見出し画像

ある日突然大腸ガンになってからの徒然日記vol.4


突然のガン告知から大学病院での1回目の手術、その後の抗がん剤治療、さらに自分のガンのまさかの特性。そして現実を突き付けられた会社の対応等、同じ様にガンで頑張ってる人や、同じ様に普段健康であまり自分の身体のメンテナンスをしない方へ少しでも励みや参考になって貰えればと思って素人の大腸ガンサバイバーが書いてます。
月1程度で今までの奮闘日記を残して行こうと思ってますのでよろしくお願いします


《ICU卒業~一般病棟へ》

手術が終わってICUへ移動してから3日間は痛みや経過観察等で安静の為ただ寝てるだけの生活。

まぁこの時はその寝てるだけすらもしんどくて、正直痛みが無くなって通常に戻るイメージすら湧かなかったです....

ですがこれは手術直ICUへ移動してきた直後に先生から言われた一言があったんです

【今日より明日、明日より明後日って感じで痛みは良くなるからね】って

手術が終わってICUへ移動してから4日目
まだ全然手術後の痛みは絶賛発動中だったし、未だに食事も未摂取...

相変わらず点滴のみの本調子には程遠い状態だったけど、ベッド上で自分で身体を動かしたりと着実に可動域も増えていて...

確かにまだしんどさや痛さはあるけど、日々少しづつ良くなってる実感があるんです

今日より明日。

『明日はもうちょっと痛みが和らぐだろから今日の我慢』

て思える様になって日々耐えられた気がします。
そんな事を思ってたらこの日の朝の先生による回診で

「だいぶ良いね、午後から上(一般病棟)行こうか」

って願ってもないお言葉を頂きました!!(笑)

けどまぁ一般病棟に行けたからと言ってすぐに歩き回ったり美味しい食事が搾れたりする訳では無いのであくまでも気分の問題なんですけどね(笑)

それでも術後の経過が良好って事の証明なので、やっとICUの圧迫感から開放される喜びは大きかった

先生の話では午後からって事だったけど、病棟の準備がスムーズに出来たみたいで11:00くらいには上からお迎えの看護師さんが降りてきてくれて移動の準備。

ICUのベッドから看護師さんが用意してくれたストレッチャー(台車の付いたタンカ)へ移動するんだけど、これがまた大変((汗))

ベッドからベッドへの寝た状態のまま移動するんだけど、しばらく寝たっきりだったもんで身体が思う様に動かない....

結局看護師さん4人位でシーツごと持ち上げられてストレッチャーに移されたけど、看護師さんて力仕事じゃん.....お手数かけました(泣)

ん?待てよ....ベッドから移動でこれよね?もしかして....


正解!!!


当然、上の一般病棟へ行ったら今度はストレッチャーからベッドへの移動が待ってました。

同じ様に4人がかりで同じように移されて、無事(?)病室の引っ越し終了です
お決まりのバイタルチェックされると看護師さんから

「お疲れ様でした。少し病室で休んでてくださいね。あと、先生から夕飯からご飯が出るって聞いてるんですが食べれそうですか?」

『大丈夫だと思います』

「ご飯て言ってもお腹手術してるんでお水のような《おもゆ》で美味しいご飯ではないですけど。笑」

って言い残してステーションへ戻って行くと、カーテンを締め切った病室のベッドはICUと違って機械音も無く凄く静か笑

なんか久々に窓の外見ながらすごくゆっくりとした時間を過ごしてる気がして手術した事がだいぶ過去の事に感じました。

それから点滴の入れ替え等で看護師さんが部屋に来る事はあったけど、特になにか大きな動きがある訳でもなく17:00を回った頃に外科の先生達が回診に来てくれました。

「〇〇さん具合はどうですか?」
「痛くない?少し動いてみたりした?」

『具合は良いのか悪いのか良くわからないです笑』
『まだベッドから降りてもいないので動いてないです笑』

「まぁ今日はこのままゆっくり休んで明日からリハビリ入れますから少しづつ動いてみて」

「この後夕飯出るけど、お水みたいなご飯だから美味しくないけど食べてみてお腹が張ったり痛みが出たらすぐに言ってください」

「それと痛み止めは遠慮無く言ってもらって良いですからね。痛みが出るようならどんどん使ってもらってください」

「また明日の朝に回診で来ますんで休んでくださいね」

『ありがとうございました』

こんな会話して先生達は次の患者さんの所へ向かい、自分はやる事無いので少し寝ちゃった記憶があります

                  ・
                  ・
                  ・
                  ・
                  ・
                  ・

