お笑いライブが無い街

お笑いライブが無い街でお笑いライブを開催する。

それは、ラーメン屋が無い街でラーメン屋を始めるみたいな話だ。

とはいえ、ラーメン屋の無い街でもラーメンの存在は知られていて、食べたことがあるという人も割といる。

でも、ラーメンを食べたことのある人はいるけどラーメン屋でラーメンを食べたことがある人は少ない。

という事は、お客さんはラーメン屋ではよくある食券の買い方や麺の硬さやスープの濃さを指定する注文の仕方、さらには食後はテーブルを自身で拭いてから出るといったマナーはもちろん知らないわけだ。

でもまあ、正直そのくらいは想像が付く、マナーやルールは浸透していけばその内分かっていくことだし、その苦労は想定済みだ。

しかし問題はもっと手前にもあった。

そもそも、ラーメン屋に適した規模のテナントが無いのだ。

ちょうどいい大きさのテナントがあったとしても、ラーメン屋をやるためのカウンター付きキッチンやテーブルも一から準備する必要がある。

そして、さらに盲点なのはスタッフだ。

ラーメン屋の無い街で集めたスタッフはもちろんラーメン屋に行った事が無い。

しかしまあ、お客さんより多少はラーメン屋について聞きかじっているので何となくラーメン屋っぽい声の出し方や動きは出来る。

でも結局それは「なんとなくのラーメン屋さんごっこ」に過ぎないから実は何も分かっていない。

コレはね。本当に困る。

何が困るって、その多少知っててやれてしまっているが故に「ああ出来るんだ」と油断して任せてしまう所がめちゃくちゃ困る。

でも仕方ないよ。だってラーメン屋が無い街なんだもの。

でもね。コレは愚痴じゃなく気付き。

もうラーメン屋の例えからイチイチお笑いライブに戻して言い直さないけど、本当に油断してた。

今まで当たり前にやってきた事の当たり前じゃない加減にやっと気付けた。

凄く反省しました。

オレがやりたいって言いだしたんだもの、オレがもっと丁寧に説明していかなくちゃ。


お客様は開演中の写真や動画撮影は禁止です。さらに私語や周りのお客様の鑑賞を妨げる行為はお控えください。尚、急用やお気分が悪くなったお客様は速やかにスタッフにお申し付けください。また、演者への差し入れは基本受付にお渡し下さい。さらに、感染症予防の配慮から閉演後は速やかに席を立ちご退席下さい。ご協力お願いします。

と、いうような注意事項は我々演者では無くスタッフが行って下さい。

何を注意していいか分からない場合は確認して下さい。何となくで行わないで下さい。それからチケットや席の配置や招待席の確保などは特別な演出が無い限り主催者に権限を委ね、何よりもお客様が気持ちよく観覧できるように配慮してください。スタッフや機材を優先するべきではありません。相談してください。

と、いうような事をもっと丁寧にオペレーションするべきでした。

全部主催者である自分の責任です。

いや、責任の所在すら話し合うべきでした。


味に拘るのは当たり前。

その上でもっと丁寧に真心こめた気遣いが必要になってくる。

オレが行うこと全てがお笑いライブそのもののイメージになってくるんだから。

そういう話。


とにかく今はラーメンが食べたいです。

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