NHK杯2020:お茶の間雑感

今シーズンのGPSは中止(カナダ、フランス)・無観客(アメリカ、中国)・有観客(ロシア、日本)と6つの大会がそれぞれ綺麗に対応が分かれた。試合があること、客入れが出来たこと、国内開催の試合でそれが遂行されたことは単純に喜ばしい。これから2週間のあいだにひとりの感染者も出すことがなくて初めて「成功」といえる程度にはまだ状況は色々と厳しいと思うけれども。

途中広島戦の中継を挟んで(2-0になった時に「これは女子FSを並行して見てもいい流れ?」と油断した私が悪かったのだと思います 懺悔)3日間全競技テレビ生中継を心から楽しみました。フィギュアは現地観戦がままならないことが多く(距離的な問題よりチケットがまあ取れない)生中継を見ながらSNSで騒ぐのがこれまでの普通だったから、コロナ禍とはいえお茶の間観戦には何の違和感もなく。SNSは楽しく使うに限る。

出ている選手がほぼ自国の選手という特殊な形でのNHK杯となったけれど、個人的にはもう全力で手に汗握りながら観戦。今季ここまでFODで地方大会からずっと生配信を見続けて楽しんでいたけど、地上波の生中継は言うて格別。テレビ映像は綺麗ですよやっぱり。テレビすごい(が、カメラワーク自体は1カメのFODが圧勝という悲劇)。


有観客の場内は席をひとつ飛ばしで通常の半分の入りだったという。
それでも無観客の試合を数多見てきた中では、演技の出来に応じて拍手のボルテージが上がったりするのが堪らない。歓声がなくても十分に伝わる。現地からしたら歓声を押し殺すことはそれはそれは苦行だったと思う、乙である。そんな観客がいることへの感謝の言葉を述べる選手も少なくなかった。


今回は村元・高橋組のデビュー戦ということでアイスダンスが特に注目を集めるというか報道が集中することになっていた。
実際にアイスダンスが全組地上波で放送されることは意義があったと思う。はじめてちゃんと見る、という人だってきっと少なくなかったろう。

シングルスケーターだった大輔さんが、この大会を通してアイスダンサーの顔になっていく様子を見ていた気もする。RDは些かシングルっぽいな、と思うところもあったけどEXはアイスダンスでした本当に。サッカーでいえばFWがGKに転身するぐらいの話だったと思う。すごい挑戦よ本当に。

女子はカオリサカモト、男子はユウマカギヤマ圧勝。今回のGPSはジャッジも国内調達であることから、得点はISU非公認となっているんですけども、ISU非公認=世界に出たら下がる ではなく 日本のジャッジは自国の選手に鬼ほど厳しいので(世界で戦うために甘やかさない!という姿勢だろうし多分間違ってない)むしろ世界に出たらあれより上がるんじゃないかと睨んでいる。

今季はノーミス演技を望むのは少し厳しいかなと思うところもあったのですが、優勝者の演技はどちらも優勝にふさわしい興奮を呼び起こすものでした。や、まじで熱くなったよカオリの演技。三原舞依ちゃんの復活は涙を誘わずにはいられない。あと松生さん好きです(突然の愛の告白)
個人的には中学3年生・三浦佳生くんの演技にここしばらく引っ張られていますね。サッカーだってなかなかあそこまで闘志露わにしてプレーする選手いないぞ。いいですね。実にいい。

ジャンプの高難度化が言われているし、男子も高難度構成で来る選手が国内外たくさんいるけれど、トウとサルコー2種類の4回転で300点出した羽生結弦って改めてすげえなあ、サッカーでいうと(なんでもサッカー変換脳)FWからMF、DF、GKすべてに穴がないチームみたいな選手だよなぁと、姿が見えないのに思い出してしまった。NHK杯だから仕方ないということにしてください。

(当時の公式のツイートを…と思ったら5年前だとテキストのみ速報が普通だったか…と思わぬ時の流れを感じる次第)


さて一方で、サッカーを見ていても思うことだけど、こうして自分は好きなサッカーやフィギュアを会場で見て楽しむことができるけれど、同じ時間に対策に追われて試合を見るどころではない友人がいることも知っている。医療やその周辺の現場を思うと「楽しんでいていいんだろうか」という気持ちが浮かばないわけではない。いや正直なところ結構な頻度で思う。

けれども「楽しんで話題にして出来る限りはお金を出す」ということを、できる人がやらないと今度はエンターテイメントが皆滅してしまいかねない。対策を十分にして経費をこれまで以上にかけて無理して開催しても、話題にもならずお金にもならずだったら続かなくなるのは簡単に想像できる。

それぞれの立場でやれることを、但しリスクを不用意に負うことなく
楽しい観戦生活を送るためになんぞ修行僧みたいなことになってるけど好きなものを守るためなら全然いいですよ修行で!

関係者のみなさま選手のみなさま現地のみなさまお茶の間のみなさまお疲れ様でした!来年どこであるのか分からぬままですが必ずやどこかで!

最後に貼っておきたい初号機刑事くん

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