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ブス NEED 金 AND 時間 TO BE カワイイ

マツエクやネイル、ダイエットをこなしていくうちに気付いたことがひとつある。それは、ブスが可愛くなるためには金と時間がクソほどかかるということだ。

「そんなの当たり前でしょ」と思う方がいるかもしれないが、一番その事実に気付くべき肝心のブス(センター・オブ・ザ・トピック)は、まったくもってその事実に気付いていないことが多い。

ブスにもさまざまな種類があると思うが、そのブスを大まかに分類すると、ポジティブ型ブス・ネガティブ型ブス・混合型ブスの3種類にわけられる。

さらに細分化することもできるが、ブスの根は深いため、あまり探りすぎるとマントルを通り越し、コアにまで到達し、焼身自殺となるだろう。ここで止めておくのが懸命な判断である。

「会えるお笑い芸人風」 ポジティブ型ブス

ポジティブ型ブスは、「ブス」という事実をポジティブに捉え、ネタとして昇華している。

昨今の風潮には合わなくなってきているが、「会えるお笑い芸人風」というポジションを確立し「ブスいじり」をされている場合が多い。

「ブスいじり」をされてきたブスは、一見自分を貶す、自己肯定感の低い人間のように思われがちだが、それは世間一般のブス幻想にすぎない。

このようなタイプのブスは、自尊心および自己肯定感がものすごく強い。どこからそんな自信が湧き出ているだろう、誰ひとりとしてその源泉を知らない。

たとえば、「ブスいじり」をされた際に、それを笑いに昇華できなかった人間に対して「こいつぁ、わかってねーな」と心の中で蔑んでいる。

「ブスいじり」をされているのではない、自分自身にネタがなく、他人をいじることでしかウケを狙えない愚民に「ブスいじり」をさせてあげているのである。

もはや、ブスなどではない。おブスさまなのだ。

「私なんてブスだから」 ネガティブ型ブス

ネガティブ型ブスは、ポジティブ型ブスと違ってブスをネタにすることもなく、真摯に「私なんてブスだから」と卑屈になっている。

ネガティブ型ブスの素晴らしいところは、ことあるごとに「私なんてブスだから」という理由付けをするところだろう。

ただ男性と話すだけで「私なんてブスだから、話しててもつまらないだろうな」、ディズニーランドに行くだけで「私なんてブスだから、場違いだろうな」などと思っている。

こういったブスは、己のブスさで周囲の人間に危害を加えないよう、アニメや漫画などの二次元の世界に逃避する。そして、現実世界ではありえないようなイケメン(紙、またはデータ)と恋に落ちる錯覚を味わっているのだ。

一見、ポジティブ型ブスよりも、謙虚で思いやりがあるように見えるのだが、実はその真逆で、自意識が非常に高く、自分第一主義のブスである。

ブスが周囲を気にする前に、周囲がブスを気にしていないのに。

もっとも多い、混合型ブス

混合型ブスは、文字通り、ポジティブ型ブスとネガティブ型ブスを混合したタイプのブスである。このタイプのブスが、ブス界隈において数を占めているのではないだろうか。

混合型ブスは、時と場合によって、ポジティブとネガティブを使い分ける傾向にある。人前にいるときはポジティブ型ブス、ひとり反省会のときはネガティブ型ブス、といったふうにだ。

たとえば、合コンでは、ここぞとばかりに先陣を切って「ブスいじり」に挑んだにもかかわらず、帰宅後、「私なんてブスだから」とひとり反省会を実施している。

ブスをネタに昇華する際に大量のエネルギーを消費するのだが、その反動で、ネガティブの波がどっと押し寄せてくるのだ。

もちろん、ポジティブとネガティブの比率はブスによってさまざまではあるけれど。

ブスの共通点

どのタイプのブスにも共通点がある。それはいかなるかたちであれ「ブスであることを肯定している」ということである。

そんなおブスさまの主張にありがちなのが「ありのままの自分でいいじゃないか」。ああ、おブスさま、おブスさま。Let It Goが許されるのは、美人な雪の女王だけなのです。

そんなブスである自分を肯定しているがゆえに、変わることを一切しようとしないブス。美人は「もっと可愛くなりたい」という思いからたゆまぬ努力を積み重ね、もともとプラスだったものに、さらに数百万点を加算。

一方、おブスさまたちは「ブスだから」という諦念で努力をせず、独自のファッションとメイクに身を包み、居心地の良いコミュニティー(全員ブス)に属し、さらにブスを加速させるのだ。

「別に可愛くならなくったっていいし。今のままが一番」

大半のブスはそういうだろうが、仮に、可愛くなれる薬があって、「これを飲めばおブスさまも可愛くなれますよ」と言われたら絶対飲むだろう。

もちろん、そんな薬などどこにもないから、おブスさまたちは、金と時間という現実的な処方箋が必要なのである。可愛くなるために!

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