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インターンを緩く募集(を締め切りました)&畠山研究室@都留の船出

こんにちは、理事の畠山です。2月3月と南スーダンやエチオピアに連続で出張で行ったり、4月に転職したりしていたら、忙しくて理事のゆるふわ日記のダイレクションを忘れてしまっていましたが、イトウネシアさんが代わりにダイレクションしてくれてありがたい限りです。ゆるふわ日記を活かして色々とご報告がありますが、まずはインターンを緩く募集している件です。

遠隔インターンを1名緩く募集している件(は締め切りました)

今年も遠隔インターンさんを1名募集しようと考えています。

業務内容

①SNSの管理(特にInstagram)。2日に1回ぐらいのペースでネパールから写真と投稿文(英語)が送られてくるので、それをそのまま翻訳したり、好みに応じて加工したりして、日本側のInstagramに投稿してもらう事を想定しています。何か独自に企画してくれたりしてもらえるとなお良いです。美的センスのないおっちゃんがマイクロマネージしてもしょうがないので、基本的には相談のうえ独自に進めてもらって、目指せフォロワー1000人!

②ブログ記事の執筆。何か興味のあるトピックを選んでブログ記事を執筆してもらいますが、そのブログ記事を修士課程に出願する際のStatement of Purposeの下敷きにしてもらえると大学院進学準備が捗るので、それを意識して作業を進めてもらいます(イメージとしてはこんな感じです→前編後編)。

③(関東在住であれば)何かしらイベントをやる事があれば、そのお手伝いをお願いすることがあるかもしれません。

④特に今の所何か思いつくものはありませんが、何かしらお手伝いをお願いしたい時に、お時間があれば、よろしくお願いしたいと思います

想定しているスケジュール(学部4年生の場合、3年生の場合はもっとゆったり行きます)

今年6月:ブログ記事で取り組みたい内容を決める

今年7月:取り組みたい内容に関するリテラチャーを集める、イメージとしてはこの論文がやっている感じ→論文

今年8月-11月:集めたリテラチャーをひたすらまとめる、イメージとしてはこの記事の感じ→記事。ここまで学んだ内容を基に推薦状を書くので頑張ってください

今年12月ー来年1月:リテラチャーをまとめたものをまとめて、大学院に出すSoPに活かす

来年春:記事を仕上げる

メリット

①留学に行った時の苦戦度を若干下げられる程度に英語力を高められます

②大学院の留学を考えている場合、志望動機(Statement of Purpose)を作成する準備が進められます

③国際教育協力に関する論文の読み方・まとめ方・リストの作り方を学べます

④留学の準備を進められます。これまでもインターン達を大学院留学に送り出してきましたが、1. Statement of Purposeの書き方を指導して、完成まで何度でもフィードバックします、2. 論文を読む中で気になった研究者のいる所や主要な大学院のコースなどをご自身で調べて頂いた上で、大学院選びに助言します、3. タスク④がしっかりできれば、Ph.D.を持ち国際機関での勤務経験もある理事が強い推薦状を書きます(正し、タスク④の出来が悪い場合、推薦状の中身はそれ相応になります)の支援をします。なので、高い費用を留学斡旋会社に支払わなくても、出願までしっかりサポートします

⑤学習ニーズに応じて、理事陣がサポートします(教育統計分析に必要な知識の習得、質的調査法について、因果推論について、など)

勤務条件

• 待遇:無給
• 勤務場所:リモート・ワーク(自宅等、ご都合の良い場所で作業を進めていただきます)
• 時期・期間:応募者の希望を踏まえて、作業時間・期間を決定します(志望動機に記載しておいて頂けると助かります)。テスト前で忙しいといった理由で数週間休んで頂いても大丈夫です
• 報告:隔週でサルタック理事とオンラインでミーティングを実施し、業務の進捗状況や今後の方針等を協議します

