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全てを失った日

機材の話を思い出していて、昔から気付いていた残酷な事実というものをもまた思い出さざるを得なかった。

全ての人に言える事ではないのかも知れない。
私にしか適用されない法則である可能性もある。
ただ実感としてあるのは、

高くて機能性に優れた機材を持っていると、創造力が spoil される。

学校生徒や学生だった頃にはお金がなかったから、ギリギリ買える機材だけで、それらを無理矢理 同期させて、ようやく買えたミキサーに音をぶち込んで遊んでいた。

当時の私がどれだけ変態だったか、話せば長くなるので取り敢えず措く。

今は、もちろん事業のためでもあるけどとんでもない「機材長者」ですよ。まあ上には上がいるので大きなことは言えないが、あの頃の自分と比べると、ねえ。

一方で、音楽を作りたいとか録りたいって気持ちは限りなくゼロに近くなっている。単純に私が怠惰なだけかもしれないが、何でもできるという環境が出来上がると、何にもしたくなくなるのだ。

「金に物を言わす」という言葉があるけれど、金が物を言う分、自分は何かを失っている。少なくともそういう危機感を持っておいた方が良い。
自分が何かを失っている、という感覚は重要だ。

言いたいことはそれだけなんだけど。

ただ表題とヘッダを消化しなきゃならんので。
社会人になって数十万円というお金を頂戴するようになって、僕は AKAI の MPC-3000 を買った。ただ、ほとんど使わずに売った。

Five-G でアイツを買った瞬間、私のクリエイティビティはゼロになった。

そこに罪人(つみびと)はいない。私という空っぽの人間が勝手に悲劇を作っているだけだ。
ただそういう経験をね、言い残さないと死ねないんだよ。死ねないって極端だけど、伝える必要がある、とは思う。
くだらない話だけど。

で、サルタナという店は「創作欲の枯れた爺さんが、どうにか保有機材を活かしたいと思ってやる店」なんです。
悲しい言い回しに聞こえるんだろうけど、違うの。若くて才能のある人に、お金はないけど創作意欲バキバキな人に、触って欲しいんだよ。
純粋にそういう話

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