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ダイレクトデモクラシーの実験Change.org #無償オーガニック給食 は、こうして始まった!

キャンペーンのきっかけといきさつ

署名はこちらから

コロナが始まって友人とzoomで打ち合わせしていたら、zoomの飲み会は面白いという。じゃあ、とりあえずやってみようかと、一緒にローマのダイレクトデモクラシーの世界フォーラムに行った厚木市義の高田昌慶くんや大和市議の石田ゆたかくん(イッシー)など誘ってSNSでも希望者募ってやってみた。ネット上のヴァーチャルな飲み会なんて何が面白いのか?と内心思っていたけど、やってみたら、ソーシャルなテーマでかなり面白いディスカッションになった。YOUTUBEって、時事ネタを奇をてらってとんがらせてアクセス稼ぐみたいな中身の乏しいものばかりという印象だけど、まったく違うものができるんじゃないか?じっくりと社会課題をディスカッションすることで、共通理解が深まり、ソリューションが見出されていくようなもの・・・話す中でタイトルは、夜な夜なzoomバル!となり、とりあえず、一番人が集まりやすい月曜9時に毎週やってみるかと・・・コンセプト/ルールは・・・

冒険失敗歓迎 未来のルール 権威よらず リアルでディープ
(特にマイノリティーのは)ちゃんと聴こう! 話はなるべくまとめてね!
ポジショントークNG 三人称他人事禁止 うそX 占拠はナシ 生歌あるかも?


そんな感じで、シナリオゼロでライブで流して、それを編集してダイジェストをリリースしている。

ある時、「次は教育をテーマに話そう」という高田くんの提案で、こんなディスカッションが展開された。話が自然に子供の貧困に移り、衝撃的な子供時代のことが語られ、みんな言葉を失った。

それから、「無償オーガニック給食」これは、真剣に取り組もうということになった。自然にみんな賛成だった。ソウルは700億の予算どりして来年から全面導入、それをみんなに知ってもらえば、やれない理由はほとんど誰も言えないはずだ。まずは情報やアイデアもち寄って話し合った。

最初は、住民の2%の署名を集めて議会に提案を審議させる「直接請求」がいいだろうと思ってた。イッシーは、事あるごとにそれをやりたがってるし、自分でもCSA(Community Supported Agriculture)を実践してて適任だ。でも、今はコロナで自治体の財政状態が最悪で、署名集めても予算がないからと一蹴されるのが確実だ。タイミングとして最悪。

うーん、じゃぁ、 Change.orgで署名集めようか?
面白そう、とりあえず失敗しても失うものないし(笑)、遅くともあと1年で総選挙、それで政党のどこかが公約にしてくれたら一番いいな!

参加者全員で提案をまとめようという事で、骨子のドラフト提示して、有志が自由な提案出してまとめていった。本当に随分時間かけてた。終盤ひょっこり再登場したのが、ちゃぶ台ひっくり返すようなこと言っても、みんながそっちがいいと思えば採り入れられた(笑)。みんなが納得するまで熟議したと太鼓判は押せる。ディスカッションは自分が理想として抱いていたイメージにとても近いものだと思う。(原日本の集会)

立ち上げのメンバーは、グローバルフォーラムの参加者で、日本でもダイレクトデモクラシーをやりたいと思っている人たちだけど、これがどうなるか予測がつかなかった。でも、やがて「ここはダイレクトデモクラシーの実験場」と言われるようになり、まぁ、それでいいいうコンセンサスになった。

世界のダイレクトデモクラシーは今

世界のスタンダードになりつつあるのは、市民が法/条例を提案してそれに賛同する署名が有権者のおよそ1%集まれば、法的拘束力のある国民/住民投票が行われて可否が決まり、法制化されることだ。