応募者に求める条件

• 将来、国際教育協力を仕事にしようという熱い意志を持つ方(サルタックの理事陣は、大学教員、国際機関(国連、世界銀行)職員、NGO職員、開発コンサルタント、公務員、シンクタンク研究者等として豊富な経験を有しています。これまで、インターン経験者は通常業務の傍ら、進路に関する様々なアドバイスを受けるほか、理事陣からの推薦状を持って英米の大学院へ進学したり、大学院進学後に理事陣と共同研究をしたりしています。サルタックでインターンを行う大きなメリットの一つは、理事陣の知識やネットワークを活用できることですので、積極的にそれらを活用しようという意思を持つ方を歓迎します)

• 途上国の実態を積極的に学ぼうという意志を持つ方(サルタックは、途上国に対して一方的に何かを教えるというスタンスではなく、途上国から積極的に学んでいくスタンスを大切にしています)

・ある程度の英語力(目安としては、4年生の場合、1年以内に英米の大学院に出願して語学テストで足切りにされないレベルに持っていける程度ー具体的には次の9月ぐらいまでに大学院留学出願の目安であるIELTS7.0またはTOEFL100点(TOEICだと850点程度)まで持っていける現状&努力が出来る程度を想定しています)

・InstagramなどのSNSを使ったことがある方。ないしは、InstagramなどのSNSのコツを学んで実践する意欲を持つ方

申し込み・問い合わせ先

info@sarthakshiksha.org 担当:畠山

申込みをされる方は、履歴書と志望動機を上記までお送りください。ネパールでの現地インターンも希望される方は、日本語の履歴書と志望動機の代わりに、英文履歴書と英文のカバーレター(もしカバーレターの書き方を知らなければ英文の志望動機で大丈夫です)を上記のメールアドレスにお送りください。

ちゃんと留学準備の面倒まで見る労力の関係で、1名しか採用できないので、決まり次第この記事のタイトルに「募集締め切り」の文言を入れておこうと思います。それまでは緩やかに募集を続けているので、興味を持っていただけた方は、些細な質問でも大丈夫ですので、遠慮なくご連絡ください。

畠山研究室が新装開店した件

現役を引退した理由

そういえば先日ダーマ神殿に行ってきたら、大学の先生に職業変更が起こりました、もうそんなレベルに達していたんですね。

冗談はさておき、もう一つの報告案件は4月から山梨県にある都留文科大学の国際教育学科に准教授(国際教育開発)として着任した件で、実務家としての現役引退と捉えてもらっても差し障りないかと思います。ここまで大きなキャリアチャンジをするので、やはりネガティブ・ポジティブ両方の理由があります。

ネガティブな方から打ち明けると、最大の理由は体調です。元々体が強い方ではなく、中学高校もあまり体調が安定せず、通知表の所見欄も健康に関する記述が入ってきたり、欠席20日・遅刻早退はその半分というのがデフォでした。

中三の時の所見欄。修学旅行中に一度目の倒れ芸を発揮して、左右で握力差が50ぐらいある状態に

国際協力分野は健康超人コンテスト的な側面もあるので、中々に厳しい現役生活でしたが、昨年其れにトドメを刺されました。パキスタンはイスラマバードに出張に出かけたのですが、そこで倒れてしまい、その後遺症から大好きだったパワーリフティングもできなくなってしまう程でした。この私の倒れ芸は、人生で三回目で、一度目も二度目も一部身体にマヒが出て、人生を全力疾走できるのも40歳前後迄だろうと言われていたし、そうだろうなと自分でも思っていたので、来年40歳になるこの辺りが引き際かなと。

イスラマバードの街並み

もう一つの理由はやはり二度の離婚ですかね。元々国際協力の道へ進んだのは「本当に強いというのは、力で人を従えることではなく、その力を必要とする人達にそれを差し出せる事だ」と幼馴染に言われたからだったし、体調をおして国際協力を続けられた原動力も世界の貧困や争いを悲しむ配偶者✕2にどうか笑顔でいてほしかったことが大きかったので、何度目かの独身に舞い戻ってしまったら、仕事に対するモチベーションが完全に消えていました。

都留文科大学に来た理由

イスラマバードで倒れてから本格的に就職活動を始めました。民間企業から自分にそんな値打ちがあるんだと自分で驚くほどの金額のオファーをもらったりしましたが、その半額すら結構下回る金額で国際教育開発を教えて欲しいとも言われました。

