見出し画像

新型コロナウイルス罹患の記録 (中編)


朝、病院の診察開始の時間に受付へ。
「どうされました?」
食欲減退、息切れ、倦怠感。そのワードを口にした途端、
「一度、外に出てインターホンの前で待ってもらえますか?看護師がインターホンから呼びかけますので」
と言われる。まぁ、コロナとかでセンシティブな対応になっているのだろうか。
寒いが、とりあえず外で待つ。
10分くらい待ってもインターホンから連絡がなく、寒さに痺れを切らしこちらからインターホンを鳴らす。
「ずっと待ってるんですけど…」
「あ、すみません。とりあえず、まずはCT検査をさせていただく事になります」

へ?CT検査?このあたりで、ただならぬ雰囲気を感じ始める。
「わ…わかりました」
すると、裏口から、全身防護された看護師さんが迎えに来る。
促されて裏口から入ると、すぐにCT検査室
横たわって映像を撮ってもらうと、すぐに外に出される。
「ここでしばらくお待ちください」
プレハブ小屋に案内される。換気のため、ドアは開けっぱなし。寒い。

10分ほどすると、看護師が現れる。
コロナの疑いありと、医師が言ってます。ちょっと、検査させてください」
ここで、初めて自分がコロナの疑いありと悟る。
鼻の奥に綿棒を突っ込まれ、それを何かの薬品に漬ける。
これはPCR検査ではなく、抗体検査というものらしい。
15分ほどで結果が分かる。
陰性と出ています」
陰性。良かった。まさかね。コロナの疑いと言うから、ビビったやん!
とりあえず、この体調不良を見てもらえるかな。
「まもなく、医師が来ます」
え?このプレハブに?中で診療してくれないの?

医師が入ってくる。完全防護服状態の医師が、ビニールカーテン越しに告げる。
「CTの写真を見る限り、新型コロナの可能性が高いです。別の病院を紹介するので、そこでPCR検査を受けてください」
ええええーーー!!!???
全く予期していなかった展開に動揺しながらも、車で15分の別の病院へ。そこの発熱外来へ行くように、との指示だった。
またも、インターホン越しに対応。
「予約してますか?」
「いえ、予約はないですが、紹介状があります」
「予約がないと検査は受けられません
仕方なく、翌日の朝の検査を予約。その日は帰宅。
流石にコロナの疑いがかかってしまった以上、夜のライブ出演はお休みさせていただく。その日の晩も、何も食べられず。体調は昨日よりも悪化。苦しい。

翌朝。PCR検査を受けに、病院へ。やはりインターホンを押し、外のパイプ椅子で待たされる。しかし、それを予測してかなりの厚着をして行った。何とか寒さを凌いでいると、病院の別入り口から中へ通される。
コロナ専用診察室と思しき部屋。そこで医師の診察を受ける。昨日の病院のCT写真も渡っており、医師がそれを見る。
「ほぼコロナで間違いないです。コロナの特長的な肺炎を起こしてます。今から PCR検査して、夕方には保健所から電話がかかってきます。もしかしたら入院になるかも。それはその時に伝えます。」
目の前が真っ暗になる。昨日はちょっと体調悪くて点滴でも打ってもらおう、くらいの気持ちだったのに、入院するかどうかの話になってる!!
綿棒を二回鼻奥に突っ込まれ、検査終了。薬が出される。もちろん、調剤薬局に行かずに薬剤師が直接薬を持ってくる。葛根湯も含まれている。コロナに葛根湯!?
医師曰く「コロナも風邪の一種なので、とりあえず漢方で風邪症状を抑える意味で出しておきます」との事。

PCR検査結果はまだだが、完全に医師も陽性前提のコロナ扱いしてくるし、僕はもうコロナなんだろう。
そうなると、仕事で多方面に迷惑をかける事になる。一刻も早く SNSで公表はしておきたい。けど、結果通知が来るまでは公表できないな。
色々なことが頭を駆け巡りつつ、家路につく。

後編に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?