日ごろの看男たち 第5回「帰ろうか もう帰ろうよ」

登場人物
・看男(かんお):のほほん総合病院の3M病棟に勤務する8年目の中堅男性看護師

・先行(さきゆき)さん:のほほん総合病院の3M病棟に勤務する11年目の中堅男性看護師。看男の先輩


看男と先行さんが夜勤で一緒の日
夜勤前の会話

先行さん「看男くん、お疲れさま。今日は夜勤よろしくね」

看男「お疲れさまです。はい、よろしくお願いします」

先行さん「さてさて、日勤の仕事の残り具合はどんなもんかな~」

看男「……全麻(全身麻酔)のオペ(手術)の戻りが1件、腰麻(腰椎麻酔)のオペの戻りが1件ですね」

先行さん「……わぁ」

※2人が勤務する のほほん総合病院では、術後経過に大きな問題が予想されない場合は、手術室から直接一般病棟に患者さんが帰ってくるぞ!
もちろん術直後は患者さんに付きっきり!
他の業務なんてとても手がまわらないゾ!

看男「あと夕食後に◯◯先生から△△さんのご家族に病状説明。長くなりそうなやつです」

先行さん「……へぇ」

看男「あとHCUから転科してきた患者さん、だいぶ不穏みたいですね。ほら、いま叫んでます」

※不穏:この場合は患者さんに落ち着きがなく興奮していたり、普段よりも動きが活発になっている状態のこと。身体機能が伴わない不安定な状態での過活動性は、ライン類の抜去破損や転倒など危険な医療事故にも繋がりやすいので注意が必要になるゾ!


先行さん「……おぅ」

看男「ベッドも入院予定のない空床が1つあります」

※夜間に空床のベッドがある=夜勤中に突然緊急の入院患者さんを依頼される可能性がある

先行さん「……」
看男「……」

先行さん「……もう帰ろうか」

看男「……帰りますか」

注:帰れませんでした

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