赤シャツめちゃくちゃ面白かったよの話

いや、タイトルがすべてなんですけど、赤シャツ面白かった!!とても楽しかった。
自分の中で残った感情が、「自分の思うこと、自分の感想を大事にしたいな」だったので、久々のnote更新。あの、めちゃくちゃネタバレですので見たくない方はどうぞ回れ右。

物語の面白さ

色々あって、坊ちゃんを予習せず参戦だったので本当に0知識のままの観劇でした。予習ゼロでも一応キャラの関係とかはぼんやり把握していたので、物語に置いて行かれることはなかったよ。聡ちゃんが昔の話ことばに苦労したと言っていたので単語が理解できるか最初は不安だったけれど、問題なかった!序盤こそ、現代語でないし、物語が最初どう進んでいくのかがわからなくてついていかなきゃ!と思ってしまったけれどもう本当に序盤だけ。あとはすいすい物語が進んでいくのでその流れにのっていく感じだった。

前半はね、赤シャツ、もっと頑張れよ!そこはもっとこう、うまく立ち回れるでしょ!とか色々やきもきさせられる。そして思い出す、「ああ、そういえば八方美人なんだっけ」というキャラ設定。武右衛門にも、「もっと言ってやれ!」とか応援モードだった。だけど、後半はもう赤シャツに感情移入しすぎてつらい。武右衛門、もう言わないであげて…それは赤シャツの優しさだよ…と庇ってしまう。ラスト、「よしっ♪ここから少しは幸せのターンかな!」と思ったらまさかの最終シーンだったので呆然としちゃった。もっと見せて!幸せな赤シャツと小鈴さんを見せて見せて!ここで終わりはやだよー!となってしまい、最終的に坊ちゃん憎くなるまである。あと、ずっとマドンナは苦手。

あ、なんか全然物語の面白さ伝わってない気がする。

役者さんってすごい

当たり前なんだけれど、物語の中をみんな生きていた。わたし、元弓道部。袴での立ち回り、大変苦手。どれだけ袴で動くことが大変なのかを知っているので(裾踏んづけたりは日常茶飯事だし、座るときも皴にならないように気を遣う)それを、あんなに自然に…(感涙)聡ちゃん、本当にあの時代を生きる人だった。とても自然だった。着物で動くのなんて、その動作を日常のものにするだけでさぞかし大変だろうに…と、稽古の大変さなどに想いを馳せてちょっと泣く。それは聡ちゃんだけじゃなくて出演されていたみなさんそう。役者さんって本当に凄い。
あとね、着物だけじゃなくて所作が美しいの。襖を音を立てずにスッと閉めるとか。座布団をしまうときの手の動きとか。逆に襖は静かに閉めるんだけどドアは感情的になるあまり「バタン!」と閉めるシーンがあったのも対比があって良かったな~。怒りの感情がわかりやすかった。

あと、その、語彙力欠如なんだけれど照史君が本当にすごい。まず声質がいい、とてもよく通る声だし滑舌が良いから何しゃべってるか、2階席でもまったく問題なく聞こえた。確かに現代のしゃべり言葉とは違うはずなんだけど全然理解できるの。一言一言は確かに現代の言葉としては違和感のある単語なのかもしれないけれど、お芝居の中で感情とか、情景とかが乗ってくるとすべてを理解していなくても伝わってくるんだなと。ずるい人になりきれない、嫌な奴、だけじゃないとても説得力のある演技だったんだよ照史君本当に凄い。座長だった。もっと歴の長い役者さん方がいる中で、照史君が赤シャツが、座長だった。センターだった。

聡ちゃんも、武右衛門くんだったのよ…最初は可愛い弟だなぁくらいに思っていたのだけど、中盤くらいからお前もそっち側につくのか!敵か!?と(すぐ敵味方に分類しちゃう悪い癖)赤シャツ側になって見てしまったんだけどね。なんかやっぱり憎み切れていないんじゃないか、心の奥底ではきっと赤シャツのこと好きなんだろうな、とほんのり思わせるのは多分聡ちゃんが演じていたからだと思う。友達がたくさんいる描写もあったけどそれも説得力があった。

生で見ることの面白さ

これまでの人生で、多分両手で足りるくらいの回数しか舞台を見てこなかったんです。さらにストレートプレイの舞台は今回が初めて。3時間の舞台、最初は「長いかな、眠くなっちゃったりしないかな」って少し不安だったんだけどぜんっぜん!!ぜんっぜんそんなことなかった。やっぱり生で役者さんたちがやり取りしている空間は良い。自分がその場に立っている感覚にすらなるから不思議。なんだろう、モブとして立っている感覚というか。時には赤シャツに感情移入して苦しくなったり、時には小鈴さんに自分を置き換えてみたり。堀田先生が校長室で赤シャツに対してまくし立てるシーンは本当に迫力がすごかった。堀田先生、ずっとあの調子のしゃべり方だから喉大丈夫なのかな…あんなん1日2公演もやってて大丈夫??と心配になってしまうほど。役者さんの熱が伝わってくるから生の舞台が良いっていうのを実感できた。初めてのストレートプレイの舞台が赤シャツでよかったな。
あと、オケが良かった!!生!!音楽の良さ!!オケがいると知らなかったので嬉しかった。やっぱり、音楽もその場で、生で聞けるのは嬉しい。舞台を盛り立てる要因であることを改めて実感した。

さいごに。

2階席の上手だったから、役者さんの細かい表情まで読み取るのは少し難しかったかも。でも、舞台の端から端まで使う演出だったから、全体が広く見渡せたのはとてもよかった。襖の向こうからこっそり聞いてる、という演出が何回かあったんだけど、2回だからこそ俯瞰で見渡せてよかった。今回はこれで終わりだけれど、もしもう一度見ることがあったら、ラストシーンは照史くんの表情をよく見たいので双眼鏡を持っていくかもしれない。でもなくても全然問題なかった!よく見えたし困ることはなかったかな。

カーテンコール、良すぎて拍手止められなくて最終的にスタンディングオベーションだった。いやそうだよ、めちゃくちゃ良かったもん!照史君何度も出てきてくれた。いっちばん最後のあいさつの時、襖の隙間から覗いてくれたりちょっとチョケてくれたのが「照史くん!」でよかったな~ファンサもらった感覚でした。

最後、頼むから携帯の電源は切ってくれな!!

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