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学校側からの書類には、次のことが記載されていた 希望する教師の名前 希望する理由 希望する教師に質問したいこと この3点を書いて返送することとなっていた 母親は息子を呼び、こう言ったのだった いいこと、よく聞いて、お母さんたちとも言っていたんだけどね、 中学校って結構大変な所なの、先生次第で高校も決まってしまうかも しれないし、内申書だってあるでしょ、それをまだ小学生に言うのも きつい話だとは思う、でもね、選べないよりは選べる方がよっぽど いいからね、少なくとも、お母
ここは市内の居酒屋、職場の先輩に教師は呼び出された で、どうなんだ、そちらの学校は? かつての同僚は聞いてきた、「担任選択制」を取った学校が 近くで、後輩のいる学校であったのだ しかし、思い切ったことをしたものだな、何でまたそうなったんだい? 教師は説明した、1人転出となった教師がおり、欠員として非常勤講師が 昇格となった、が、まだ予定でしかない、ここは生徒達に選ばせようという試みだと 転出の理由は結婚である、規約上、どちらかが職場を変える必要があるのだ そこで、談
母親達は、上級生を持つ母親の所へ集まり、聞くこととなった 幸い、クラスメイトに年上の兄弟を持っている人がいたのだ この先生はどんな先生なの? 上級生は多少緊張しながらも、知っていることを並べ始めた この人は厳しい先生だ、この人はまだましだ、とエピソードも踏まえて 話してくれたのだ そうすると、先生たちの日常が出てくる、この人はテスト範囲に無い所を出す時がある、学習塾には批判的である、小テストが多い、など 出てくるのは成績の付け方であった、テストの出し方、授業のスタイル
母親は書類を眺め、向き直った さて、どうしようか 書類には、各教師の年齢、勤続年数、教え方、クラス運営などが 記されていた、ただ、これだけでは判断できそうもない そもそも、息子に取って合うかどうかはまた別問題であったのだ どう調べたらよいであろうか 坊や~、こっちおいで~ は~い、何? ここにね、今度入る中学校の担任の先生のプロフィールが 書かれているから、ちょっと読んでごらん うん、見てみる ~~~~~~~~~~ どうだった?良さそうな先生はいた? う~ん、いきなり
希望調査の結果は驚くべきものであった これでは1人の担任に2クラス分の人数になることになる 普段なら人数調整をするところであった 保護者側の返答は生徒達の意思を尊重してやって欲しいという 意見が多数を占め、教師達は対応に迫られた 結果、これも生徒達の意見を尊重するということになり、 アシスタントの教師を「副担任」とすることで運営することとなった アシスタントは英会話に招いた実習生であり、この人事も周囲を驚かせた 初めての試みであったが、本人は気負っている様子であった
少女は事務室へ行った 報告します はい、どうぞ 少女は事の顛末を話した 了解したマネージャーはこう続けた 以前のプレゼントの荷物だけど、持ち主不明だから、 心配しなくていいからね、 と、言う訳で、もうひとつお願いがあります、聞いてくれるかな? はい 前の学校のクラスの人にお礼の手紙を書いて欲しいのです、いいですか はい、わかりました よろしい ~~~~~~~~~~~~ 少年のクラスにアイドルとなった少女から、 お礼の手紙が届いたのは、それからしばらくしての