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チーム・ジャーニー 著者による本読みの会 第5回に参加しました 

チーム・ジャーニー 本読みの会。今回は第5話と第6話。
前回はこちら(第4話)。

第05話からは第1部「1チームのジャーニー」の後編。第04話までが基本編で第05話からが応用編という構成です。

第05話 チームをアップデートする

不穏な兆候
ふりかえりのときに「問題ない」となる
・改善するようなコメントが出ないようになる
・無理やり出そうとするとチームの取り組みに関係ない話題が出る

割れ窓理論
・軽微だからと問題を共有せずに放置する
・放置していると「この問題もまあいいか」と放置が連鎖する

他のチームとのDIFF(差分)を取る
 
前方(理想の未来)とのDIFF
 後方(過去の自分たち)
 平行(他の現場、チーム)

 DIFFの観点は書籍の「表5.1」にまとめられています。戦略経営のバランススコアカードをチームに応用しているそうです。

 チームの成長をファーストに置くためにスクラムを取り入れる。そして、チームの状況を捉え直してフォーメーションを再構築したことにより、チームの中に前向きな気持ちが芽生え始めたと感じられれば、新たな一歩を踏み出せます。

第06話 分散チームへの適応

壊れてしまったスクラム
 副業や兼務、生活リズム(曜日や時間帯)が合わないメンバーが参画すると、スクラムのイベントに参加できないメンバーが出てきたり、イベントを夜から開始することになったりします。そのようなときは、どうすればよいのか。
 スクラムのイベントを2つに割るアイデアが出て、チームから「それはスクラムなのか?」との声があがります。それに対しての問いかけがこちら。

「僕たちはなぜここにいるのか?
スクラムをやるためか、それとも
プロダクトを世の中に届けるためか?」
(蔵屋敷談)

 型(フレームワーク)を決めると、気づかないうちに型通りにやることが目的化していることがあります。
 ふと、野球やテニス、剣道などの素振りも同じだと思い出しました。素振りすることが目的化していると、何回振ったか、毎日振ったかを気にしてしまいます。しかし素振りは本来、打球や相手の動き、振ったときの角度や軌跡、あるいは自分自身の構え方や姿勢などを、一振り一振り意識しながらやると効果があるものです。監督や先輩にやれと言われたから、チームのルールだから、という気の持ちようでやっていると、疲労感や達成感は得られても気づきや学びは少なくなってしまいます。
 仕事でもスポーツでも、自分で選んだことなのであれば、それぞれの場所で取り入れる型を何のためにやるのか、私たちは何のためにやるのかと、常に自分ごととして捉えていきたいものです。

意思決定のプロセス

「起きている現象や状況を捉えて、
どういうことなのかと解釈し、
やるべきことを判断する」
(蔵屋敷談)

 これをどのようにやるのかは、それぞれの現場に合うようにするということしかありません。例えば、この後出てくる雁行陣開発のような方法があります。

「状況が変わったのであれば、
今までどおりを維持しようとするのは、
適応とは呼ばない」
(蔵屋敷談)

 やることが変わらなくても、組織が変わり人が入れ替わったときは現状を捉え直す良い機会なのだと思います。

雁行陣開発
 
以前、雁行陣開発を取り入れたリーダーがいました。週の半分は作業時間が深夜帯のメンバーがいるチームでアジャイル開発を推進するには難しいフォーメーションでした。リーダー自らが背骨を作り、別の時間帯でメンバーが肉を作れるようにと、まさに雁行陣開発の進め方です。惜しむらくは、その進め方と考え方をチーム内の共通認識として持ちきれなかったこと…。
 彼が目指したチームの姿は、今も理想の未来として眼前に浮かびます。もし同じ状況に遭遇したら今度はうまく乗り切れるだろうか、彼のいないチームをリードして。雁行陣開発を取り入れるとうまく進められそうか、取り入れるにはどうすれば良いか、まずは、それらをチームで考える場を設けるようにしたいと思います。

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