2024/9/2 がんばれ

このnoteは気持ちが一段落ついたり、なんとなく書きたいな、と思ったときに、書いたり書かなかったりします。
子の状況を心配、応援してくださっている方で、最新情報を知りたい方には妻が運営するInstagramアカウントのスト―リーにて状況を適宜共有させていただいております。

↑これの続き。

暗いnoteから続きがないのが嫌なので、続きを書く。

前回から1週間。
我が子は、本当に頑張っている。

この1週間は、一番の懸念であるCO2濃度について、ときに70~90%の値となるも、概ね50%台でなんとか踏みとどまる(正常値は40-50%)。
もう少し安定が見えれば翌週に気管切開に踏み込めるかもしれない、という所まで来ていた。

8/31 7:53

主治医から着信。
「昨日夜から状態がやや悪い。CO2濃度が高止まりしている。現状病院への急行は不要だが、一気に悪くなるかもしれない」とのこと。

その後は幸い連絡なく、通常通りの時間に面会を実施。見た目はそんなに変わらないが呼吸器の圧が高い。いつも通り、「大丈夫だよ」と伝えたり、歌ったり。

8/31 18:10

いつも通りホテルで落ち着かない時間を過ごしていると先生から再び電話。
開口一番「かなり厳しい状況なので来てほしい」と伝えられる。

全力疾走で走り込んだICUで「CO2濃度が150%となり、ほぼ制御できない。心拍も不安定な状態で、経験的には亡くなる直前の挙動。ここまでよく頑張ったと思います。」と宣告を受ける。

心停止まで陥った場合は本当に心肺蘇生を行うか? 復活の可能性も低く、骨折の可能性も高いが、実施の意向に変わりはないか? と確認を受けるが「諦めて終わりたくない」と心肺蘇生を望むことを伝える。

1時間の面会制限も撤廃され、いつまででも居ても良いとのこと。

「ここまでか」とか「もう終わりだ」なんて言葉は意外と思い浮かびもせず、手を握り、いつも通り声を掛ける。「CO2濃度って100%超えるのかあ どんな定義式なんだろう」とか、余裕のあることも考えたりする。

いつもと違うのは何を言おうとしても涙が出てしまうくらい。

「もしも」の時に、我が子にかける言葉を決めているのだが、迷って言うのをやめた。「生きてるうちに、声が届くうちに伝えたい」と「言葉にしたら現実になる気がする」がかちあって、後者を取った。

北海道の実家(我々がいるところは大阪)にも、緊急度がかなり高い旨を連絡した。

数分目を話している間に、当日の飛行機に飛び乗ろうとしているらしく、家族ラインの通知が踊っていた(結局空港まで車を飛ばしたものの、すんでの所で間に合わなかったらしく、翌朝の飛行機でこちらに向かうことに。強がって「◯◯(子の名前)は明日まで待てるよねー」なんて話かけたりしていた)。

そのまま徹夜するつもり満々で、コーヒーをがぶ飲みしたところで「駆けつけてもらった後は容体が安定しているので、22時のICU消灯時間で一旦ホテルに帰って休みましょう」と主治医から提案。翌朝状況を伝えて貰う約束をして、我が子に「また明日」を伝えてICUを去る。

深夜の電話に怯えながら、カフェインチャージした直後に眠れるわけないだろ、と思いながら、寝よう寝ようと念じる。2時間くらいベッドで寝返りを打ち続け、先に寝たと思った妻がすすり泣いていたから「◯◯は元気になるよ」と自分に言い聞かせるような言ったりしているうちに、なんとか気絶できた。

9/1 9:19 

7時ごろ目覚めた後、電話は来ていなかった。
9時過ぎに先生から着信があり「CO2濃度が100%まで低下。依然として状況は極めて厳しいが、酸性に傾いていた身体も、昨日の夜からやや持ち直してきている」とのこと。

午前中に実家から両親が到着し、一緒に面会。

親が孫や我々を心配して暗くなっているのが一番しんどいな、と思っていたから、前向きな言葉を絞り出そうとする姿勢に少し救われた。宗教家はやっぱりこういうところが強い。

やや状態が良くなっていることも有り、翌日から面会も通常通りの1時間制限に戻す方向になった。
この状況だと「1時間しか会えない状態に戻ったこと」がポジティブな材料になってしまう。

午後になると、ほぼ完徹で駆けつけた両親がベッドサイドで眠気に必死に耐えていたので「明日も会えるよ」と先にホテルに帰ってもらった後、次のCO2濃度測定まで、子と我々夫婦で過ごす。

なんとなく、前回大きく悪化する直前と同じ雰囲気を感じていたから、結果を見届けたかった。

看護師さんが採血した血を何処かに持っていき、1,2分で戻って来る。結果は120-130%。夫婦で「やっぱり」と目を見合わせる。翌朝に再度状況を連絡してもらうことを看護師さんと約束(※)してから、「また明日、いつもの時間に」と子と別れる。

※翌朝の連絡を約束してもらうことで、朝に電話が鳴っても「定例連絡かもしれない」という気持ちが生まれ、心臓の痛みがちょっと軽減されるのだ。同じような状況にある人へのおすすめライフハック。

ホテルに帰った後は、呼び出されたらどうしようと思って、しばらく風呂に入っていなかったから、急いでシャワーを浴びて、24時間テレビをなんとなく流して、時間が過ぎるのを待つ。 

夏の風物詩のように放映の度にネットで叩かれて、自分もなんとなく言語化しないままに反感を持っていたが「結局この番組が無ければ発生していなかった寄付という行為が数億円分発生しているのだから、その金額分だけどうしたって正義の番組だよな」と思い直しながら、やす子のゴールと、日ハムのサヨナラ負けを見届ける。柳川がついに打たれた(正確に言うと池田が柳川のランナーを返したのだけれど)。

携帯を枕元に置いて、飛び出せる服装であることを確認してベッドに入る。この数日は、深夜呼び出しがある前提で眠るようになっている。

9/2 7:57

あまり寝付けず、起きはしたもののまどろんでいると、着信があり瞬間的に覚醒する。

「昨日から更に持ち直して90%までCO2濃度が下がってきている」とのこと。
期待したらまたしんどくなるから、心のなかで少しだけガッツポーズの初動の部分だけを行う。

Youtubemusicをランダム再生させていたら平井堅の「ノンフィクション」が流れて、慌てて止める。入院前からたまに聞いている好きな曲だったが、ここまで追い詰められると無理だ。この歌詞は聞けない。明るい曲を探してかけなおす。

今日の面会では、最新のCO2濃度が110%。
仕事の都合で来られていなかった義父も面会に来ることができた。

CO2濃度が150%(土曜夕)→100%(日曜朝)→130%(日曜夕)→90%(月曜朝)→110%(月曜夕)ときているから、なんとなく、朝が低くなって日中しんどくなるのかな。けど、徐々に下がってきている。

これが50%台で安定してくれれば、他の数値との兼ね合いもあるが気管切開に進める。
改めて主治医からは「医学でやれることは手を尽くしているから、後は本人の生命力にかけて回復することを期待しましょう」との言葉。

無事親族にも会えた。直接応援ももらった。
後は回復するだけ。
僕たちにできることは、本人の生命力を信じて、祈るのみ。
がんばれ、がんばれ、がんばれ。

↓続き。


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