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EVの社会的効果

昨今、電気自動車(Electric Vehicle : EV)を街中で見かけることが増えた。自動車が好きな人のみならず、エネルギーや環境方面に関心の強い人ならば、EV関連のニュースが増えていることに気づいているだろう。では、実際にEVが社会的に意味があるのか、少しデータで見てみよう。

世界全体で、交通部門のCO2排出量は25%を占める(International Council on Clean Transportationのウェブサイトより)。また、次の25年間で交通部門の脱炭素化を進めることで、気温を0.5%下げることが可能というデータもある(同上)。

 さらに、交通部門のCO2排出量の内訳を見ると、乗用車(バイク、タクシー、バスを含む)が45.1%であるのを筆頭に、貨物輸送車(トラック、ローリーなど)が29.4%、航空機が 11.6%(うち旅客81%、貨物19%)、海上輸送が 10.6%と続く(Our World in Data;以下の図を参照)。すなわち、貨物を含めれば、陸上交通部門における排出が部門全体の約4分の3(約75%)を占めている。

 また、こうした交通部門のCO2排出状況を過去および将来的な見通しを含めて通時的に見ると、いかに陸上交通部門からの排出が多いかがわかる(Our World in Data;下図)。さらには、同データにおいても、2020年を境に同部門からの排出を急激に下げ、2070年には陸上部門からの排出がゼロに近い状態にまで至ることが予測されている。

つまり、 

・CO2排出量の規模(全部門の1/4)、
・部門内の陸上交通の占める割合(全体の3/4)、
・今後の世界的な動向(2070年にゼロ)

などから、陸上交通部門における脱炭素対策が重要な課題の一つと言える。
そして、さらに(最)重要な点として、同部門の脱炭素化は技術的に実現可能性が高いと考えられることがある(技術およびインフラストラクチャーの両面)。そのことを示すように、実際に、世界の各地で政策が既に施行され効果を生み始めている。したがって、次に必要なことは、その実現可能性(有効性)を確認することだ。

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