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だから私は続けている。
抱っこ紐なしで赤ちゃんを抱えたお母さんが病院の出入り口でスリッパを脱いで靴に履きかえていた。スリッパをもとの棚に戻すには屈まなければならない。そのスリッパを私は棚へもどす。
スーパーの自転車置き場で、カートに載せた大きなペットボトル飲料の箱を自身の自転車の後部荷台に持ち上げて載せようとされていた老婦人。小柄で私の腕より明らかに細いその腕で。私は彼女と箱を持つ。
スマホを見つめながら足早に歩く母親の手に繋がれた幼い子供。二人の間に会話はなく、その子は周りをキョロキョロしている。なんだか気になりその子と目が合った瞬間、少しの変顔とニコリ顔。彼女の顔から笑顔がこぼれる。
受験票を片手に走る親子。その受験票はさっき我が子を送った先のものと似ていた。もしかすると・・・
反対方向に進んでいた彼らに声を掛け、道を案内する。
コンビニの前でタクシーから降りてきた年配の車椅子の男性と女性。傾斜のあるコンビニへ入るには力が必要であり、自動ドアではなかった入口ドア。
親子で買い物をしていた私は、入口のドアを開けに走る。
発車間際にホームと電車の間に足を挟んだ男性。近くにいた人でその足を引き上げようとするが上がらない。発車のベルが鳴る。慌てて緊急停車ボタンを押した。男性の足を超える時間はないと思ったから。
誰かに褒められたい、というよりは、誰かが気になって仕方がない。
困っているのではないか、今手を差し出すべきなのではないか、
こうしてもらえると私なら嬉しいかも、
そんなことが常に頭によぎってしまう。
大きなお世話だよ、と思われるかもしれないし、
実際思われているのかもしれないけれど、
私は気になって仕方ない。
でも、行動を起こした後は、
必ず心のつっかえが取れたみたいに清々しい。
だから私は、小さい頃からこれを続けている。
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