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運命の無敗 鈴木千裕 vs 与座優貴

両選手の力量は非常に高く、戦った時点では殆ど差は無かった。
もう一度戦えば、僕には予想できない。どちらも勝つ可能性がある。
だからもう一度観てみたい。

最初の対戦では運が明暗を分けた。最終3ラウンド目で鈴木選手が放った顔面ヒザが見事に与座にヒットした。それまでの接戦にピリオドを打つきれいなダウンを奪った。これで鈴木選手の勝ちは決定した、かのように誰もが思った。終了まで、残り13秒までは。

その時、与座選手が放った胴回し回転蹴で鈴木選手が倒れた。すぐに立ったのでダウンは取られなかった。レフェリーは当たっていないと判断したのだろう。僕もそのように思っていた。しかし与座選手はダウンと思っていたのだろう、右手を上げてレフェリーを見た。しかしノーダウン。

判定は29-28、28-28、29-28だった。僕はオンタイムでは観ておらず、後に動画で観て判定に疑問を持っていなかった。しかし新生K-1に参戦してからの与座選手の素晴らしさに驚き、彼に勝利した鈴木選手への評価もさらに高まる事になった。

それで再度詳細に鈴木選手の強さを解剖しようとして動画を見てみて驚いた。胴回し回転蹴りはどうもヒットしているようなのだ。そうなるとあれはダウンだった事になる。すぐに立ったのでダウンは取られなかったが、取られていてもおかしくない。もしレフェリーがヒットした場面を見ていたならダウンを取ったはずだ。残念ながらヒットポイントの方にレフェリーの視線は無い。

そうなると最終ラウンドのポイントは8-8となるので、27-28、26-28、27-28で0-3のユナニマス判定で与座優貴選手の勝利となっていた。鈴木千裕選手は無敗の称号でRIZINに出場することは無かったし(これは誤りでした。キックではこの後の試合で西岡蓮太に敗北、総合ではRIZINまでに2敗していました)、与座優貴選手が新生K-1に参戦する事も無かっただろう。誰も悪くない、運命のいたずらとしか言いようがない。あの場合、レフェリーを責めるつもりもない。

ファンの皆さん、特にMMAしか観ないRIZINファンの方には与座優貴と言う、鈴木千裕にも負けない素晴らしい選手がいる、と言う事を知っていただければ幸いです。


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