ヘーゲル「法の哲学」(3)

2021年11月30日

 ヘーゲルがいう4つの世界史的領野、東洋、ギリシア、ローマ、ゲルマンは、ギリシアを除けば、日本、イタリア、ドイツ、つまり、第2次大戦の枢軸国に対応する、と思った。
 ヒトラー、また、日本、イタリアの政府は、このヘーゲルの言説を意識していたのだろうか。

ヘーゲル 『法の哲学 下』(岩波文庫)
第三部 人倫(一四二―三六〇)
第三章 国家 C 世界史
三四六
 歴史は、生起の形式、すなわち直接的で自然的な現実性の形式における精神の形態化であるから、その展開の諸段階は直接的で自然的な諸原理として現存し、そしてこれらの諸原理は自然的なものであるから、多様性として相互に外在的に存在する。したがってさらに、一民族にはこれらの諸原理のひとつが帰属する。――これが、精神の地理学的および人類学的な現存在である(162)。
(162) 『歴史哲学』序論においても「世界史の地理的基礎」という表題のもとで、この問題が論じられている(stw Ⅻ, 105ff.)。そこには、和辻哲郎の『風土』を先取りする内容が含まれている。

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