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スタッフブログ

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スタッフによるオススメ映画ブログを更新!
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#静岡シネ・ギャラリー

6/16公開『劇場版 優しいスピッツ』パンフレット販売について。映画みどころ

『劇場版 優しいスピッツ』パンフレット販売について6/16公開の『劇場版 優しいスピッツ』のパンフレット取扱いは下記の様のさせていただきます。 チケット販売開始の9:30より販売いたします。 数量限定、売切れ次第販売終了。 お一人様1冊限りとなります。 何卒ご了承ください。 《6/17(土)パンフレットは完売いたしました。再入荷の予定はございません。オンラインでご購入下さい。》 『劇場版 優しいスピッツ』のみどころWOWOWで2022年放送された「優しいスピッツ a se

『イニシェリン島の精霊』アフタートークのまとめ

現在アカデミー賞にも様々な部門でノミネートされている『イニシェリン島の精霊』ですが、シネ・ギャラリーの上映もそろそろ終盤に差し掛かってきました。 皆さまもうご覧になりましたでしょうか? 個人的に見終わったあと、「……?」となっていましたが、ご覧になった方と話すと様々な見解で議論が巻き起こる、おもしろい映画だなあと思いました。(考察好きな方にはとても楽しめるのでは。) 映画の解釈は本当に人それぞれですが、ただのおじさん2人の喧嘩だと思いきや、その中にいろいろなメタファーが込め

9/16スタート!「ウォン・カーウァイ 4K」館内展開の紹介

とうとう始まりますね!ウォン・カーウァイ4K! 2020年に『花様年華』20周年記念として香港で5作品4Kレストア版が上映されると耳に入り、きっと日本でも…と公開を心待ちにしておりました。 気合い入りまくりのアジア映画好きスタッフ一同、 公開に向けて色々と準備をしましたのでご紹介させていただきます。 ①公開当時のポスター特別展示今回上映する5作品のうち、日本初公開時に当館で上映された下記4作品の公開当時のポスターを特別展示します。 『恋する惑星』 『天使の涙』 『ブエノス

「ウォン・カーウァイ 4K」のその先は…Part.2【ウォン・カーウァイの影響を受けた監督作品 他】

9/16から始まった「ウォン・カーウァイ 4K」。 90年代その熱狂の中で当時映画を観た方、ウォン・カーウァイの名前を知ってはいたけど初めて劇場で観たという方、当時からの香港明星迷な方まできっと楽しんでいただけたはず! しかしここで終わりではない…。 皆さまの映画感度が上がったこのタイミングを逃してはならない! そこで、ウォン・カーウァイ作品を起点に是非観ていただきたい映画をご紹介します。 Part.1「ウォン・カーウァイ 4K」のその先は…Part.1【もっとウォン・カ

「ウォン・カーウァイ 4K」のその先は…Part.1【もっとウォン・カーウァイを浴びたい!】

9/16から始まった「ウォン・カーウァイ 4K」。 90年代その熱狂の中で当時映画を観た方、ウォン・カーウァイの名前を知ってはいたけど初めて劇場で観たという方、当時からの香港明星迷な方まできっと楽しんでいただけたはず! しかしここで終わりではない…。 皆さまの映画感度が上がったこのタイミングを逃してはならない! そこで、ウォン・カーウァイ作品を起点に是非観ていただきたい映画をご紹介します。 ウォン・カーウァイの他の作品を観る『欲望の翼』 監督:ウォン・カーウァイ/199

失われた愛を求めて、誰もが「2046」へ向かう。ウォン・カーウァイ監督『2046』

2004年に公開された本作、日本からは木村拓哉が出演するなど、アジアのスターを集結させたウォン・カーウァイの新作とあって大変話題になりました。 私も当時は『欲望の翼』と『花様年華』と繋がりがあるらしい…程度の情報で観に行きました。 やっぱりトニー・レオンの演技! 『花様年華』のチャウを本作でも演じるトニー・レオン。 1962年と1966年のチャウは同じキャラクターなのに振舞いはまったく違います。 チャン・ツィイー演じるバイと初めて出会ったとき、足先から顔へ這うように移ってい

愛は、もうはじまっている。王家衛監督代表作『花様年華』

今回のウォン・カーウァイ4K、そもそもはこの『花様年華』制作20周年を記念して、監督自らが5作品をレストアするプロジェクトとして始動。 『恋する惑星』がウォン・カーウァイの名を世界に知らしめた出世作というならば、『花様年華』はカンヌ国際映画祭でトニー・レオンに主演男優賞をもたらせて(超納得!)、世界的名監督と呼ばれるようになった代表作です。 カンヌ主演男優賞受賞!トニーレオンまずはこの作品で第53回カンヌ国際映画祭の主演男優賞を獲得したトニー・レオンの演技でしょう! 『欲望

