フルタイムマニュアルとはなんぞや

最近のカメラは瞳AFやらサーボ追尾なんかの性能がアップして、フルタイムマニュアルって何、そんなの使うの?、な機能の一つだと思います。

最近のレンズの多くはフォーカスリングが昔と違って手前に位置し、幅が狭く軽い動きになっています。

昔のレンズは筒先寄りにフォーカスリングが有り、そのゴムリングは幅広で大きくレンズの場所を占めていました。

今時のカメラを買う人のほとんどは性能が高くなったズームレンズをセットで購入する事が多いと思います。昔のズームはその利便性には憧れましたが画質や重さの点で敬遠される事が多いものでした。

現在でも単焦点レンズなどと言うものがラインアップされているのは、最高性能を実現し、なおかつ小型軽量化するとそうなるからです。

言い換えれば、最高性能と小型軽量化を両立させる場合、どこまで行ってもやはりズームより単焦点となるわけです。

ズームレンズにはズームリングとフォーカスリングを配置しなければなりません。素晴らしく性能が上がったオートフォーカスにより、フォーカスリングの重要性は低くなりました。多くの使用者は触ったことが無いと言う人もいるでしょう。画角をズームリングで調整する重要性のほうが高まった結果、一番操作し易い位置をズームリングが占めるのは自然の流れと言うものです。

カメラを構えた時に最も安定的に手がレンズを支える位置にフォーカスリングがあったのです。今でも最上位クラスの単焦点望遠レンズではこのオートフォーカスの時代でもそうなっています。当たり前です、ズームリングが無いのですから。

オートフォーカスの現代、もしこのフォーカスリングが昔のような位置にあった場合どうなるでしょう。せっかく高性能なオートフォーカスが合わせたピントを不用意にフォーカスリングを触って動かしてしまうリスクが生じるのです。昔のフォーカスリングはヘリコイドをグリースを使用して不用意に動かない重さにしていましたが、今は機械精度を感じない、小さく軽い安っぽい動きをするものが増えました。軽いので少し触れると動いてしまいます。ガタがあるようなものもあります。使用する機会が少ないので手が行く場所でなく、持つと不安定になる手前に配置される事が多くなりました。

そこでタイトルのフルタイムマニュアルです。触れにくい位置に持ってきた最近のレンズのフォーカスリングですが、それでも不用意に触れてしまうとピントがずれてしまいます。ですからそうならないように触れてもフォーカスが動かない仕組みにしたと考える事ができます。一般的にはそうした考えをする人は少ないでしょう。どこを調べてもそうした説明は無いと思います。でもオートフォーカス中にいつでもマニュアルフォーカスを可能にする機能と考えた場合、あの位置のフォーカスリングをどうやって慎重に正確に回すの?と疑問に思ってしまいます。

だからこの機能を利用しない限りは、不用意にフォーカスリングを動かしてしまってもオートフォーカスをずらしてしまわない為の機能と、僕は考える事にしました。

重くもなく軽くもない、程良く粘るヘリコイドの単焦点レンズが好きです。

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