日ごろの看男たち 第15回「先行さんの紹介:その眩しさに胸を焦がして」

登場人物
・看男(かんお):のほほん総合病院の3M病棟に勤務する8年目の中堅男性看護師。

・後追(のちおい)くん:のほほん総合病院の3M病棟に勤務する2年目の男性看護師。看男の後輩。

・先行(さきゆき)さん:のほほん総合病院の3M病棟に勤務する11年目の中堅男性看護師。看男の先輩。

・那須(なす)さん:総合病院の3M病棟に勤務する5年目の看護師。女性。後追くんより先輩で看男より後輩。


那須さん「それでは男性看護師3人衆のトリ、先行さんでーす!」

先行さん「はいよー、先行(さきゆき)です。宜しくお願いします」

那須さん「3M病棟勤務の男性看護師さんで、看護師歴は11年目。そろそろベテランと呼ばれることもあったりなかったりする先輩看護師です!」

先行さん「わりといろんな病棟を渡り歩いてますからね」

那須さん「身長は高めですが(180cmくらい)猫背と穏やかな口調で威圧感も威厳も感じさせない30代後半! やや長めの黒髪と目の下のクマがトレードマーク!」

先行さん「よく患者さんから、私より顔色悪いけど大丈夫かって聞かれます」

那須さん「ビジュアルイメージは某ネット掲示板発祥のオカルトホラーの名作が片山愁先生により漫画化された『師匠シリーズ』のメインキャラクター『師匠』です!」

先行さん「どう考えても看護師向きのキャラじゃないけどね、師匠」

那須さん「さて、今では確かな医療知識と豊富な経験で悩める後輩たちをサポートする先行さんですが、看護師を目指した理由はどんなものなのでしょう?」

先行さん「いや僕、高校卒業してから数年間、なんにもやりたいことが見つからなくてね?」

那須さん「ふむふむ」

先行さん「それでまあ半分ヤケになって、外国で働きながら貧乏旅行をしてたんだけどさ」

那須さん「やりたいことがないワリにはアクティブですね」

先行さん「そんな中、とある国でたまたま出逢ったヒトが日本の看護師さんでね。そのヒトにずいぶんと影響を受けて、僕も看護師をやってみようかなって思ったんだ」

那須さん「おお、なかなか珍しい理由が飛び出してきましたね。なんだかロマンスの香りもしますけど、そのヒトって女性です? 恋人ですか?」

先行さん「あはは。女性だけど、そんなんじゃないよ。ただ憧れて、僕から近付いては振り回されていただけさ」

那須さん「またまた~。絶対なにかあったでしょ、ドキドキするド・ラ・マ!」

先行さん「内戦でボロボロになった廃墟みたいな病院に入院した現地の子どもが、銃撃の音が怖くて夜も眠れないってその彼女に相談した次の日、国防軍とレジスタンスの両方の司令所に彼女が白衣のまま怒鳴りこんで非戦闘地域を拡大させたのに着いていった時は、心底ドキドキしたけどね?」

那須さん「なにやってん」

先行さん「あのヒトに比べたら僕なんて看護師としてまだまださ」

那須さん「ナニを目標にしてるんですかあなたは」

※某国にて長く語り継がれることとなる「異国の白衣の天使、軍部にガチギレ説教事件」の後、現地大使館からの呼び出しを無視した彼女と先行さんはレジスタンスの協力で某国を出国。しばらく世直し看護旅をしていたとか、いないとか。

※※ちなみに『彼女』のキャラクターイメージは同じく『師匠シリーズ』の師匠の師匠である浦井加奈子さんです。

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