豆まきの流儀

今年の節分はどう過ごそうか、と、少しだけ頭を悩ませている。

一人暮らしをしていた頃は学生だったので、この季節は試験期間だったり冬休みだったり、いずれにせよ節分どころではなかった。

実家にいた頃は、節分といえば豆まきだった。2月3日は必ず、家族全員で豆まきをしたものだ。これは、子供の頃だけでなく成人後も欠かさず行われた。
豆まきは、家ごとに様々な流儀があるらしい。小さい子供のいる家では、親が鬼のお面をかぶり、子供達がそれに豆を投げつけて退治するという筋書きのところもあるようだ。しかし、我が家ではそのような豆まきをやった記憶がない。
我が家流の豆まきスタイルはこうだ。窓を開けて豆を1〜2粒投げ「鬼は外」、窓を閉じたら足元に豆を、やはり1〜2粒転がし「福は内」、そして3秒ルールよろしくすぐさまそれを拾ってぱくり。「福は体の内へ、と」なんて言いながら。これを、家族全員ぞろぞろと連れ立って、家中の窓という窓、玄関、お勝手口で行う。書いてみると、ちょっと儀式めいているようにも思えてきた。

今年は実家を出て、家人とマンションでの2人暮らしである。一戸建てのように、窓や玄関から気軽に豆を投げるわけにもいかないだろう。共同利用の廊下に向かって豆を投げたら、ちょっと迷惑そうだ。
小包装入りの豆を買ってきて、袋ごと投げて回収する、という家もあるらしい。なるほど合理的である。

豆をまくよりも、何かを買ってきて食べる、という方が気軽そうではある。少なくとも掃除の心配はいらない。
昨今は、節分といえば恵方巻きという雰囲気が強いのだろうか。どこへいっても、恵方巻き。巻き寿司だけでなく、ロールケーキ、タルト(洋菓子ではなく愛媛銘菓のそれである)、果てはタオルでできたものまであるらしい。恵方巻きタオルは恵方を向いて何をするのだろう。
恵方巻きに隠れてしまいがちだが、イワシを食べる習慣もある。もともとは柊鰯といって「イワシの頭をヒイラギの枝に刺し、魔除けとして玄関に飾る」風習から来ている。

そういえば昨日のお夕飯はイワシのフライだったので、もうこれで良しにしようかしら。ポン酢をつけて食べたら大変美味だった。お魚のフライは、ソースやタルタルをかけてもおいしいが、ポン酢も大変あうのである。
せめて、後で小包装の煎り大豆でも買ってこよう。まかずに、歳の数だけ食べるという手もある。余っても普段のおやつにしたらいいし。楽な方へ、楽な方へと流れていく。


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