悪魔に乗っ取られたババサマ

インフルエンザに罹患し、
タミフルなのか、高熱なのか分からないが、
ババサマは悪魔に乗っ取られたらしい。

悪魔に乗っ取られたババサマは、凄かった。

これは俗に言う、憑依ではないだろうか。

今思えば、最近のラノベで流行りの憑依ものだ。
当時80歳だが、最先端をいっている。

シワくちゃな顔をさらに歪め、
「クハハハハー、この体は、住みやすい」
だの
「コイツの身体はオレのものだー!」
など

まるでエクソシストの映画の一場面のようだった。

その場にいた私は、恐怖に慄いた。
と、とりあえず、ババサマの体力を回復しなくては!と思い、
当時愛用していた、栄養ドリンクをババサマに飲ませた。

するとババサマは

「この栄養ドリンクは、実にいい。オレの栄養になる」

と言い出した。

しまった!!
なんか悪魔を回復させちゃった!!
とすごく後悔した。

ふと、素に戻るババサマ。

「私の中に、悪魔がいるーー!!!」

と叫び、お腹を自分で殴りつける。

止めた私の手をババサマが自分の腹に当て、

「ホラ、ここにいるでしょ?」

と必死に伝えてくる。

鼓動を感じるには感じるが、
ものすごい形相で言われ続けると
ババサマの中に悪魔がいる。
そんな気もしてきちゃうのだ。

なんとかして宥めつかし、
疲れ切って寝たババサマを見届けた後、
私はぐったりして家路に着いたのだった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?