There will come...
アメリカの詩人、Sara Teasdale(サラ・ティーズデール)の作品のひとつに"There will come soft rains"という詩があります。
(War Time)
There will come soft rains and the smell of the ground,
And swallows circling with their shimmering sound;
And frogs in the pools singing at night,
And wild plum trees in tremulous white,
Robins will wear their feathery fire
Whistling their whims on a low fence-wire;
And not one will know of the war, not one
Will care at last when it is done.
Not one would mind, neither bird nor tree
If mankind perished utterly;
And Spring herself, when she woke at dawn,
Would scarcely know that we were gone.
以上が原文。
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こちらのブログで、素敵な訳文が見られます。
「やさしい雨が降ってきて」
(戦の時)
やさしい雨が降ってきて、大地は強く匂い立ち
燕はきらめくような声を発しながら空(くう)を切る
夜になれば池の蛙達は歌い
山李(やますもも)の白花(しろばな)は風に揺れる
駒鳥は炎のような羽根を身に纏い
鉄条網に低く止まり気ままに囀(さえず)る
何ひとつとして戦(いくさ)を知るものはなく
その果てを気に病むものもない
鳥も樹も人がすべて絶え果てようと
それを心に留めはしない
薄明に眠りより醒めた春でさえも
私たちが逝くことに気づく気配すら見せない
すごい詩ですよね。
(War Time)
と始めにあるように、第一次世界大戦中に作られた作品のようです。
(英語版Wikipediaに詳しくのっています)
私はこの作品を合唱で知ったのですが、
それもとても美しい曲です。
作曲家違いで、この二作品をよく聴きます。
特に1曲目、Ivo Antognini(イーヴォ・アントニーニ)の合唱曲が大好きで、もう何度聴いたかわかりません。
人がいなくなった世界を、人が書き、人々が歌うことで表現する。
なんとなく、皮肉にも感じるのですが、
それでも感動せずにはいられないです。
最近、ナミブ砂漠のライブカメラをよくみています。
地球の裏側では、私が動物園でしか見たことのないいきものたちが、自然のままでたくましく生きていけることを教えてくれます。
ナミブ砂漠は8000万年前から存在する、つまり人類が生まれる前からある砂漠だそう。
サラが書いた世界の片鱗を、私はここに見ているような気がしています。
社会では色々なことが起きますが、人間以外の世界はいつも大きな変化をすることなく、回り続けている。
このことが、最近の沈みがちな心を少し安らかにしてくれています。
みなさまもどうか、ご自身の気持ちを大切に、、
辛いことからは離れるのも大事と聞きます。
みなさまにとって今日がいい日でありますように。