国際協力における心のケアの勧め

サルタックブログ読者の皆さま、こんにちは!体は日本、心はインドネシアな?イトウネシア杏子です。

ゆるふわ日記シリーズとして毎週サルタックの理事陣がゆるふわ感溢れるブログのアップを試みています。そんな中で先日、ガチムチ感あふれた?畠山理事からのブログもありましたが、本記事の中で如何に体力が国際協力従事者にとって重要かという点が強調されました。国際協力を仕事として途上国フィールド経験がある私も、これには大変納得しました。(しかし、あのレベルのトレーニングは私には。。。)

そんな体力面に加えて、私が国際協力において重要だと感じるのは、精神面です。タフな精神力が、国際協力特に開発途上国をベースにする場合、実に重要になってくると自らの経験を通して感じました。そんな精神を鍛えるには、ガチムチなメンタルトレーニング!(も必要かもしれませんが)、私が強調したいのは心のケアです。

心理的なケアは国際協力のプログラムにおいても、一つの重要な要素となっていますが、国際協力に従事する職員自身にとっても非常に重要だと感じます。途上国の現場では特に、働く環境は決して良いとは言えません。未整備なインフラ環境、過酷な天候や悪路の中での頻繁な移動、衛生面の悪い食事、上司や同僚との距離感、仕事とプライベートとの切り分け、責任感や使命感とのバランス、生活環境においても枚挙に暇がありません。(水が出ない、電気が来ない、シャワーが壊れる、トイレが壊れる、雨漏り、などなど。。)。こういった環境の中で無意識のうちにもストレスはドン溜まりしていきます。

画像2

(事業地へ向かって、道なき道をひたすら進む)

画像1

(こちらの道は工事中で、車が通れず徒歩で通行)

勿論、途上国に限った話ではなく、現代はストレス社会と言われる通り、仕事や人間関係、コロナにおける環境の変化やデジタル社会など、常にストレスとなり得る要因に囲まれながら私たちは暮らしていて、心のウェルビーイングをどうやって保つかが日々問われていると思います。

国際協力の現場においては、そういった日々のストレスから自分を守っていかないと心の元気が無くなり、またそれが身体の健康にも影響し、仕事にも精を出せなくなります。事実、厳しい環境下で働き過ぎから生じる燃え尽き症候群も非常に多いのはこの業界の特徴です。また燃え尽きるまでいかなくとも、正義心が元々強くこの業界に入ってきた人は、現実とのギャップや自分自身の無力感に苛まれることも多々あります。その様なことからも、自分の精神を整える心のケアが必要です。心のケアを含めセルフマネジメントが出来ないと、自分自身の持続性が無くなり、長い目で社会に貢献が出来ないと私は考えます。

では、実際に心のケアって何をしたら良いの?と思われる方に、途上国の現場でも使える!私なりの心のケア方法をご紹介します!

その一 自分を見つめ直す
忙しい毎日、知らない間にストレスは溜まっています。また日々沢山の思考が巡り、脳内も感情も揺れ動いています。NGOのフィールド勤務時代は、とにかく業務量が多くなんでもかんでもこなさなければならない面があり、基本忙しいです。事業地へ実際出向くフィールドワークと、大量のペーパーワークとのバランスも重要です。それに加えて、様々な価値観と向き合ったり、限られた人間関係に悩んだり。

そんな目まぐるしい日々の中で、ちょっと立ち止まって今の自分を見つめる時間が重要になります。自分の状態につき理解しているつもりで、全然理解していないときや、整理出来ていないときが多々あります。自分の心に正直になり、今の自分の状態を確認することが、ありのままの自分を受け入れるプロセスであり、また次に進むステップになります。具体的には、毎日ではないですが週一程度のペースで、ノートに自分の心境などをただただ書き出します。ストレスが溜まっていると感じるときは、自分のマインドマップの様な、ストレスの原因になっているだろうと思うことをダーッと書き殴ったりもします。NGO時代にこの通称?ストレスマップが一時期ものすごいボリュームになったことは今でも覚えています苦笑。しかし、それを書き出すことで客観的に自分の状態を把握出来、その中から自分が変えられることは何かを見極め、その後の行動に移すことで、ストレス緩和に繋がりました。

その二 良質な休息を取る
これは基本中の基本かと思いますが、ついつい無理しすぎてしまう現代社会。途上国の現場においても、例外無く働き過ぎ現象はよく起こり、プライベートと仕事の境目もつけにくいこともあります。

