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機(はたもの)の蹋木(まねき)持ち行きて天の川打橋(うちはし)わたす君が来(こ)むため(10-2062) 機 蹋木持徃而 天<漢> 打橋度 公之来為 けさのまにえふ。「織機の踏み木を持っていって私は天の川に打橋を渡す。あなたを来させるために」 前回前々回に引き続き七夕。長いよ。 そして長くみんながうたっていくと、何が起こるかというと、ディテールが詳細になっていくんだね。尾ひれが付くというか。 こっちは織り姫に憑依した歌で、はた織り機の踏み木を持って天の川まで行きま
彦星と織女(たなばたつめ)と今夜(こよひ)逢ふ天(あま)の川門(かわと)に波立つなゆめ(10-2040) 牽牛 与織女 今夜相 天漢門尓 浪立勿謹 けさのまにえふ。「彦星と織女が今晩逢う天の川の渡し場に波よ立つな、けっして」 秋の雑歌。前回に引き続き、七夕の歌。そんなにいい話なのかなと思うが、大陸の恋物語でもあるから、おしゃれな感じがあったのかもしれぬ。万葉集で七夕は、130首以上あるらしい。 歌意はシンプルで、一年に一回、二人がやっと逢うんだから、渡し場の波は荒れ
夕星(ゆふつつ)も通ふ天道(あまぢ)を何時までか仰ぎて待たむ月人壮子(つきひとをとこ)(10-2010) 夕星毛 徃来天道 及何時鹿 仰而将待 月人壮 けさのまにえふ。「宵の明星も通う天上の道を仰ぎながら、いつまで時を待っているのか、月人壮子よ」 秋の雑歌。それ秋だ、とばかりに、七夕歌のラッシュですよ。紙、とか手紙、とかいうとヤギが出てくるように、秋、言うたら七夕、みたいな。大きいイベントだったのでしょう。 これもそうで、さあ金星も通っていったよ、つぎはあなたなの