流石に自分でもかなり悩んで色々な人に酒を飲みながらグダグダと相談したのですが、ある日ふと、地元に戻っても会う人がいないぐらい友達のいなかった私に、こんなしょうもない悩みを聞いてくれる友人が沢山できたのは国際教育開発をやってきたおかげだなという思いがよぎりました。それから、テーブルマウンテンから見下ろしたケープタウンの街並みやスワヤンブナートから見下ろしたカトマンズの街並みといった数々の世界中の美しい風景を見れたこと、オバマ大統領の就任式をワシントンDCで見たりアパルトヘイト下では有色人種が乗ることが出来なかった政府施設のエレベータにローカルスタッフの同僚と乗ったりと世界の歴史を肌身で感じられたこと、アジアやアフリカの色んな国の人達に感謝されたこと、上手くはいかなかったけど素敵な女性に巡り合えたこと×2、今この身に何かが起こったとしても良い人生だったと思えるのは、それは全部国際教育開発を仕事にしていたおかげなので、国際教育開発に恩返しをすべき時なんだろうなーと思うようになりました。

テーブルマウンテンより
スワヤンブナートより

都留文科大学の国際教育学科は、なぜか私の出身学科(東大教育学部基礎教育学科、という名の教育史哲)出身の先生が複数名いて、ゲスト講師にも複数回呼んでもらっていたり、ここの学科の学生さんをインターンとして採用したこともあったので、よく知った場所でした。特に気に入っていたのが、

①国公立しかダメ・都内はダメといった比較的貧しい学生が集まっているので(私も受験は国立前期一本勝負だったので立場はよく分かるし、貧困削減が大目標の国際協力を仕事にする人・学ぶ人のSESが異常に高い方に偏っているのは良くないと思っています)、そういった学生達を教育の力で一人前の国際協力のスペシャリストにしてあげられなくて、何が教育の力で途上国の貧困をなくそうとしてきただ、と思える

②件のインターンさんについて、インターン先のスーパーバイザーである私を煙たがることもなく、大学院留学が決まって先生方が本当に嬉しそうだったので、いい先生が多いんだろうなと思っていた

③元々が教員養成校だったので、教育に強い

④学生さんたちが総じて真面目で頑張り屋さんが多い。割とマジでビビるレベル

⑤新築校舎なのでピッカピカだし、教室の器材も無駄に充実しているのでテンションが上がる

広くてきれいな私の研究室

⑥自然豊かなところにあって(裏山、というものがあるのも驚きですが、裏山にはムササビがいるそうです。いつかモンスターボールで捕ま…)、温泉も近くに複数あるので、体調が結構厳しくなっている私がゆったりと生きていくには最適な環境

⑦海がない(岐阜・マラウイ・ジンバブエ・ネパール…)

という点です。心身ともに限界を超えたおっさんが余生を過ごすには悪い場所ではないのかなと思ったので、民間企業さんの方にはお断りのお電話を差し上げましたが、さすがにこの待遇差で断ると思われていなかったのかたいそう驚かれていましたが、国際教育開発に恩返しをするためにそんな決断をしてしまう馬鹿がいるんだなーと自分自身に驚きました。

大学での教育について

国際教育開発の授業とゼミを持つことで呼ばれているので、そこは大学での教育の中心になってきます。今のところ具体的には、

World Development Report 2018: Learning

2023 Smart Buys: Cost-effective Approaches to Improve Global Learning Levels

Methodological Guidelines for Education Sector Analysis

方法論としての教育への人権アプローチ

を基本線に、いくつかUNESCOのGlobal Education Monitoring Reportの中で面白そうなものを読ませて、後は卒論に向けてSystematic Literature Reviewに取り組んでもらおうかなと考えています。個人的にはこれまでサルタックとしてやってきたように、一人でも多くの学生さんを海外の修士課程に送り出せるといいなと思っています。理由は日本の大学院(博士)の研究環境があれなのと、日本経済のプロスペクトがあれなので日本の学位だけでこの後の人生を送るのはあれがあれであれなのかなと思うからです。

