nottestellata2024:運命に翻弄されるの巻
今年も行ってきましたnottestellata2024。今回もいつもと同じく遠征日記を書くつもりでしたが思わぬ事件が起きました。
そもそも朝JRが車両凍結(冬場よくある)の影響で周辺に運休や遅延が出ていて不穏な空気ではありました。それでも10分遅れくらいだったので、冬場は早め移動を心がける民としてはそのくらいの遅れはなんの問題もなかったのです。その移動の途中に「使用機到着遅れのため出発時刻が変更となります」という案内が来たわけですよ。11時10分→11時55分。
到着が遅れるので、現地で合流して車に乗せてもらう予定だった友に迷惑がかかるかもしれないから、先に行ってていいよと連絡を取る。シャトルバスは予約してないから乗れないけど去年JR乗って利府からバス乗って行ったからまあ大丈夫だろうと。
出発遅れで時間に余裕が出来たので朝ごはんゆっくり食べて、北海道ぎょれんの新千歳空港店限定というガチャに気を取られて、この時点ではなんの疑いもなく45分遅れで着くと思っていたわけですよ。天候の問題というわけでもなさそうだったので。
搭乗手続きをして搭乗口で待ってると、同好の士とみられる方々が散見されます。機内への案内は11時40分を予定していますというのでまあのんびり待ちます。その時間が近くなってきた頃、整備箇所が見つかったので対応しているため案内が遅れます というようなアナウンス。整備箇所。それでもすぐになんとかなるのだろうと思っていました。けれど搭乗案内の時間を過ぎても同じアナウンスで進捗がなく。これは11時55分発からまた更に遅れそうだなと。そして出発時刻を過ぎてのアナウンスで「使用機変更または欠航」という言葉が出てきました。
欠航。
当然ざわざわするわけですわ。
同好の士の方々(※全く面識はない)が集っていたので人見知りでない私はすぐに話に混ざり、この便が最悪欠航になっても13時5分の便に乗れれば間に合う、遅くなる場合はシャトルバス諦めて空港からみんなで(※全く面識はない)タクシー相乗りして行きましょう!となりました。絶対にたどり着くぞという執念です。
そして12時25分。正式に欠航決定。
一旦到着ロビーに出てカウンターで振り替え便の手続きをすることになります。「ふりだしにもどる」ってマジでこんな感じだな。
同好の士の中に明らかに手練の方がおり、迷わずまっすぐカウンターへ爆走されていったのでそれについていきます。そうしてめでたく40分後の便を確保することができました。二度目の保安検査場を通り搭乗ゲートを通ったのが出発10分前だったので、スタートダッシュに失敗したらこの便には乗れなかったし、そもそも預けた手荷物があった方々はそれを引き取ってからカウンターへ、だったので大変難しかったと思います…
この一連の、振り替え受付を待っているときに後ろに並んでいた方が「10何年ぶりの飛行機で、且つ初めて一人で乗る」という女性だったので色々と指南。聞けば目的地は一緒。道中話を更に伺うと「初めての遠征」で「初めての生羽生くん」。子どもたちも独立したから…ってそれでこんな土壇場欠航に合うというのはなんというかあまりにもハードモードにすぎる。年に数回飛行機遠征使う私でもこういう形での欠航は初だったので(羽田から飛んで新千歳濃霧で降りられず羽田に戻ったことはある 最終便で)、初遠征でこれというのは難易度が高すぎる。これで行けなくなっていたら心中慮ってもらい泣きするレベル。
ともあれなんとか乗り込んだ13時5分の便は順調に仙台空港に到着。タクシー乗りましょうと言ってた方々も前の席だったので機内モード解除から即「絶対にたどり着く」という一念で空港線の時刻表検索したりしていると、隣の席の方々に「頑張ってたどり着いて!」と応援されました。明日のショーを見る前乗り組の方々でした。羽生ファン同士の熱い絆すぎる一場面。羽生さん見てますか。
しかし仙台空港って到着から駅まで10分かからないのすごいっすね。14時28分の空港線には乗れないだろうなあと思ってましたが数分余裕を残して乗れましたよ。すごいぞ仙台空港、新千歳なら無理だ。
そうして仙台駅に到着し、道中色々話をしていた奥様と別れ、有難くも結局待っていてくれた友らと2時間遅れで合流、車移動で無事に会場入りし、着席出来たときの達成感ときたら…
ここまでしてたどり着いたショーは、まあ、「来れてよかった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!」という以外ないものでした。
