参天台五台山記読記020
廿日(己巳)
辰時,惟觀取金銀如員持來。巳時,以快宗供奉為首六人,遣問官市。申時,沙汰了。如員以小船運來,問官之恩,不可思議也。小船賃三百文錢與了。七時法了。
ノート:
辰の時が訪れると、惟觀が耳をそろえて金銀を将来した。巳の時には、快宗供奉を含む六人を問官のもとへ交易に派遣した。そして申の時に、交易は完了した。数の通りに小舟でここに運んでもらった。問官はとても懇意な方で、そのご恩恵は不思議なほどだった。小舟の運賃として300文をお支払いをした。
勤行は七時に修了した。
廿一日(庚午)
雨下。陳詠櫻子一裹持來。細布一端與呉船頭了。申時,向浴堂沐浴,八人料錢八十文,呉船頭出了。以細布一端與家主張三郎,不取,歸家了。七時法了。
ノート:
雨の中、通訳の陳詠さんが愛らしいさくらんぼを手渡してくださった。細布一反を船頭の呉鋳さんにお渡ししていた。
申の時に、共同浴室(混堂)にて心地よいお湯につかった。呉さんが八人分の入浴料80文を快く支払ってくださった。
細布一反を大家の張三郎さんにお渡ししようとしたところ、手を振って受け取らずに帰っていかれた。
成尋の筆記した旅の記録は、宋時代の温かな人情と国境を超える深い絆を、生き生きと伝えており、私の心を強く打つものがあった。
勤行は七時に修了した。
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