2021年12月29日　旧約聖書・創世記

　旧約聖書・創世記は、天地創造から始まる。
　日本の古事記、日本書紀にも天地創造の記述があるが、それほどユニークではないようだし、最初の神・天之御中は、その後の天照大神に比べて、ほとんど知られていないと思う。

「舊約聖書　三十九巻」『舊新約聖書』（日本聖書教会）
創世記　第一章
一　元始に神天地を創造り給へり
二　地は定形なく曠空くして黒暗淵の面にあり神の霊水の面を覆ひたりき
三　神光あれと言給ひければ光ありき
四　神光を善と観給へり神光と暗を分ち給へり
五　神光を昼と名け暗を夜と名け給へり夕あり朝ありき是首の日なり

　アツスリヤ、ユフラテは、アッシリア、ユーフラテスだろうか。
　弟・アベルを殺したカインで、源頼朝を思い出すが、記紀でも、兄弟の皇位争いの記事がいくつかある。

「創世記」（日本聖書教会）
第二章
三　神七日を祝して之を神聖給へり其は神其創造為し給へる工を尽く竣へて是日に安息給ひたればなり

一四　第三の河の名はヒデケルといふ是はアツスリヤの東に流るゝものなり第四の河はユフラテなり

二一　エホバ神アダムより取りたる肋骨を以て女を成り之をアダムの所に携れきたり

第四章
八　カイン其弟アベルに語りぬ彼りぬ彼等野にをりける時カイン其弟アベルに起ちかゝりて之を殺せり

　第五章では、アダムからノアへの系譜が書かれているが、すべての人物が非常に長寿である。

「創世記」（日本聖書協会）
第五章
一　アダムの伝の書は是なり神人を創造り給ひし日に神に象りて之を造り給ひ
二　彼等を男女に造り給へり彼等の創造られし日に神彼等を祝してかれらの名をアダムと名け給へり
三　アダム百三十歳に及びて其像に循ひ己に象りて子を生み其名をセツと名けたり
四　アダムのセツを生みし後の齢は八百歳にして男子女子を生めり
五　アダムの生存へたる齢は都合九百三十歳なりき而して死ねり

六　セツ百五歳に及びてエノスを生めり
七　セツ、エノスを生みし後八百七年生存へて男子女子を生めり
八　セツの齢は都合九百十二歳なりき而して死ねり

九　エノス九十歳におよびてカイナンを生めり
一〇　エノス、カイナンを生みし後八百十五年生存へて男子女子を生めり
一一　エノスの齢は都合九百五歳なりき而して死ねり

一二　カイナン七十歳におよびてマハラレルを生めり
一三　カイナン、マハラレルを生みし後八百四十年生存へて男子女子を生めり
一四　カイナンの齢は都合九百十歳なりきしかして死ねり

一五　マハラレル六十五歳に及びてヤレドを生めり
一六　マハラレル、ヤレドを生みし後八百三十年生存へて男子女子を生めり
一七　マハラレルの齢は都合八百九十五歳なりき而して死ねり

一八　ヤレド百六十二歳に及びてエノクを生めり
一九　ヤレド、エノクを生みし後八百年生存へて男子女子を生めり
二〇　ヤレドの齢は都合九百六十歳なりき而して死ねり

二一　エノク六十五歳に及びてメトセラを生めり
二二　エノク、メトセラを生みし後三百年神とともに歩み男子女子を生めり
二三　エノクの齢は都合三百六十五歳なりき
二四　エノク神と偕に歩みしが神かれを取り給ひければをらずなりき

二五　メトセラ百八十七歳におよびてレメクを生めり
二六　メトセラ、レメクを生みしのち七百八十二年生存へて男子女子を生めり
二七　メトセラの齢は都合九百六十九歳なりき而して死ねり

二八　レメク百八十二歳に及びて男子を生み
二九　其名をノアと名けて言ひけるは此子はエホバの詛ひ給ひし地に由れる我操作と我労苦とに就きて我らを慰めん
三〇　レメク、ノアを生みし後五百九十五年生存へて男子女子を生めり
三一　レメクの齢は都合七百七十七歳なりき而して死ねり

三二　ノア五百歳なりきノア、セム、ハム、ヤペテを生めり

　日本書紀で、初期の天皇が長寿と書かれた事を思い出すが、スケールが違う。
　書紀の編者は、神武即位を辛酉年（前660年）、神功皇后を魏志の卑弥呼、とする為に、紀年を調整したと言われている。
　創世記の編者は、各人物の年齢を、エジプト王国の歴史に対抗して、長くしたのだろうか。

1　神武天皇　127歳没
2　綏靖天皇　84歳没
3　安寧天皇　67歳没
4　懿徳天皇　77歳没
5　孝昭天皇　114歳没
6　孝安天皇　137歳没
7　孝霊天皇　128歳没
8　孝元天皇　116歳没
9　開化天皇　111歳没
10　崇神天皇　119歳没
11　垂仁天皇　139歳没
12　景行天皇　143歳没
13　成務天皇　107歳没
14　仲哀天皇　53歳没
　　神功皇后　100歳没
15　応神天皇　111歳没
16　仁徳天皇　143歳没