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ウォン・カーウァイ4K『天使の涙』  男女5人の恋と青春 スタッフブログ

みなさん、こんにちは。

WKW4Kの上映は楽しんでいただけていますか?
入退場時にみなさんがポスターやスチール写真をじっくりと見てくださっている姿に感動しております!!
等身大パネル置きたかったなーなんて。

本日は『天使の涙』をご紹介します。
いつもながら自由気ままに書いていますので、ゆるーく読んでください。

エージェントの女は、仕事以外で顔を合わせることがほぼない殺し屋の男に密かな恋心を抱いていた。足を洗いたいと考えている殺し屋はある大雨の日、金髪の女に出会い、互いのぬくもりを求める。一方、期限切れのパイナップル缶を食べて口がきけなくなったモウは、夜な夜な他人の店で勝手な商売を楽しむ日々。そんな中、失恋娘と出会い初めての恋をする。

『ウォン・カーウァイ4K』公式HPより

本作は、WKW4Kの5作品の中でも映像美でいったら一番なのではないでしょうか?
とにかく、画面がおしゃれ。
超広角レンズを使用し、アップのシーンが多数あります。でもそうすることで、人物は近くに見えるのに、遠くから覗き見している感覚になります。
コマ落としで撃ち合いの場面に躍動感を持たせたり、鏡越しに撮っていたり、光や音楽のセンスも抜群。
最初から最後まで、とにかく美しい映像です。
だから、絶対にスクリーンで観てほしいですね。

当初『恋する惑星』の一部として考えられていた本作。
しかし一つに収まりきらず、『天使の涙』として単独で制作されました。
ナレーションを多用し、物語が進んで行きます。

ストーリーは大きく2つに分かれています。
レオン・ライ演じる殺し屋パートと、金城武演じるモウのパート。
そこにミシェル・リー演じるエージェントとカレン・モク演じる金髪の女、チャーリー・ヤン演じる失恋娘の3人の女性が関わってきます。
『恋する惑星』と違い、この2つのパートが交互に出てきます。

殺し屋:レオン・ライ

殺し屋とエージェントは会ったことはないけれど、お互いを意識する関係。でも仕事に私情は禁物。さて、この関係はこのままでいいのか、、、という展開。
そんな2人の間に、突如割り込んだ金髪の女。いつもハイテンションで、思い立ったらすぐ行動の彼女だけれど、実は寂しがり屋で恋愛にはまっすぐで正直。
この三角関係の結末はどうなる―。

エージェント:ミシェル・リー
金髪の女:カレン・モク

期限切れのパイナップル缶を食べすぎて話せなくなったモウ。
閉店後の人の店を勝手に営業してお金稼ぎをしている、自由奔放な青年。
そんなモウが失恋娘と出会い、初めての恋をする。

モウ:金城武

失恋娘は嫉妬からくる執着が半端ない、こちらもテンション高めの人。行動は間違っているけれど、本人はいたって真剣。
モウにとって彼女との出会いが、彼の人生を大きく変えていく―。

失恋娘:チャーリー・ヤン

モウにとって欠かせないのは、父親の存在。
モウがホームビデオで父親を撮っている映像は、実際にはクリストファー・ドイルが撮っていたというから、なんて贅沢なホームビデオなんだ。。
でも、そこには父と息子の愛情があふれていて、ほっこり。


男女5人が絶妙な距離感で絡み合いながら、それぞれの切ない恋愛模様を描いた群像劇です。
本作は観る度に沼のようにハマっていきます。
是非是非、ご鑑賞ください!!

帰り道は絶対フライング・ピケッツの「Only You」を聞きながら。
そして、モウの背中のぬくもりを妄想してお帰りください!!


ブログの最後に少しだけ〈おまけ〉があります。
本編の内容にがっつり触れていますので、鑑賞後によかったら覗いてください。あっ、でも読まなくても大丈夫です。(あえて読んでくださいとは言いません)
私の心の声をどうしても書きたかっただけです。

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*以下、本編の内容に触れています。



〈おまけ〉
最後に、5人の登場人物が全員キャラ濃いめなので、私の独断と偏見ありすぎな紹介をさせてください。

レオン・ライ(殺し屋)は二丁拳銃をぶっ放し、傷の痛みに悶える姿が妙にセクシーで、「今夜限りの相手が欲しかった」とかあのイケメン面で平気で言うし、あそこでキスとかズル過ぎるでしょってなるけれど、でもただ歩いているだけで絵になるから仕方ない(でいいはずない)。でも油断は禁物だと忠告しておきたい。

ミシェル・リー(エージェント)は、赤い口紅や網タイツで色気ダダ洩れで、ゴミを漁るとかヤバイ事しているのに、相手のベッドで欲をさらけ出して涙するとか、もう何でもしてくれとなる。

カレン・モク(金髪の女)は最高にチャーミング。存分にその魅力を爆発させている。
登場シーンもしかり、殺し屋とのラストシーンは素晴らしすぎて言葉にならない。あの台詞、最高だよ。あれで完落ちしない殺し屋、なんなの。

正直、『恋する惑星』の金城君パートは、後半のトニー・レオンのパートが圧倒的に良すぎて印象薄め。
でも本作の金城武(モウ)は最高。やっていることはハチャメチャなのに、モウが生き生きとしていて魅力的。
人との距離感おかしいし、恋をして金髪生えてくるとか意味不明なのに、すんなり受け入れられる。

チャーリー・ヤン(失恋娘)は、失恋相手に電話しながら笑顔なのが恐怖。失恋相手の婚約者に対する暴言、本心だからさらに恐怖。そして、モウの存在を完全無視で立ち直り早い、ある意味ポジティブ。
黒髪を振り回りながら電話口で叫ぶ姿に釘付け。

こんな人たち、本作以外には出会えません。
なんて素晴らしいことでしょう。

(みに)