大好きだったあなたへ。愛と後悔と呪いを込めて。
2022年12月1日に公開したものを編集して投稿しています。
月日が経っても、あの人への思いは変わりませんでした。
何年経っても存在が小さくなってくれないあなたへ。
いい加減忘れたいのに、忘れられないのがあまりにも悔しいので、ここに書き逃げしていきます。
恋愛にのめり込むタイプじゃないわたしでしたが、あなたにはのめり込んでしまいました。後にも先にも、わたしの人生において、あなたほど、わたしから気持ちが動いた相手はいないと思います。今後関わることがなくても、連絡が途絶えてから数年が経ったいまでもそう思います。
どこに惹かれたのかは自分にもよく分かりませんが、強いて言うならあなたの存在自体が好きだったのだと思います。あなたの顔、声、話し方、雰囲気、匂い、笑い方。あぁ、あげればキリがありません。それくらいにあなたのことが好きでした。
昔からわたしは現実主義でした。漫画とかドラマに憧れたことはなくて、運命の相手が、なんて信じていることもありませんでした。でも、不思議とあなたと過ごしているときは漫画の主人公の気持ちが少しはわかりました。甘酸っぱい青春だなんてありきたりな表現だけど、わたしの青春には間違いなくあなたの存在がありました。
でも、わたしは主人公のようにはなれませんでした。わたしにとっての夢は叶えるものではなくて、いつか覚めるもの。現実主義のわたしには大変ふさわしい。
あなたの態度がよそよそしくなったことも、自分たちも潮時かな、なんて口にしていたことも気づいていました。気づかなければ、もう少しは夢を見れていたのでしょうか。
主人公だったなら、気持ちを取り戻すことができたのか。泣いて縋って、これでもかというほど感情をぶつけてみればよかったのか。
嫌われたくなくて、物分かりのいい女になろうとして。引き留めることも、気持ちを伝えることもできなかった。わたしにできだのは、あなたの言葉を受け入れることだけ。
友達にも戻れず、あなたを目で追うだけの日々が過ぎていく。気持ちが離れ、そして物理的にも離れ、あなたを目で追うこともなくなりました。あなたの存在はこれでもかと言うほど遠くなったのに、それでも誰かにあなたの面影を重ねては、ふと思い出すことを繰り返していました。
そして数年が経ち、あなたを思い出すことが少なくなり、割り切れるようになったころ。
ふと、あなたの連絡先を見つけてしまいました。
割り切れていたと思っていたのに、全く割り切れていませんでした。
それはそれは迷ったけど、「ここで何もしなかったらまた後悔するな」と決意し、勇気をだして連絡をしました。
なんてことのないようにあなたは返事をして、それからやりとりをして。
悔しいくらいに、あなたはわたしの好きなあなたのままでした。
ほんの数回のやりとりであなたの存在はみるみる元通りになってしまいました。
それから会う約束をして、せっかくだから遠くに行こうかなんて話をして。
またあなたに会えることが嬉しくて、染めたばかりの髪を染め直しに行って。
久しぶりに会ったあなたは、やっぱりわたしの好きなあなたでした。
何もかもスムーズに予約していたあなたは
「大人になったって、こういうことだよ」って言ったけど、
そんなことはどうでもいいくらいに幸せでした。
あなたに会えて、話をして、触れられて。それだけで満足でした。
満足だったばかりに、また気づいているのに知らないふりをしてしまった。
本当は気づいていた。
あなたの連絡がどんどん遅くなっていることも、態度がそっけなくなったことも。
でも、それでもわたしはあなたに会いたくて、離れたくなくて、やっぱりどうすることもできませんでした。
あなたからの連絡が途絶えてしばらくして、わたしはただの都合のいい女だったと気づいてしまった。
わたしは主人公じゃない。夢から覚めなくてはいけない。現実主義のわたしには夢はとことん縁がないようだ。残酷なことに。
また遊びに行こうって言ってたじゃないか。嘘つき。
都合のいいことばっかり言って、浮かれさせて、傷つけやがって。
あなたのせいでこんなに傷ついた、って言ったところで、わたしの声はあなたには届かない。
でも、惚れた弱みとはよく言ったもので、傷つけられて、辛い思いをしてもなお、あなたに不幸になってほしいとは思えない。あなたを非難する言葉をつらつらと並べた後で、でも、と付け加える自分が憎い。どうせなら憎たらしくわたしの前から去って欲しいものだけど、わたしのなかであなたの存在は悪になり得ない。
あなたは、わたしの知らないところで今日ものうのうと生きて、わたしの知らない適当な女捕まえて、わたしが知ることなく当たり障りのない生活をしていればいいと思う。
ただ、ふとしたときにわたしのことを思い出したり、わたしのことを手放すべきではなかったと後悔すればいいし、罪悪感でも抱えていればいい。
これはわたしからの呪い。わたしの心に存在し続ける罰として、これくらいは受けるべき呪いだ。あなたの心にも、少しくらいわたしの存在があるべき。
まだ、わたしはあなたのことを思い出すし、特別いい女でも、秀でるものがあるわけでもない。
けど、いつか、とびきりいい女になって、「逃した魚は大きかったね」と笑いかけてやる。
だから、どうか。そのときまではわたしの前に現れないでほしい。
わたしはたくさん後悔した。
素直に気持ちを伝えらえないことも、諦めたつもりで未練たらたらだったことも、気づかないふりをしていたことも。
だからもう後悔はしないようにしなくちゃ。
あなたのおかげで、ちょっとは強くなれた気がするよ、ありがとう。
大好きだったあなたへ。
大好きな人とは結ばれない人生だと悟ってしまったわたしは、ちょっぴり辛い思いをすることもある。けど、いつか絶対あなたを見返してやるから。
いい女になったな、と心の底から後悔すればいい。
それまではどうかお元気で。
さよならも言えないままだったので、ここで言わせてもらいます。
さよなら。
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