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物語

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「手紙の返事」 「部活動」 「クラス決め」は ここに置いてあります
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2020年4月の記事一覧

クラス決め 第5話

学校側からの書類には、次のことが記載されていた 希望する教師の名前 希望する理由 希望する教師に質問したいこと この3点を書いて返送することとなっていた 母親は息子を呼び、こう言ったのだった いいこと、よく聞いて、お母さんたちとも言っていたんだけどね、 中学校って結構大変な所なの、先生次第で高校も決まってしまうかも しれないし、内申書だってあるでしょ、それをまだ小学生に言うのも きつい話だとは思う、でもね、選べないよりは選べる方がよっぽど いいからね、少なくとも、お母

クラス決め 第4話

ここは市内の居酒屋、職場の先輩に教師は呼び出された で、どうなんだ、そちらの学校は? かつての同僚は聞いてきた、「担任選択制」を取った学校が 近くで、後輩のいる学校であったのだ しかし、思い切ったことをしたものだな、何でまたそうなったんだい? 教師は説明した、1人転出となった教師がおり、欠員として非常勤講師が 昇格となった、が、まだ予定でしかない、ここは生徒達に選ばせようという試みだと 転出の理由は結婚である、規約上、どちらかが職場を変える必要があるのだ そこで、談

クラス決め 第3話

母親達は、上級生を持つ母親の所へ集まり、聞くこととなった 幸い、クラスメイトに年上の兄弟を持っている人がいたのだ この先生はどんな先生なの? 上級生は多少緊張しながらも、知っていることを並べ始めた この人は厳しい先生だ、この人はまだましだ、とエピソードも踏まえて 話してくれたのだ そうすると、先生たちの日常が出てくる、この人はテスト範囲に無い所を出す時がある、学習塾には批判的である、小テストが多い、など 出てくるのは成績の付け方であった、テストの出し方、授業のスタイル

クラス決め 第2話

母親は書類を眺め、向き直った さて、どうしようか 書類には、各教師の年齢、勤続年数、教え方、クラス運営などが 記されていた、ただ、これだけでは判断できそうもない そもそも、息子に取って合うかどうかはまた別問題であったのだ どう調べたらよいであろうか 坊や~、こっちおいで~ は~い、何? ここにね、今度入る中学校の担任の先生のプロフィールが 書かれているから、ちょっと読んでごらん うん、見てみる ~~~~~~~~~~ どうだった?良さそうな先生はいた? う~ん、いきなり

クラス決め 第1話

希望調査の結果は驚くべきものであった これでは1人の担任に2クラス分の人数になることになる 普段なら人数調整をするところであった 保護者側の返答は生徒達の意思を尊重してやって欲しいという 意見が多数を占め、教師達は対応に迫られた 結果、これも生徒達の意見を尊重するということになり、 アシスタントの教師を「副担任」とすることで運営することとなった アシスタントは英会話に招いた実習生であり、この人事も周囲を驚かせた 初めての試みであったが、本人は気負っている様子であった

手紙の返事 第16話

少女は事務室へ行った 報告します はい、どうぞ 少女は事の顛末を話した 了解したマネージャーはこう続けた 以前のプレゼントの荷物だけど、持ち主不明だから、 心配しなくていいからね、 と、言う訳で、もうひとつお願いがあります、聞いてくれるかな? はい 前の学校のクラスの人にお礼の手紙を書いて欲しいのです、いいですか はい、わかりました よろしい ~~~~~~~~~~~~ 少年のクラスにアイドルとなった少女から、 お礼の手紙が届いたのは、それからしばらくしての