あと、教育経済学も教えています。人的資本論・シグナリング理論・教育の私的/政府にとって/社会にとっての収益・内部収益率とミンサー方程式の実践辺りの基礎的なところをカバーしたら、因果推論に飛ぼうかなと思っています。因果推論さえ押さえておけば、よほど画期的な政策が起こらない限りそんなに教育経済学は分野として大きく進展していく分野ではないので、何とかなるっしょという希望的観測です。因果推論については、Methods Matter: Improving Causal Inference in Educational and Social Science Researchを念頭に置いて教えていくつもりです。そういった基本的な所を押さえたら、教員志望の学生さんが多いので、Pupils to teacher ratio・Teacher labor market・Teacher license and trainingといった教員政策関係の話をするつもりです。

質的調査法の授業もやっていますが、これはAn Introduction to Qualitative Research: Learning in the Fieldをベースに、去年サルタックでも実施した質的調査の調査デザイン調査手法コード分析を座学で教えて、後は実践あるのみ!という感じで進めようかなと思っています。

この辺を学んでもらった後に、ネパールあたりにでも行って学んだことを途上国の文脈の中で使ってみてほしいなと思っています。

学科会議で使うこの建物は去年オープンしたばかり

研究の予定

今後も履歴書に載るプロフェッショナルな物は英語、履歴書に絶対書かない遊びのものは日本語と言語を分けていく予定です。言うまでもありませんが、国際教育協力の話を日本語で書いたところで関係者の誰が一体読んでくれるんだ笑?というのがある一方で、思い上がりかもしれませんが、自分の知識や経験を日本語で読みたいという需要があるように感じるので、そういった需要には社会貢献&サルタックのファンドレイジングとして応えていこうと思います。

ただ、これまでと違い、友人や大学の要請に応えて少し対処領域を広げていく予定です。具体的にすでに進んでいる話としては、

①日本の女子教育について

②高等教育の国際領域について

辺りがあります。ただまあ、日本の研究環境で踏ん張ったところで、国際教育協力の潮流に何か影響を与えられるかと言われれば、それこそB29を竹やりで落としやがれという話に近いですし、テニュアももらっているので、研究はそこそこでいいのかなとも思っています。なので、研究のための研究をするというよりは、

③学生さんが将来海外進出する際のステップとなるように、学生さんと共著が書けそうなトピックでの研究

④「今年の国際比較教育学の大賞論文はここが凄い!」という記事でも書きましたが、日本の国際教育開発の弱点の一つは知がアカデミアに偏りすぎて何の緊張感もないところなので、どこかNGOと共同できそうなトピックでの研究

辺りを頑張ろうかなと思っています。あとはなんだかんだ言って、学生を海外に無事に送り出すためには自分自身がしっかりとした研究者でなければいけないので、

⑤サルタックネパールと実施するネパールでの研究

⑥二次データを用いた教育政策の統計分析

辺りにも取り組んでいくことになるはずです。

皆様へのお願い

私の衰えが顕著になっていく一方で、サルタックの活動の重要性は高まっていく一方だなと感じています。

1つには、元インターンたちが海外の大学院へ進学し、ネパールへ戻ってきて研究をする機会が増えてきました。今年の夏も2名ネパールへ行って研究をする予定だそうです。しかし、現在サルタックネパールの常勤職員が2名しかいないため、この元インターンたちの研究能力を活かして途上国の教育改善を狙っていくボトルネックとなってしまっています。

もう一つには、赴任してまだ1カ月ですが、地方の公立大ということもあって「機会」に飢えている学生が多く、ネパールでインターンしたいという学生さんたちが結構います。ただ、これにすべて応えるには以下同文。

といった感じなので、サルタックへのご支援をぜひお願いできればと思います。寄付や継続的なご支援もありがたいですし(こちらから宜しくお願いします→https://syncable.biz/associate/sarthakshiksha/donate)、時間の融通は多少効くので、ご相談やご助言、お話の機会など頂ければ幸いです!

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