そんな中だからこそ、私にとって休息は働くことと同じくらい超重要です。良質な休息は、日頃のストレスを緩和し、あらゆるものから程よい距離感を取り戻し、それが仕事の生産性を上げるだけでなく、より豊かな人生へと導いてくれると思っています。

では、良質な休息とは?私の中では、毎日の睡眠(8時間以上は必至)、1日3食しっかり食べることといった基本に加えて、積極的な休息を取る様に心がけています。積極的なというのは、ただテレビやネットフリックスを受動的に見続けるのではなく、ヨガや瞑想など、自分の精神を能動的に統一出来る様な環境で心の休息を取ることです。ミャンマーの田舎にいた時は、ヨガを快適にするために自分の部屋自体を設計デザインからやりました笑

その三 超絶オフラインな環境に身を置く
最後に、これも超重要!朝から晩まで毎日私たちはデジタルな環境にどっぷり浸かっていますよね。特にコロナ禍でテレワークが多くなり、寝てる時以外、ほぼPCや携帯を見ているのではというレベルかと思います。途上国の現場でも、PC無しでは働けません。また私がいた地域でも普通に常時ネットに繋がるので、全然デジタルな生活でした。

そんな普段のデジタルな環境から、敢えて自分をオフラインな環境に置くことが非常に重要ではないかと思います。本来の人間らしさを取り戻すためにも、デジタルから離れ、自然と触れ合うことが最高の心のケアなのではないかと思っています。私がミャンマーの田舎にいた時は、週末に友人たちと近くのイラワジ川(ミャンマーの大河川)に行き、そこでボートを借りて、飲み物や食べ物を持ち込み、今にも壊れそうなエンジンをつけたボロボロの船で川を渡りながら、自然を全身で感じました。仕事のことは一切忘れ、ただただ自然のパワーに包まれる最高の瞬間でした。(また、船の上で太陽を浴びながら心地よい風と共に、ビールを飲む瞬間は、本当に生きててよかったと思えるベスト3に入ります)

画像3

(イラワジ川の夕陽)

ということで、今回は国際協力における心のケアについて書きましたが、如何でしたでしょうか。どんな環境下でも自分を労わることは重要ですが、国際協力においても自分を労わることが出来なければ、他人を労わり社会をより良くすることは難しいと感じています。

ケアの仕方については人それぞれだと思いますが、一例として参考になれば嬉しいです。皆さんはどんなケアを普段されていますか?是非コメントなどお待ちしております。

いつもサルタックのブログを読んで頂き有難うございます!
最後にお知らせですが、サルタックは現在、ネパールの女の子たちに新型コロナで失われた学びを取り戻す機会をキャンペーンを行っています。キャンペーンも残り11日となりましたが、目標額までまだ程遠い状態です。サルタックの活動に少しでも賛同頂ける方、理事陣のゆるふわブログが中々面白いぞと思って頂けた方、是非是非ご協力を頂けると嬉しいです~~!!!

皆さんへの感謝の意を込めて、
ナマステー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3月8日は国際女性デーです。新型コロナで失われた学びをネパールの女の子たちが取り戻し、まずは教育におけるジェンダー平等が実現するように支援をしていきたいと思います。ネパールの女の子たちに新型コロナで失われた学びを取り戻す機会をキャンペーンを実施中ですので、みなさまのご協力をどうぞよろしくお願いします!

サルタック・シクシャとは、ネパール語で「有意義な教育」という意味です。 私たちは、世界中の全ての子どもたちが、人種や信条、性別、出身家庭等にかかわらず等しく「サルタック・シクシャ」を受けられる社会の構築を目指しています→新しくなったHPを見てみる

現在サルタックは新型コロナによる学校閉鎖が続いているネパールで緊急学習支援を実施しています。行政、学校、親などのステークホルダーと協力して学校閉鎖中、学校再開後の子供たちの学習支援を実施していきます。子供たちの学びの喪失を少しでも軽減し、学びを継続できるためにどうかお力添えをよろしくお願いいたします→緊急学習支援について知る・寄付をする

またサルタックでは、記事の執筆者による執筆後記や各種情報を記載したメルマガを配信しています。ご興味がある方は下記のリンクよりご連絡ください→無料メルマガを受け取る



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?