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文学フリマ東京38】 出店名: 佐々山電鉄 ブース: G-44 (第一展示場)

【佐々山電鉄応援団】群馬県榛名山を走る架空鉄道の佐々山電鉄株式会社(実在した東武鉄道伊香保軌道・廃止)は地方ローカル私鉄。御多分に漏れず赤字経営の為、群馬版上下分離方式を受ける為、赤字体質の支線である小湯線と自動車事業(路線バス)を経営合理化とバス運転士不足を理由に廃止し経営スリム化を行う。高校生応援団の佐々山電鉄応援団は「公共交通を守る公的支援を貰う為に小湯線廃止は本末転倒」と小湯線廃止に反対をしていた。交通政策に精通していたメンバーの鈴木優は高校生でありながら、師匠の交通経済学の教授の指導を受け小湯線の1年間廃止延長を沿線協議会に認めさせた当日に、応援団のリーダーである佐藤美佳と共に小湯線の脱線事故に巻き込まれ負傷してしまう。この事故は不正工事による人災であり、関東運輸局から業務改善命令(佐々山全線運行停止命令)が即日に下され、沿線は道路渋滞、代行バスの積み残し等で、観光、生活、学校へ登下校する生徒などで予想外の交通阻害が発生してしまう。
 そんな中、アメリカ軍事企業ドシキモ社の配下である天才高校生集団インスタントハッピーカンパニーがRRMS(Rail&Ride Mobility System)という自動運転のLRT(Light Rail Transit)とBRT(Bus Rabbid Transit)の実証実験をすると乗り出してきた。実は脱線事故のあった小湯線は第二次大戦より未返還のアメリカ領土があり、小湯山の山中には大陸間弾道ミサイルの無人監視所が存在していた。日本政府とアメリカ政府はドシキモ社が監視所の民営委託化を目論み佐々山電鉄小湯線に無差別テロを行った可能性を視野に調査を開始。結果、天才高校生集団インスタントハッピーカンパニーに対峙させるには日本政府も高校生を導入として佐々山電鉄応援団に白羽の矢を立てった。。交通政策とまちつくりを武器に、応援団は日本とアメリカ、世界平和を守る為に立ち上がる。


佐々山電鉄応援団第4巻。前回の文学フリマ東京にて、自分のブースに訪問してきた交通系コンサルの男性から表紙及び内容に数点疑問があると言われた件。
 確かに、交通政策とまちつくりをテーマにしているので、素人の趣味小説(ファンタジー)と割り切る人と、「ちゃんと書けよ」と怒る人も居るわけです。
 現実に、本当に佐々山電鉄が実在したら、脱線事故を起こして運行停止処分(事業改善命令)になる鉄道事業者に対して、簡単に国や群馬県、沿線自治体のみならず沿線住民や利用者、佐々山電鉄を利用しないマイカー主体の人達が簡単に賛同するのか?という部分からして曖昧に運転が再開されています。
 JRの赤字路線だけでなく大手私鉄各社ですら沿線人口減少と対策、群馬県で始まった法定協議会。佐々山電鉄も群馬県の私鉄という想定から「早急に地域課題に国や沿線行政及び有識者、沿線のステークホルダーと連携して佐々山電鉄の経営体制の速やかな組織改革を実行」という内容に変更します。ある大学の先生が「鉄道事業者に出来るの?」って提言は現実に正解。最後には優秀な人材と資本がある大手は既に対応している。意外なのは赤字で廃線の危機にあるような末端のローカル鉄道や第三セクターも逆に行政や有識者のテコ入れがあるから生き延びられる。でも佐々山電鉄みたいな大手傘下でも無い地方の中小私鉄。大手グループ本体から優秀な人材やノウハウを持った社員の知恵や意見が貰えない等と、なにより周囲が経営に口をださせないなど自助努力だけが企業存続の王道であり、交通政策は行政の仕事、訳の解らん新しい法律に協力する事すら在り得ないという中小私鉄の方が真っ先に危機に直面すると思います。数年後に確実に到来する沿線人口減少と学生減少による定期旅客減収、MaaSや観光DXに取り組めない現状、国の指針に関心を持たない、対策や経営方針を表明しない企業。現実に危機感が無いと銀行が判断し他場合、即座に経営状況に注意信号が灯る。今後、何かをする補助金申請も行政が窓口に変わる傾向にあるなか、相手が偽物と本物を見極める事から、佐々山電鉄は必死で鈴木優と雨宮京子を確保しようとする内容。そういう稚拙な小説と笑えないという内容ならコンサルもケチをつけて来ないと思います。それで勘弁して貰いましょう。
 現在の4巻ではそこが抜けている訳です。19日に間に合うか解りませんが修正版を作成したいと思います。
 国や地方自治体、沿線自治体、構成員の有識者からの助言、対応、制度面、予算、法律などを知らないと小説の一本も書けない。読者はガチな人が読んで貰っている事は有難いです。いい加減な嘘っぱちが書けない怖さもあります。
 佐々山電鉄応援団は大阪や地方の方も新刊が出ると購入に来てくれたり、「前から気になってコロナで不参加が続いた佐々山電鉄のブースが再開したので買いに来た」という購入者も居るので、地方私鉄の本当の経営危機とは何かが伝われば嬉しいです。

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