痒みとアレルギー

以前「悩み」について書いた事がある。
人間の機能については無駄な事は無いと考察したが、
それならこの「痒み」はどうだろう。

ヒトは違和感を感じた部分を触る。痛みを感じれば撫でるし、痒みを感じれば掻く。アリが皮膚を這った時に触れば虫に噛まれたりすることを防ぐし、血行が悪い部位を擦ればそれを回復させたりする。

やはり意味があっての事。

それなら虫刺されの時の痒みを掻く事にも意味があるのだろうか。

結論から言うと意味がないどころか逆効果と言える。

そもそも虫刺されの時の痒みは、蚊などの昆虫が血液を吸う際に取り込みやすくする成分をヒトの体内に注入する事で生じるアレルギー反応。

アレルギー反応は多くの場合、人体の勘違い行為である事が多い。異物を放出する為の吹き出物、異物を放出するための咳、どれもアレルギーの典型的な反応であるが、それが勘違いによる無意味なものであることが知られている。

痒みがアレルギー反応ならば掻く行為は無意味と言う事になる。アトピーやアレルギー性のぜんそくの場合、反応に対する行為が改善に寄与しない。しないどころが事態の悪化を招く事は誰でも知っている。皮膚を掻いたり、咳をし過ぎると皮膚や気管支を傷付け細菌やウイルスの侵入を許してしまい、新たな疾病の原因を作る事になってしまう。

ただし、吸血昆虫は多くの場合唾液だけでなくウイルスや細菌を送り込む事があるので、皮膚を掻き壊しそれらを取り除こうとする行為だとしたら意味が無くも無いが、ウイルスや細菌をを掻くことで削除できるとも思えない。実際に放置したからと言って重大な伝染病に感染した経験は無い。

痒みも虫が送り込む唾液の成分に対するアレルギー反応だとしたら掻くことに意味はないどころか、治りが遅くなる、成分が拡散しかゆみが増すなど誰でも経験している事だろう。

僕がこれまで経験した、最も効果的な虫刺されに対する対処法は例によって薬などではない。傷にバンドエイド、虫刺されにムヒ、虫歯に研磨剤入り歯磨きペーストなどは悪質なデマと言っても良いほど。

傷も最も治りが早いのは真水で洗い流しで乾燥させるのが一番治りが早いと言う研究結果もあるが実際その通りだったし、虫刺されも同じく流水で30秒ほど冷やして、絶対に掻かなければ3日もすれば忘れている。

余計な薬剤で刺激を加えたりしても、害はあっても利は少ない。


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