百の診療所より、一本の用水路を『荒野に希望の灯をともす』スタッフブログ

パキスタンとアフガニスタンで35年に渡り医療支援と用水路の建設に尽力した中村哲医師の活動を回顧するドキュメンタリー。 2019年12月4日に何者かに銃撃され死去した中村医師の活動は、これまでさまざまなメディアで報じられていますが、こうして改めてその活動全体を通して観てみると、その一貫した意思の強さと、支援の在り方についてのブレない姿勢に胸を打たれるのでした。 1978年にパキスタンのティリチミール登山の日本隊に帯同医師として参加の折、同地でまったく医療を受けられない患者が

その絆が愛を変える。『パラレル・マザーズ』スタッフブログ

映画『パラレル・マザーズ』スタッフブログ※以下には物語全体の構成についての考察を含みます。 映画のタイトル的にもこれは二人のシングルマザーの出逢いについての話という印象ですが、実際は少し違う。 冒頭でジャニスとアルトゥロが話す集団墓地発掘についての会話は二人の出会いの単なるフックかと思きや、物語の大きな要素のひとつ。 ジャニスは集団墓地に曾祖父らが埋められた経緯や、一緒に埋められた人たちの名前や写真を詳細にアルトゥロに説明する。ここでフックにしては描写が丁寧だと感じるのです

ティルダ・スウィントンがひとり芝居で魅せる30分!『ヒューマン・ボイス』

入り口にスーツケースが置かれた部屋で女が一人、恋人の帰りを待つ。いつまでたっても戻らない恋人を待つうち、女は絶望に打ちひしがれ、理性が崩壊していく・・・ ジャン・コクトーの戯曲『人間の声』をもとにペドロ・アルモドバルが翻案。 プーランクのモノオペラ『人間の声』の初演はコクトーが演出と舞台美術を担当したとのこと。 30分と非常にコンパクトな小品ですが、細部まで練り上げられた美術とファッション、彩度の高い映像の美しさはアルモドバル的世界が最高濃度に濃縮された珠玉の逸品。 恋人

ウォン・カーウァイ4K『ブエノスアイレス』 「会いたい」の魔法 スタッフブログ 

みなさん、こんにちは。 先月レスリー・チャン出演の『花の影』を鑑賞して、改めてレスリーの存在は【永遠】だなと実感しました。『さらば、わが愛 覇王別姫』がとてつもなく好きな私にとって、チェン・カイコ―監督、コン・リー、レスリーの組み合わせで幸せな時間でした。幼い頃のトラウマを引きづりながら、もがき苦しむレスリー。抱きしめたかった。 今回シネギャラリーでレスリーに会える日が来るとは。。。 11月には『欲望の翼』でまた再会できます。 幸せですね。 本日は、『ブエノスアイレス』

ウォン・カーウァイ4K『天使の涙』  男女5人の恋と青春 スタッフブログ

みなさん、こんにちは。 WKW4Kの上映は楽しんでいただけていますか? 入退場時にみなさんがポスターやスチール写真をじっくりと見てくださっている姿に感動しております!! 等身大パネル置きたかったなーなんて。 本日は『天使の涙』をご紹介します。 いつもながら自由気ままに書いていますので、ゆるーく読んでください。 本作は、WKW4Kの5作品の中でも映像美でいったら一番なのではないでしょうか? とにかく、画面がおしゃれ。 超広角レンズを使用し、アップのシーンが多数あります。で

旧市街の片隅で私たちは語る 信じて欲しい 壊れた過去も美しいと『金の糸』スタッフブログ

映画『金の糸』スタッフブログ老境に入った3人がそれぞれの想いを交錯させることで過去と向き合い、今をどう生きるのかを描いていく物語。 詩のようなセリフ、映像は淡いトーンで纏められ、清潔感があり、ときに幻想的で、どのシーンも大変美しい。 エレネは作家としての感性から今の生活と過去の想い出を総括しているふうで、年齢なりの枯淡の境地がにじみ出ています。 アルチルはエレネとの想い出を大切にしつつ、今のエレネとの関係を再構築するように度々電話をしてくる。 アルチルは車椅子生活をし

この゙ゲイ狩り”を世界は止められるか―『チェチェンへようこそ ─ゲイの粛清─』スタッフブログ

スタッフブログチェチェン共和国というとソ連崩壊後、ロシア連邦への編入を拒否するチェチェン人とロシア中央政府との激しい紛争に発展し、イスラム系の過激派によるテロ活動の活発化、2度に渡る紛争、首都グロズヌイのロシアによる占領を経て、現在のカディロフ政権はプーチン大統領の強力な後押しのもと、国内を専制的に統治している状況にある。 世界でも有数な専制統治を行うカディロフの悪名はこの映画の前から広く知れ渡っているところですが、最早狂信的とさえ思える国内の純化政策を推し進め、ゲイに対す