも立川談志さんは面白い。

 演目も見事過ぎて面白いのもあるんですが、その演目の前に長々と、そして、演目途中にも何度も、脱線して演目以外のお話に入っていくのが面白いですね。立川談志さんのまくらは面白いというのは評判かも知れませんが。

 そのお話も何が飛び出すのかわからない。政治問題か、楽屋ネタか、最近あった話なのか、創作なのか、別のネタか、あるいは客いじりか。ネタもそうだけど、その何が飛び出すやらわからない部分を見るのを楽しみに劇場やホールへ向かう人もいたのだろうか。

 そういうのを見てると、鈴木恋奈さんの配信も「今日は何があるんだろうか」と思って配信を楽しみにしている人も多いんだろうなと思います。単純に鈴木恋奈推しの人もいると思いますが、最近は私みたいに興味本位の人もいそうで、SHOWROOMのフォローする人も多くなっている。

 鈴木恋奈さん本人は、意図的に工夫をして努力しているのか、無意識に成り行きで配信しているのが面白くなっているのか、定かではありませんが、初期はまったり配信だったのが、面白くなっているのを感じている限りは、本人なりに工夫しているんだろうなと思ってはいます。工夫してなかったらそれはそれで天才肌ですが(笑)。

 一度、ご覧になって頂ければ、トリコになる可能性はあります。是非。

 ってことで、最後に「工夫」ということで、神田伯山さんのネタで、工夫をしたことで一流の歌舞伎役者までに伸し上がった「中村仲蔵」のお話動画を貼って、是非ともご覧に頂けたらとおススメをしつつ、鈴木恋奈フィンランド・ミラクルのお話、読み終わりでございます。