お花畑へ踏み入って行くシタ妻

年末年始は、カップル達の盛り上がる季節だ。ハロウィン、クリスマス、カウントダウン、お正月。何かと気分がアガるイベントが多い。

気分が盛り上がると、あっちのほうもお盛んになるのは動物の性。こうしたイベントのときは、ラブホテルの満室表示が目に付く。

不倫カップルも例に漏れないようである。そもそもクリスマスなどは神聖な行事の筈であるが、不倫脳にはそんなことはお構いないのだろう。とにかく、会ってヤレる大義名分があれば何でも良いのである。

当のシタ妻も、クリスマスが平日だったこともあり、ずばりの日ではなかったが、その週の土曜日に会社のイベントがあると言い出掛けて行った。

このころにはもう罪悪感よりも「不倫をしている私」のほうが勝っていたのだろう。

大晦日の夜遅く、たまたまリビングへ飲みかけのコップを取りに行くと、なにやらスマホを弄っている妻が居た。

久しぶりに見た表情だ。なんだったっけ？そうだ、付き合い始めたころの表情、恋をしている時の表情だ。

流石にこの時は強い違和感を抱いた。思えば、この時が決定的に妻を疑うきっかけになったときだった。