去年は3月11日その日だったこともあるし、ショーとして初回だったこともあり、追悼に重きを置く印象がありましたし私自身そういう気持ちでした。それが2回めとなる今回は、ショーとしての背骨的なものは去年と大幅には変わらず、ただ悼むだけではない、命の逞しさを感じる場面の多いものになっていました。実際にそういう感覚で作られていたのだと終演後のインタビューを読み納得しました。
どのスケーターさんが出てきてもショーとしての理念的なものを外さない、どの方も表現の深い厚みのあるプログラムを披露してくれました。いやまじでみんな本当によかった。デカちゃんのHopeもすごく格好良かったし、ステイン・アライブはイケすぎだし、ジェイソンちゃんのAdiosも圧巻以外なかったし、さとこは俺達のさとこだったし。なので本当にあっというまに時間が過ぎていきました。
初日なのでどんな演出があるかもわからないので、入場時に渡されたLEDライトが星空のように光ったのには客席からも驚きの声が上がりました。あのときのような星空を客に見立てていたのだなと。
そして大地真央さんとの共演。ミュージカル的なものになるのかなと予想はしていましたが、演目がまさかのカルミナ・ブラーナですよ。スクリーンにその文字が浮かんだときはそれだけで変な声が出ました。大地真央さん演じる運命の女神の圧倒的迫力たるや。魔王だ、魔王がいる。歩いて出てくるだけでやばいと感じたのは中島みゆき様以来です(この方々同い年ですね)。
それを受けて演じる羽生さんは春の日だまりのような妖精さんのようで、それが途中からどんどん運命に翻弄されていく。というのが、台詞もなにもなくても振り付けと動きで全部伝わる。自分は入り口近くの本当に角地だったので、かえって全容を斜めから見ることができてあの演目を見るのにはある意味最適でした。
舞台は横方向に動きがあるけど、それにスケートが縦方向の動きをつけるので普通の舞台作品とは違った3D感というのか、思い出すと記憶が明らかに渦巻いてる。
わたくし学生の頃に演劇経験がある民なんですけども、そういう視点から見ても「演者が見ているこちらに物理的に迫ってくる感覚」はこれまで味わったことのないもので、試合のときの難しいジャンプが決まった時のような高揚感を得ました。選手時代は技術的な達成に沸いたけど、プロ時代は表現の新境地を生み出したことに沸くという感じですかね。いやまじで見たことないっすよあんなの。
かつてひとの命を悼んだ場所で、新たな表現が生まれる…といっていい、ですよね。ダニー・ボーイという新しい名プロも生まれましたね。悲しみだけではなく前を向く強さを感じました本当に。
しかし去年の内村くんとのコラボも凄いと思ったけど、今回の大地真央さんとのコラボもまた凄い。どんな業界の人でもトップはこれだけ凄いのだと見せつけられる気がしました。「チケット代2万か結構するな~→たったの2万でこんなものを見られるのですか!?」
友らとはショーが終わって駐車場で待ち合わせをしようと開演前に話していましたが、知能0.1ぐらいに落ち込んだ状態で暗闇で車を探すというのは無理な話でした。セキスイハイムスーパーアリーナの夜は暗い。
終演後は感想戦。「いや~~~すごかった~~」「すごい~~~」という語彙皆無でもわかり会えるのがリアルのいいところですよね。文字で書くと低能感のほうが強くなります。
お店の方に「県外からですか?」と聞かれたので「(ケンガイ…県外!そうか道外じゃないんだ!)北海道からです~」「こちらは大阪からで~」
「『ゆづ』ですね!」
よくおわかりで!!(とても美味しかったですありがとうございます)
平昌のPV遠征のときにも使ったR&Bで一休み。
あれからもう6年。6年経っても今も変わらない興奮を与えてもらっているよ有り難い…
朝ごはん食べてたら此処にもやはり同好の士が多数おられました。
今回は欠航問題があったから余計に面識のないファンの方とお話することが多かったです。単独で来られる方が多く、周囲にファンもいないしファンじゃない人に話をしてもウザがられるだけだし、ということでこうした会場でお話出来ることが楽しい と会場で隣の席になった方が話していました。
花屋さんの店頭に菊の花がたくさん並んでいました。その上には桜の枝。
悼み続ける、けれども次の花が開くのを待つ。次の花を育てもする。
そんなショーだったなあ。明日まだ一日残っているけど。
帰る前に今日の公演を見に行くフォロワーさんと初めてお会いしてお茶しながらスケート話に花を咲かせ。帰り道はなにひとつ遅延なく、なんなら飛行機予定より早く到着するぐらいで、行きと帰りが逆でよかったのに、運命はかくも理不尽。運命に翻弄されるのは舞台だけではなく遠征民もそうだったという意味のわからないコラボだった。
プレイリスト作りました(未完成) BS放送後に完成させまする…
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