『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章』を観た

今回は先日公開されたプリンセス・プリンシパルの第3章が面白かったのでその話です。なんとなくあからさまにネタバレを書くのも嫌なので、ふわっとした感想と作品紹介みたいなものです。

プリンセス・プリンシパル

2017年7月からTVシリーズが放送開始。架空のロンドンを舞台に、女子高生のスパイが繰り広げる情報戦やスパイアクションを描く作品。2016年の4月から放送していた『ジョーカー・ゲーム』というスパイアニメが面白かったため期待して見始めました。当然毛色は全然違うけど、スパイものらしい緊張感のあるミッションと勢いのあるアクションの見栄えが良く、またキャラクター同士の人間関係の面白さに引き込まれていきました。
TVシリーズの放送では全体の時系列と話数が入れ替わっている部分がありました。サブタイトルに表記されるcase○○が時系列に対応しており、case1~case24のうち12話で構成されています。終盤3話以外基本的には1話完結なので、放送順に観ても時系列順に観てもあまり問題はないと思います。特に第1話に来ているcase13は前後の話との繋がりもあまりないので、世界観への導入にはちょうどいいのかもしれないです。それ以外はキャラの登場回が前後していたり、観ている側が初めて見るキャラへの反応が謎だったりで分かりにくくなる部分は気になるかも。
(ちなみにこの頃放送していたアニメで他に観ていたのは、『NEW GAME!!』(2期)、『アホガール』、『異世界はスマートフォンとともに。』、『徒然チルドレン』、『天使の3P!』、『ノラと皇女と野良猫ハート』、『魔法陣グルグル』など。日常・ギャグ系以外なら『プリンセス・プリンシパル』が一番好きです。)

TVシリーズ

共和革命で分裂したアルビオン王国とアルビオン共和国が舞台となっています。壁で分断された首都がロンドンというあたり、地図的にはイギリス*あたりがモデルの模様。19世紀末という時代設定でスパイが暗躍する影の戦争が起こっています。主人公は共和国側のスパイであるアンジェたち(チーム白鳩)で、王国側の学校に潜入し諜報活動をおこなっています。また、王位継承権第4位であるプリンセス・シャーロットが女王になるという目的のため、チーム白鳩の一員となります。
この作品に特徴的なアイテムとしてケイバーライトという物質が登場します。重力を遮断することができるらしく、巨大な戦艦を飛ばしたり、小型化したCボールと呼ばれる道具を使い空を飛んだりしています。Cボールを使った空中浮遊アクションは見どころの一つ。またこのケイバーライトの技術開発競争も、両国の争いにおいて重要な要素となっています。
チーム白鳩の任務は盗まれた物の奪還や王国で開発されたケイバーライト技術の奪取など。基本的には諜報と現状維持が目的と言えると思います。続編のCrown Handlerシリーズを観始めてから、そういえば最終目標である女王になるのかどうかは全然描かれてなかったなあと思いました。TVシリーズを観終わったときは気にしてなかったけど。

*グレートブリテン及び北アイルランド連合王国のこと

Crown Handler 第1章 第2章

2018年4月に、全6章の続編を劇場公開することが発表されました。当初は2019年から公開予定だったようですが、色々な事情で第1章は2021年2月に公開、第2章は同年9月に公開されていました。続編の情報を見た際にこれは観たいと思っていたのですが、タイミングを逃してしまい1章と2章は観られていませんでした。そして第2章の公開から約1年半経過した2023年4月現在、第3章が公開されています。せっかくなら劇場で観たいと思っていたので、3章公開前に1章と2章を観ました。
第1章は、王室に仕えている共和国側のスパイ・ビショップに二重スパイ疑惑がかかり、チーム白鳩が真相を探るというストーリー。ベテランスパイとの駆け引きとアクションでチーム白鳩の活躍が描かれています。これまでの王国・共和国とも異なる勢力の存在が示唆されるなど2章以降に繋がる情報が提示されるものの、話としてはあまり大きく動かなかった感じで物足りない印象でした。
第2章からはアルビオン王国の王子・王女が初登場し、王位継承権についてスポットが当たり始めます。冒頭で派手に登場する、継承権第3位の王子リチャードがあからさまに怪しいです。一方でチーム白鳩の任務は、共和国から盗まれ王国へ運び込まれたケイバーライト爆弾の奪還。爆弾の行方、王室内の不穏な空気と1章からの伏線が繋がり、物語の全貌が見えてきます。
他の王子や王女の存在はこれまで全く出てこなかったけど、考えてみれば一番重要な部分でした。なので第2章からの展開が非常に面白くて好きです。

Crown Handler 第3章

これまでがアクションとチーム白鳩の活躍中心だったのに対して、第3章は王室内のドラマが中心になりました。絵面の派手さでは劣るものの、王位を巡る混沌とした展開に目を離せません。
見どころとしてはなんといってもメアリー王女。幼いながら王位継承争いの矢面に立たされてしまいます。重圧に耐えられず疲弊していく姿が可哀そうで、胸が苦しくなりました。
前半でメアリーに同情を誘う展開からチーム白鳩が動き始めます。ここではメアリーと自身のことで揺れるプリンセスが決断を迫られるシーンが印象的でした。主人公サイドとしてはかなり余裕が無く、気が気でない展開が続きます。
プロモーションでは"チーム白鳩に迫る最大の危機"と決まり文句のように言われていますが、それに違わぬ衝撃的な展開で第3章は幕を閉じます。今回はストーリーが大きく動き、予想を超えた展開でめちゃくちゃ面白かったです。「ここで終わるのか…」って感じで、あまりにも続きが気になるラストだったので第4章にも期待しています。監督のコメントによると、どうやらあまり長く待たなくてよさそうなので良かったです。

以上です。

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