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月が星になった

韓国のアイドルグループASTROのMoonbinが亡くなった。

2020年春、岩手の標高600mほどの安比高原でコロナ禍に突入していた私は、昼間ほぼ無人になるリゾートマンションの一室に閉じこもって暮らしていた。
地球上の多くの人が同じように不安な気持ちで家に閉じこもっていたその頃、私も、なんとも言いようのない不安な気持ちを抱えていた。
そして、YoutubeやNetflixなど、ネット上に癒しを求めて、いろんな動画の世界をのぞきこみながら1日をなんとかやり過ごす、という日々を送っていた。

そんな時にスタートしたのが、韓国ドラマ『新米史官ク・ヘリョン』だった。
それまでほぼ韓国系の媒体を見ていなかった私だったが(むかーし、冬ソナだけは見た)、主人公のシン・セギョン演じるク・ヘリョンが”本が大好きな正義感の強い行き遅れ女史が宮廷で史官にチャレンジする歴史ファンタジー”ということで、なんとも自分の好きな匂いがして、観てみることにしたのだ。

それがもう大当たり。パステルトーンに統一された美しい映像、懐かしの少女小説のようなストーリー、演者さんたちの演技力の高さにルックスの輝きなど、かつての文学少女の乾ききったファンタジー欲を満たすのにあまりあるコンテンツで、一気にどハマりしたのだ。

そこからもう一人の主演チャ・ウヌの所属するアイドルグループASTROに興味を持ち、Youtubeを見たりSpotifyで聴いたりして、すっかりASTRO沼、韓国アイドル沼にもハマっていったのだった。

そこのメンバーにいたのがMoonbinだった。

映像の向こうのMoonbinは、ダンスの群舞でピカイチに輝いていた。
踊りの上手さはもちろんだが、華のある存在感が群を抜いていた。
MVをプロデュースしたり、ドラマやバラエティ番組、音楽番組の司会に挑戦したりと、様々な形式にトライしている様子を、画面越しにファンに届けてくれていた。

メンバーの1人が入隊して、グループとしての活動が下火になる時期に突入すると、メンバー内の1人と2人でユニットを組んでアルバムを出したりツアーをしたりして、グループの勢いを少しでも維持しようと頑張っている・・・ように、見えた。

ASTROというグループ名から、彼らはひとりひとりが”宇宙に瞬く星”になぞられられることが多い。
そして、Moonbinは名前に”Moon"が入っているから、月とイメージが結びついていた。
だから、今回のことも、追悼文に”月が星になった”などという表現が多く見受けられた。

詩を作るのが好きで、
筋トレが好きで、
走るのが誰よりも早くて、
歌も踊りも上手で、
多くの人たちから愛されていたMoonbin。

今はただ、彼の魂が安らかであって欲しいと願う。

Rest in peace, Moonbin.
Thank you for everything.

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