世界のモデルと言えるスイスでは、もう100年以上の歴史がある。人口800万人に対して10万筆の署名を提案申請から18ヶ月以内に市民が街頭で集めれば、その憲法改正についての国民投票が行われる。提案のテーマは人権に関するもの以外は自由で、投票は3ヶ月毎に行われ、向こう20年間のスケジュールが決まっている。そして投票の結果に準じて随時憲法がアップデートされ続ける。この国の1人当たりのGDPは世界2位で最低時給はおよそ2500円、外国人比率も2割を超えて世界2位、公用語が4つもあって、本当に多様で豊かな社会、その国の土台がダイレクトデモクラシーだ。そして、世界の先覚的な人びとは一様にこれをモデルにして、オンライン化を図りながら自国に導入しようとしているといってしまっても過言ではない。イタリアの第1党の五つ星運動は、この市民イニシアチブの導入を運動の最終ゴールと位置付け、その改憲案を国会に提出済みだ。台湾は数年前に改正国民投票法を成立させた。人口2300万人の社会で市民の提案に28万筆の署名が集まれば、国民投票が実施されるようになり、活発な市民イニシアチブの活動が行われている。署名集めはオンライン化することも法律の中に書かれている。韓国は、大統領直轄の改憲諮問委員会のメンバー30人全員が、全会一致でこの市民イニシアチブ制度を憲法に盛り込むことを提言した。この実現こそ世界史上最大のデモで大統領を弾劾した運動の最終目的だと位置付けている。フランスも全土でイエローベスト運動が展開される中で、市民イニシアチブを目指すというコンセンサスがほぼ出来上がっている。ドイツは戦後の民主主義の発展の中で、すべての自治体が市民イニシアチブ制度を導入、国レベルでの運動も強かに展開されている。アメリカは、今では、およそ半分の州でこれが導入されて、日常的な運動になっている。マドリードでは、プログラマー達がボランティアでシステムを作りあげ、ブラジルのポルト・アレグレをモデルとした参加型予算とスイスの市民イニシアチブがすべてオンラインでできるようになった。これは国連でアワードを受け、世界中の希望する自治体に無償提供されている。
でも、こうした社会を進化させようとする世界の市民の試みが日本のメディアで紹介されることはない。なぜだろう?

もっとヒューマンな社会へ

大事なことは、市民イニシアチブが確立されれば、代議員が独占していた立法権が市民に開放され、その権限が制限されることだ。政治家が民意に背く法を強引に通すことはもはや意味をなさないし、代議員はダイレクトデモクラシーを補完する存在となって汚職も減る。スイスでは議員報酬は低く抑えられ兼職が当然とされている。政府はオール与党、大臣職が主要政党全部に割り当てられる。その大臣が任期1年の大統領をもちまわりでやるから、国民のほとんどは大統領の名前を知らない。それで、若者でも政治に対する満足度、信頼度がとても高い。かなり安定した社会だ。

そもそも近代民主主義の祖のひとりであるルソーは、代議制民主主義を全否定していた。どんなに政党や政治家の品定め、評論に時間を費やしても、優れたリーダーなど永遠に現れないことは、すでに歴史が証明しているといっていいんじゃないのか?問題は代議制そのものじゃないか?
ブレグマンが言うように、今の社会と経済の構造には必然的なものは何もない。もっと根本から考えるべきじゃない?

残念ながら、今の日本では1000万筆の署名が集まってもただ政府に無視されて終わる。署名に法的拘束力のある世界をほとんど誰も知らず、だから現状を変えようとする動きもない。「国民はすぐに騙されて、取り返しのつかない間違った決定をする。だから国民投票は危険だ」と有識者は口を揃えて唱える、これはなかなか悲しい状況で、国民投票の経験がない国は決して多くないと言うことも知られてない。(現代のダイレクトデモクラシーへのグローバルパスポート参照)

そんな中でも、まずは市民が熟議して政策をつくって、その署名を集めて、政府や政党にだしてみよう。今は完全にオンラインでそれができる。それがダイレクトデモクラシーの実験だ。

最近、「バルに参加するようになって自分と周囲との関係が変わった」という若者の声を聴いて嬉しくなった。ちゃんと人の話を聴いて自分の意見も伝えられるようになったと。大事なのは姿勢であって、プレゼンテーションのテクニックじゃないよね、実は。

署名はなかなか順調に集まり、コメントも多く寄せられている。その中で一番嬉しかったのは、
このような全体的な動きを待っていました。声を上げてくださって本当に感謝です。

細部の専門性にこだわり、極度に失敗を恐れて、議論ばかりで終わってしまうことがこの社会では本当に多い。でも、普通の人たちの日々の生活から社会課題を見出して、ソリューションを話し合って提案する。そして合意の輪を広げる。

それこそ、何より大事なことじゃないだろうか?

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