「〇〇さーん、夜ご飯来ますよー」

そんな声で目が覚めると、廊下の方がガチャガチャと賑やかな音がしていて部屋の廊下側の患者さんから夕飯が運ばれているのがカーテン越しにもわかりました。

すると自分のカーテンもサッと開き、

「〇〇さん夜ご飯です。確認のためにお名前よろしいですか?」

『〇〇です』

「はい、こちらのテーブルの上に置いておきますね」

起きれないし、置かれてもどーすりゃ良いのかって思ってたら、すぐに看護師さんが来てくれて

「〇〇さんまだ食べれないでしょ?今お食事介助しに来ますからちょっと待っててね」

それから間もなく看護師さんがスプーンを口に運んでくれた物をいただく感じで無事に術後初のお食事は終了。

しかしご飯からおかずまで全てスプーンでススれるくらい液状化の夕飯は、ご飯としてみたら全然美味しくない笑

食事が終わるとあとはもう消灯の時間を待つばかりなだけ笑
食後に腹痛も起きる事無く、ICUからの引っ越し1日目は無事に終わりました。

《ストマでの初排便経験とリハビリ開始》

一般病棟へ引っ越してから初めての朝。

お腹になんとなく違和感があって、違和感を感じる部分を触ってみるとなんと人工肛門に付いてるストマ装具がパンパン!!!

昨夜、手術後初めて経口食を摂りお腹が動いたせいで排便があったのは理解できるけど、思えば手術をしてから便意を催してトイレに行くって事が無くなったから全然気にしてなかった....

『これってどーすんだろう,,,』

って不安が頭をよぎりました,
ちょうどそんな事を思ってたら朝のバイタルチェックに看護婦さん登場。

『あの...(装具を指差して)これなんかパンパンなんですけど...』

「あら、ストマ排出しますね。初めてかな?」

『意識がある状態では今回が排便初めてです』

「そっかそっか。そしたらすぐ戻るんでお熱と測っといてください」

一旦看護師さんが席を離れて、トイレットペーパーをひと巻とプラスチック製のちょっと大きい計量カップみたいなのを持って戻ってくると

「そのまま上を向いて寝ててくださいね」

って言いながら装具を手際よく開放してギューっと絞るように計量カップへ中身を出している(文章の表現ではこれが精一杯です)のを見て

『今後ずーっとこうやってう〇ちするのか...』

って正直改めて衝撃というかショックというか.....

「はい、終わりました。装具が明日交換予定になってるので、今後自分で交換が出来るように看護師と一緒に交換覚えましょうね」

『そんな簡単に出来るものなんですか??』

「退院したら自分でやっていかなきゃならないでしょ?だから看護師と一緒に実際やってみて覚えて出来るようにしないとね」

「でも年配の人だって覚えて自宅では自分で出来てるんだから大丈夫よ」

『が、頑張ります...』

「それと今日の午前中からリハビリの来ますんで頑張ってくださいね」

そう言うと汚物が入った計量カップを持って看護師さんは病室を出ていきました。

お仕事とはいえ排便処理をしてくれている看護師さんを見て、本当にありがたく申し訳ない気持ちになりました。

世の看護師さん達今この瞬間もご苦労様です

その後、朝の回診で先生方が来て

「おはようございます。看護師から聞いたけど朝排便あったんだって?どうでした?お腹痛くなったりしなかった?」

『大丈夫です。なんか袋から排便してもらうのが気が引けましたけど...』

「気にしないで看護師の仕事ですから笑。今日からリハビリで動いてもらうので、動けば治りも早いし頑張ってくださいね。」

なんとなく会話してる時の先生の顔見て、とりあえずは順調っぽいんだろうなぁなんて察したりするのも入院時の患者あるあるだったり...

朝食が終わり、少し落ち着いた時間を過ごしていると 10:00頃にリハビリの先生が到着。

「理学療法士の加藤って言います。リハビリ担当しますんでよろしくお願いしますね」

若いお兄ちゃんぽい先生だった笑

実際リハビリとは言っても自分は腹腔鏡でのお腹の手術だったので、手術の傷がすごく痛むわけでも無かったからとりあえずベッドから立ち上がって病室の前の廊下をちょっと歩く歩行訓練。

毎日これを繰り返して退院までに運動量を増やしていきましょうって事なので今回の入院記事ではリハビリはこれ以降割愛します笑

一般病棟へ移ってきてリハビリも始まり少し自分の意思で歩くことはOKが出たので早速ロビーにて会社へ現状報告。

手術は無事に終わった事、詳細は伏せながらも人工肛門になった事、退院時期がどれくらいになりそうかを伝えると、まぁ普通にどんな会社でもどんな友人でも言う事だろうけど

「こっちは大丈夫だから焦らずにしっかりと体調戻して」って

(今から思えば別に優しさでも社員への愛情でも何でも無かった)暖かいお言葉を頂き、一層頑張ろうと思えました。

リハビリが始まって実際に身体を動かして歩行訓練が始まると、手術後は全く見えてこなかった日常生活への復帰が現実味を帯びてちょっと嬉しく感じるのと同時に、自分の場合、さらにストマ装具のケアを覚えないといけない焦りなんかも出て来て....

いずれにしろ、全ては1日も早く迷惑を掛けているであろう職場への復帰がモチベになってたのは事実

明日はいよいよ今後の人生の習慣となる、そして退院するためにも必需なそのストマ装具のケアを覚える為に、すごく緊張しながら色々な不安を抱えての就寝となりました....

いざ人工肛門を本当の意味で自分の物にする為に未知の領域へ....

                                                                                                    つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?